2016年不動産の税金の注目ポイントを簡潔にまとめた

不動産の税金のイメージ画像byいくらチャンネル

2016(平成28)年の不動産の税金に関しての注目ポイントは、2つの新たな不動産に関わる減税の制度ができることと、来年に控えた消費税10%に関係する不動産の税金優遇策だ。

今年に不動産売却・不動産購入を考えている方はぜひ知っておくべき内容だ。

2016 (平成28)年の不動産の税金の注目ポイントをできるだけ簡潔にまとめてみた。

 

2016年新たに設けられる不動産の減税措置について

最近よく耳に聞くことも多くなったと思うがいわゆる「空き家問題」が深刻になってきている。統計局の調査によると平成25年の空き家は約820万戸であり、これは総住宅数の13.5%にあたる。そこで、「空き家対策特別措置法」が昨年2015年から施行され、市町村長が特定空家等の所有者に対して周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとることを勧告した場合は、その特定空家等に係る敷地について固定資産税等の住宅用に係る特例の対象から除外することになった。その結果、住宅用地(=土地)の固定資産税等が約3倍になった。

加えて、今年2016年からは「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」が創設された。これは、亡くなった親が住んでいた家の売却に関しての特例で、下記の条件を全て満たした空き家の売却利益に対して、3,000万円まで所得税がかからない特別控除を行うものだ。

  • 相続開始まで被相続人 (=亡くなった人)のみが住んでいた不動産
  • 昭和56年5月31日以前に建築
  • 区分所有建物(=マンション)ではない
  • 相続から3年を経過する日の属する12月31日までの相続であること
  • 売却額が1億円を超えないこと
  • 相続から貸付・事業・居住など空き家以外になっていないこと
  • 行政から要件を満たす証明書等が発行されていること

3000万円特別控除と10年超所有軽減税率の特例とは?

2016.01.30

不動産売却の税金ー譲渡所得についてわかりやすく説明する

2016.01.24

また、3世代で同居するために自宅をリフォームした場合に、上限250万円の工事費の10%もしくはローン残高の2%相当額を所得税から減税する「3世代同居のリフォーム減税」が創設された。これは住宅ローン控除とは併用できない。

これらの新設制度は、2015年12月に平成28年度税制改正大綱として出てきた制度で、大枠として「2016年の不動産の税金はこういう風にしていきますよ」と宣言されただけで、まだ詳細部分がしっかりとわかっていない。興味ある方はこれからの関連ニュースにぜひ注目して欲しい。

 

消費税増税に対する不動産の税金優遇策

さて、2016年に入ってからというもの株式相場の格言「申酉(さるとり)騒ぐ」とあるように、申年らしく相場の乱高下が続いている。消費税率10%の引き上げが2017年4月に予定されているが、本当に引き上げられるのだろうか?このことについて、安倍総理は、

リーマンショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り、確実に実施する

(2016年1月6日衆議院本会議にて安倍晋三首相答弁より)

と述べている。今の相場の乱高下をどう判断するかは政府の判断になるが、よほどでない限り消費税の引き上げを実施する予定なので、10%を前提に話をすすめていく。

消費税増税が実施されれば、住宅の建物価格に適用される税率が、当然現在の8%から2%引き上げして10%になる。土地には消費税はかからない。消費税は、物品が引き渡された時点の税率の適用が原則なので、来年の4月以降の住宅(=建物部分)の引き渡しは、原則10%が適用される。ただし、建物をこれから建てようという方は、契約を結んでから建築期間を経て、実際に引き渡されるまで相当の時間がかかる。そのため、ハウスメーカーなどの注文住宅(=自分で土地を選んで購入し、建物部分もメーカーを自分で選んで設計してもらう)を建てる際の工事請負契約や、分譲住宅や建築条件付土地などの建物が未完成で、購入者が内装の仕様などを注文できる売買契約の場合は、今年の9月30日までに契約すれば引き渡しが来年4月以降でも税率8%が適用される

消費税がかかる不動産と消費税がかからない不動産の違い

2015.12.20

贈与税の非課税枠拡大

住宅取得資金の贈与を受けると、一定額まで贈与税がかからない非課税枠が利用可能になる。非課税枠の額は住宅取得の契約時によって決まり、来年4月からの消費税率引き上げに合わせて、今年10月から1年間に最大3,000万円まで拡大される。なぜ10月からなのかというと、上記で述べたように、今年の9月30日までに契約すれば引き渡しが来年4月以降で税率8%が適用されるために、9月末までに不動産購入の駆け込み需要が予想され、10月以降はその反動で不動産市況が落ち込むことを避けるために講じた政府の優遇策だからだ。これは期間限定の特例措置であり、今後非課税枠が下がっていくので、消費税10%の引き上げ分と比較してより多くの贈与を受けようと考えている方はこの制度を利用すべきだろう。適用対象となる住宅用家屋の床面積は50㎡以上240㎡以下で、贈与年の翌年3月15日までに住宅用家屋の新築等を実施しなければならない。実際に贈与を受けるのは不動産の引渡し時が原則だ。

住宅取得等資金に係る贈与の非課税(平成27年度改正)
 契約の締結期間 消費税10%  個人間売買(非課税) ・左記以外の消費税8%
良質な住宅家屋 左記以外 良質な住宅家屋 左記以外
平成28年1月〜9月 1,200万円  700万円 
平成28年10月〜平成29年9月 3,000万円 2,500万円
平成29年10月〜平成30年9月 1,500万円 1,000万円 1,000万円 500万円
平成30年10月〜平成31年9月 1,200万円 700万円 800万円 300万円

贈与税について詳しく知りたい方は以下を参照してほしい。

3月15日を超えた場合の贈与税の特例制度の適用は可能か

2015.12.30

500万円分の非課税枠が増える「良質な住宅用家屋」とは?

2015.12.29

不動産の贈与の制度-相続時精算課税と住宅取得等資金の非課税

2015.12.28

贈与税がかかるかも?不動産の贈与税について知るべきこと

2015.12.25

住宅ローン減税

住宅ローンを借りると年末ローン残高の1%相当額が10年間に渡って所得税や住民税から控除される。住宅ローン控除の金額は、認定長期優良住宅や認定低炭素住宅を除く一般住宅で、消費税が8%または10%の場合は最大400万円だが、消費税がかからない個人間売買による中古住宅は最大200万円控除される。

対象住宅の種類 消費税が8%または10%の新築住宅・売主が不動産業者の中古住宅   個人間売買による中古住宅(非課税)
控除対象借入限度額 所得税からの控除限度額 住民税からの控除限度額 控除対象借入限度額 所得税からの控除限度額 住民税からの控除限度額
下記以外の住宅 4,000万円 400万円  13.65万円/年 2,000万円 200万円  9.75万円/年
認定長期優良住宅・認定低炭素住宅 5,000万円 500万円 3,000万円 300万円

所得税が還ってくる住宅ローン控除をわかりやすく説明する

2016.01.12

不動産の税金の優遇が受けられる認定低炭素住宅とは?

2016.01.11

すまい給付金の拡大

一定の基準を満たす新築住宅や中古の再販物件(=売主が不動産業者の中古住宅)を買うと、現在は年収に応じて最大30万円のすまい給付金がもらえる。これが10%の消費税率適用になると、給付金の上限が20万円増額されて最大50万円となる。実際の給付額は、住民税の所得割額に基づいて決定しており下表のようになる。期限は2019年6月30日までに引渡し及び入居を完了していることが条件になっている。なお、すまい給付金は個人間売買による中古住宅の場合には適用できない

給与収入の目安 消費税率10% 給与収入の目安 消費税率8%
450万円以下 50万円 425万円以下 30万円
450万円超525万円以下 40万円 425万円超475万円以下 20万円
525万円超600万円以下 30万円 475万円超510万円以下 10万円
600万円超675万円以下 20万円
675万円超775万円以下 10万円

 

また、新築住宅の固定資産税の減税措置や居住用財産の買換え等の特例措置、長期優良住宅の特例措置などの適用期限も延長されている。あなたが2016年に不動産売却・不動産購入に関わることがあるのであれば、恩恵を受けれる可能性もあるためぜひ不動産の税制も考慮にいれて動かれることをお薦めする。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

坂根大介

1986年大阪生まれ。関西大学文学部卒業。野村證券株式会社に入社し、国内リテール業務を経て、その後三井不動産リアルティ株式会社(三井のリハウス)にて不動産仲介を行う。ITを駆使して資産として不動産を高く売却するために、2015年12月に日本で初めて、実際に不動産(マンション)を売却した不動産会社名と売却価格がわかる「iQra-channel(イクラちゃんねる)」をリリースし、売却実績の情報開示を行いつつ、不動産売却に関わる情報も発信している。宅地建物取引士。