両手取引は本当に悪なのか?今のソニー不動産の問題点を考えてみた

初年度は3億円の赤字に終わり、注目されていたソニー不動産の2期目決算が出た(平成27年4月1日〜平成28年3月31日)。

平成27年度ソニー不動産決算

売上高    :11億6,800万円
営業利益 :▲4億2,800万円
当期純利益:▲4億8,500万円

上記の通り、2期目も4億8,500万円の赤字に終わった。最初は「営業の本格開始から3年後に株式を上場、5年後に売上高を500億円に増やすことを目指している」と言っていたが、どうやらかなり厳しそうだ(業界第2位の住友不動産販売の平成27年4月1日〜平成28年3月31日の仲介手数料で563億円)。最初にお伝えしておくが、この記事はソニー不動産を批判したいわけではない。しかし、赤字である以上、完全に消費者の支持を受けているとは言えないだろう。ソニー不動産の抱える問題点について想うところをお話する。

 

ソニー不動産とは?

ソニー不動産

ソニー不動産は、得意のIT技術を駆使し不動産流通革命に挑み、既存の不動産業界の打破を掲げ、2014(平成26)年4月1日に設立、不動産仲介業に算入し、同年8月1日営業を開始した。以下の2点に特徴がある。

  1. 不動産の売り手もしくは買い手のどちらかに専属の担当者をつけるエージェント(代理人)制度の導入
  2. 不動産仲介手数料を「掛かった分だけ」にする(「率」から「額」への合理化)

①はアメリカの不動産の手法に倣い、売却専門の「売却エージェント」と購入専門の「購入エージェント」に担当を分けて、両手取引を行わないことをポリシーに掲げている(片手仲介のみ)。

また昨年の11月にヤフーと組んで、マンションの所有者と購入検討者を、従来よりもダイレクトに結びつける不動産売買プラットフォーム「おうちダイレクト」を開始した。

おうちダイレクト

これは不動産屋を通さず、個人間での中古住宅の売買取引を目指すもので、取引が成立した場合、マンション所有者の売却仲介手数料は無料、マンション購入者の仲介手数料は成約価格の3%+6万円+消費税となっている。

ただし、こちらは失敗と言っていいほど全く盛り上がっていないのが現実だ。不動産屋にとって、土地や戸建取引に比べて、調査内容が少ないマンション取引は比較的簡単であるため、マンションの個人間売買ならできるだろうという目測で「おうちダイレクト」を開始したのだろうが、それは不動産屋の目線であって、消費者目線から見ると、人生で一度あるかどうかの居住用の不動産売却について、知識もなく自ら売却できるほど、不動産は甘くないということだろう(消費者の需要がない・専門性が高いとも言い換えられる)。

不動産屋(宅地建物取引業者)の数は平成27年度末で123,307あるが、その内、従事者が5人未満の業者は104,318にものぼり、零細企業が84.6%を占めていることになる。そんな零細企業の不動産屋が、4億8,500万円の赤字など出すものなら倒産だ。ソニーの名前を利用し、既存の不動産業界の慣習を公正ではない「悪」とみなし、華々しく不動産仲介に切り込んだソニー不動産のどこに問題点があるのだろうか。

ソニー不動産のHPには「お客様の声」という項目がある。

ソニー不動産(お客様の声)

顧客満足度を重視し、90%を超える満足度を達成している(2016年7月時点)。また、顧客からの評価は、透明性を担保するために否定的なものも含めて包み隠さず公開している。この点は「公正」を掲げているだけあって素晴らしいと思う。ただし、90%を超える満足度については、客観的に申し上げるなら、不動産仲介は「売る」こと「買う」ことが目的なので、それが成約して果たされたのであれば顧客もそのサービスには満足はあると思う(嫌なら途中でお願いするのをやめている)ので、これがイコール素晴らしいには直結しないと思う。売却開始して2ヶ月後にまだ成約していないお客様にアンケートを取ってみたら、このような結果にはならないだろう。不安で仕方ないはずだ。専任媒介率や、一般媒介での成約率、媒介切りも含めての数字を出した上での結果ならば、素直に凄いと思う。というか反論ができない。

先ほどから「売却」についての話が中心となっているが、これは2016年8月20日時点で、「お客様の声」に掲載されている全587件中、購入者のアンケートは36件だけであり、率にして93.8%が売却者のアンケートだからだ。そのため、ここからも基本的に「売却」目線で話をしていく。

アンケートは顧客が感謝を示しているのが大部分だ。しかし、気になる点がところどころあるので、それを敢えて取り上げさせていただく。

先に少ないが、購入者のアンケートを見てみよう。

売却仲介をする場合は両手取引禁止は有利だと思うし期待しています。ただ、購入仲介の場合、地域や時期にもよると思いますが、別の仲介会社で両手取引する方が買主の得になったり早めに情報を得られたりする場合もありそうで、片手取引を守りながらどう差異化するのか、今後に期待しています。

まさにその通りだ。強引に自社物件へ引っ張られて両手取引ということは避けれる反面、「このマンション限定で購入したい」という人には全く向かない。ソニー不動産がせっかくその限定マンションを売却物件として預かったとしても全く意味がない。ソニー不動産は「両手取引が全くダメではなく、買い手も売りても納得した場合はOK」などと言っているが、両手取引の禁止をセールスポイントに置いている以上、買い手側からしても「ソニー不動産の売却物件は高く掴まされる」と思うのではないだろうか。売却側は高く売ることに専念し、購入側は安く買うことに専念するのは良いのだが、両手取引を悪とすることが本当に顧客のためなのだろうか。また、他社の不動産会社からしても、ソニー不動産から安く買付書を入れられたら、売主に「ソニー不動産は安く買うことを目的としているので断りましょう。」と言っていてもおかしくないと思う。そんな中どういう手を使えば安く買えるというのだろうか。

売却者のアンケートを見てみよう。

●仲介手数料について

時間がかかると仲介手数料が上がるのは合理的ではあるが、売却する立場から見ると、時間がかかって不安になっていくうえに手数料まで上がるので少し残念に思う。心情からすると、お任せして時間がかかったのだからむしろ割引してほしい。

ここまで言われると厳しい。恐らくソニー不動産側からすると、これだけ時間をかけても何とか成約にこぎつけたので感謝はされても批判されるとは思っていなかっただろう。手数料だけが仲介の収益にも関わらず、それを安易に「安く」すると宣言するからこうなるのではないだろうか。

仲介手数料の安さも貴社のセールスポイントでもあったようですが、専任媒介割引を除くと法定手数料と同額でありお得感はなかった。

仲介手数料がそれ程安くなかった事位が気になる点です。

仲介手数料が高額であるのが、満足できない。国交省の定めた、上限に近い金額に設定している。

手数料は他社に比べて安いイメージの広告を見て貴社に全てお任せしましたが、説明は全くなく結果想像したより高い手数料を支払い、残念でした。最初にちゃんと説明すべきと感じます。

売却期限が長いと手数料が増えるので割安感はありませんでした。

不動産仲介手数料を「掛かった分だけ」にするというところで感謝を述べているアンケートはほぼなかった。HPを見ると以下のようになっている。

ソニー不動産仲介手数料

確かにこれだけではわかりにくい。HPのどの箇所を見ても詳しく書かれているところがない。まさかと思うが、手数料を掛かった分だけではなく、上記のように変更したのではなかろうかと不安になってしまった。

 

●売却エージェント制について

両手取引をしないなど新しいビジネス手法をうたっており、非常に興味深くみていたのですが、なるほどエージェントが通常(他社)よりたくさんの顧客を抱えることがポイントだったのねと思いました。一方、たくさん抱えてしまうことによって、細かな部分(図面の件)がもう一歩、目がとどききれていない印象を持ちました。

両手仲介をしないのであれば、顧客1人あたりの手数料率は他の不動産会社より減るので、営業マン1人あたりが担当する物件を増やすしかない。

一人のエージェントが抱えている案件が多過ぎて、「やっつけ仕事」感があります。

こちらも同じだ。

当初、ソニー不動産自体も仲介で物件を売っていただけるようなイメージももっていたのですが、モデルとしては、仲介業者がレインズから情報を得て、自ら物件を見に行ってインターネットに出す(写真を取る)スタイルだったので、最初はとまどいました。

結果、インターネットに出ている業者からは反応が無く、比較的大手の不動産の内覧だけで、価格を下げて1回目で売れたのは良かったと思いますが、そういう大手は頼りになるなと思いました。

モデルには無いとは思いますが、ソニーさん自体もそのネームバリューで自らの物件は、HPに出すなり売っていただければと思いました。

これには驚いた。では一体、売却エージェントは高く売るための何の努力をしているのだろうか。一部の不動産会社はプロのカメラマンを雇って、写真撮影をして掲載しているところもあるのだ。

○○などにうちの売却情報が複数(多量の)不動産会社から掲載されてしまっています。売れ残りのように感じてしまいます。

売主側に立ってのビジネスモデルは素晴らしいですが、広告の最大化以降の戦略の充実ができれば、知人へより積極的に勧められると思います。

本当にソニー不動産の売却エージェントは仕事として何をしているのだろうか。広告の最大化というが、HOME’SやSUUMOの掲載、チラシを他の不動産業者に肩代わりさせているだけではないのだろうか。売主の不動産を売却をするための宣伝・広告料として仲介手数料をいただいているのに、どこに費用がかかっているのだろうか。売主の物件ではなく、ソニー不動産を宣伝するためのリスティング広告にまわしているのだろうか。

内覧の立ち合いを売主が担当する会社は他にないと思うので、その点はお客様に十分理解してもらった方がよいと思います。

これも正直おかしいと思う。これが本当なら合理化でも何でもない。基本的に物件は売主側が契約書・重要事項説明書を作成するため、売主側の仲介会社が物件の細かい部分まで知識を持っている。買主側の不動産会社がその場所で売主側の不動産会社に質問することもよくある。買い手側がその場所で疑問になったことを、買い手側の仲介会社が会社に帰ってソニー不動産の担当者に電話しなければ、疑問が解決できないというのか。買い手側が疑問点がある時点で物件に興味を示している=ホットになっている状態で、それを後回しにすることが本当に売りやすくしているのか。まさか、これを売主にお願いしているのか。それでエージェントといえるのか。

あともう一点。基本的に不動産のヌキ行為は禁止されているが、売主担当者がその場所に立ち会っていなければ、「買主さんはあなたの物件を購入したいと言っています。そこで売主の仲介手数料を半額、いや0.5%でもうちにまかせてもらえませんか」と売主に直接いう買主不動産業者が必ず出てくる。何度もいうが、不動産業は零細企業ほとんどだ。生活がかかっている不動産営業マンにこの行為は隙を与えているとしか言いようがない。もし、ソニー不動産より手数料が低ければそれで納得する売主も多くいるのだ。

場所が遠いからか周辺の価格についてあまりエージェントの方が知らない様子でした。

これでは話にならない。では、一体なんのプロというのか。上記のような意見はネットを中心に行っている不動産会社に多くみられる。不動産屋は、どの不動産の地域でも知っていると「知ったかぶり」をするが、せいぜい、自分のエリアの行政区(市区町村)ぐらいだ。その市区町村でも北から南まで全部知っているわけではない。常に不動産の動向を把握できるエリアなんて限られる。自分の住んでいる家の周辺環境や不動産動向も知らない不動産屋になんの価値があるのだろうか。全国でコンビニの数は5万5000店舗を超えるが、宅地建物取引業者は12万を超える理由がわかるだろう。「街の不動産屋」が生き残ってきた理由があるのだ。

ローカルな案件では、地域独特の事情を、より汲み取って欲しいと感じた。

こういう意見が出てくるはずだ。あれほど、大手不動産がコストがかかるのにも関わらず営業所を細かく置いているのは、そうする必要があるからだ。

 

●その他の意見

転勤の為、早期売却を目指していました。リフォーム会社への売却となり、御社の「片手取引」を味わう事はできませんでしたが、契約後一週間で売却出来た事は有難かったです。売却価格にも満足しています。担当エージェントの○○様は私の状況下ではベストの選択肢を提示して頂けたと感じております。

「片手取引」ではなかった案件とみられる。こちらのお客様のように、別に「片手取引」じゃなくても満足されている方がいらっしゃると思う。

どこよりも高く、早くと宣伝されていますが、当初の設定価格で2か月売れない段階で価格見直しを提案されました。価格を-100万円に変更しましたが、その後更に1か月経った時点で再び価格引き下げの提案がありました。その際は現状維持との回答をしました。結局買い手がついた時点で-30万円で契約が成立しました。早く売る努力はしていただいたと思いますが、高く売るという姿勢は残念ながら感じることはできませんでした。

相場に比べて非常に高値での売却を提案いただいたのだが、なかなか売れず、最終的には他社も含めた査定額通りでの売却となりました。適正価格に下げてからは、わずか1ヶ月で売れたことを考えると御社のビジネスモデルに間違いはないと思いますが、最初にもう少し現実的な価格で動き出していれば、10ヶ月も要することはなかったのかな?と思わないでもないです。

どんな物件でも「どこよりも高く、早く」売れるわけではない。それをこのように言われるソニー不動産も厳しいものだ。一番良くないのは売主に「この価格で売れます!」と高い値段で設定し、まったく売れる気配もないのに価格改定をしようとしない放置型の不動産営業マンだ。「売る」ことが仕事な以上、上記のように高い価格でトライし、ダメならダメできっちりと価格改定も提案してくるというのが不動産営業マンに求められる姿勢であり、きっちり仕事はこなしていると思う。

ソニー不動産への不満

(1)査定時

・全部で8社に机上査定を依頼しましたが、その中で最高額を付けたのが「ソニー不動産」でした。ソニーにはその根拠を聞きたいと思って、実地査定をお願いしたのですが、その根拠についての説明は全くありませんでした。

・また、近隣で動き出した再開発についても、ほとんど知識を持っていないようでした。他にも2社に実地調査をお願いしましたが、両社とも、その再開発の影響等についての話が多かったので、その時点ではソニー不動産に依頼する気持ちはすっかりなくなりました。

・しかし、依頼しようとしていた2社についても、信頼を損なう事実が発覚したため、イチかバチか、最も査定額が高く、片手、仲介手数料が割安など魅力的なシステムを持っていたソニー不動産に依頼することにしたのです。

・その際には、SNS等でソニー不動産の評判を調べました。いろいろな意見がありましたが、ソニーを使ったことがある人よりも、「ソニーは実際、どうなのか」を知りたがっている人の方が遥かに多かったので、私が実験台になって体験してみることにしたのです。

(2)媒介契約から売り出しまで

・机上査定をお願いしてから媒介契約を結ぶまでは、1日2通程度のメールがありました。しかし、媒介契約を結んでからは、契約書が送られてきた以外、ほとんど連絡が無くなりました。

・このまま放置されるのではないかと心配になったため、契約から5日目、6日目に私から部屋やマンションの写真を送りました。写真は訪問査定時に営業マンも撮影していましたが、私が写真を送ったのは、彼に「早く販売用図面を作成しろよ」と作業を促すつもりでした。

・そして、契約から7日目にやっと「販売用図面ができたので確認して欲しい」とメールが来ましたが、契約日の翌日にでも作れるような、既存のフォーマットにはめ込んだだけの、どこの不動産会社とも変わらない、ごく普通の販売用図面でした。

・また、修正依頼をしましたが、後日、販売用図面を見た時に、私の修正指示は修正されていませんでした。

(3)契約まで

・売却が決まり、契約日が決まっても、当日の段取りや必要書類についての連絡は全くありませんでした。心配になったため、ネット等で調べて必要書類は用意しておきましたが、結局前日になってもソニーの営業マンからの連絡はなく、私から問い合わせて、ようやく連絡が来たような状況でした。その時に私から送ったメールを添付しておきます。ソニーのホームページには、「ご契約日時が確定した段階で、ご契約のご案内をお送りいたします」とありますが、契約の案内書面が届いたのは、契約前日の夜9時過ぎです。

・契約時にはどういうことが行われるのか、という説明も一切受けていませんでした。私は、ネットで契約時の話の流れ等について調べていたので、契約時に突然話を振られても対応できましたが、不動産屋任せで何も準備していない人だったら、戸惑うんじゃないかな、と思えるような場面もありました。

(4)引渡まで

・契約後、引渡までにやっておくべき手続き等についても、何の説明もありませんでした。一度私からソニーの営業マンに問い合わせましたが、私のケースに対応した内容ではなく、どこにでも書いてある一般的な内容しか教えてもらえなかったため、私の場合はどうなのか、自分でいろいろ調べなければなりませんでした。

・マンションの管理会社にも、売却や引越に当たっての必要手続きについて聞いてみました。マンションの管理人には、「引越日が決まったら、担当者と時間について届出をしてください。それ以外、管理費などの手続きは仲介業者がやるはずなので、お客様が手続することはありませんよ」と言われました。

・しかし、銀行口座からは7月末に7月の管理費が引かれています。7月分までは引き落とされることになっているのかもしれませんが、あのソニーの営業マンだったら何もしていないことも十分あり得ます。8月分も引き落とされるのではないかと日々心配をしています。

・引渡時のスケジュールについても決まったら連絡するようにと何度もメールでお願いしたのに、結局連絡はなく、買主がリフォームの下見に来た時に、私が口頭で聞かなければなりませんでした。

・引渡時の具体的な流れについてもソニーからの説明は一切ありませんでした。このため、私の方から「あれはどうなっているのか、これはどうなっているのか」と何度も問い合わせをしなければなりませんでした。

・それ以外にも、ソニーの営業マンは、私がメールで何度も伝えていることを改めて聞いてくることも多かったので、本当に私のメールを見ているのだろうかと心配になりました。

(5)連絡方法について

・媒介契約時に、ソニーの方から「連絡はメールで」と言ってきたにも関わらず、ソニーからメールで連絡が来ていたのは最初のうちだけで、そのうち、ソニーからの連絡は「携帯の留守電にふき込むだけ」になりました。

・私が送ったメールの返信はメールで来ましたが、ソニーからの連絡は携帯の留守電だけの時も多かったので、私が携帯の留守電に気が付かなかったら、大事な連絡を聞き逃してしまうことも有り得るような状況でした。

(6)仲介手数料について

・私の担当者は「シニアエージェント」という肩書で、料金も「エージェント」よりも高くなっていました。しかし、選択肢を示されたことも、私が「シニアエージェント」を選んだこともありません。誰が決めたのですか?

・私は「シニア」というからには相当の経験を積んだ人なんだろうと思っていました。しかし、私を担当した「シニアエージェント」は、売主の立場に立った説明やアドバイスなどが一切ないだけでなく、契約時における資料のミスの多さ、買主からの質問に慌てふためく様子など、どう見ても初心者にしか見えませんでした。

・「シニアエージェント」という肩書は、どうやって決めるのですか?ソニー不動産では、客に出来ることは客に任せて、できるだけ作業をしない担当者が「シニア」になるのですか?担当者が何もしないのはソニー不動産の方針で、それだからこそ、他社に比べて仲介手数料が少しだけ安くなっているのですか?

・仲介手数料が本当に「かかっただけ」なのであれば、今の10分の1程度が限度でしょう。何もしないのに高すぎます。

マンションは高く早く売れました。仲介手数料も他社よりは安く済みました。しかし、ソニーと媒介契約を結んでからは、引渡が終わるまで、必要な資料は何か、必要な手続きは何か、何か忘れていることはないか、などずーっと心配のし通しでした。さらに引渡が終わって1ヶ月が経った今になっても、本当に全ての必要な手続きをしてくれたのだろうか、など心配は尽きません。

こんな思いをするぐらいだったら、多少売却価格が安くても、仲介手数料が高くても、全てを安心して任せられる不動産屋に頼めばよかったと思っています。知り合いにはソニー不動産は絶対に勧めません。

このような厳しい意見まで、掲載しているソニー不動産は凄いと思うが、実際に利用された消費者のこのような意見に対してどのように改善していくのかは発表した方がよい。ソニー不動産はベンチャー精神はあっても、ベンチャー企業でも零細企業でもない。「ソニー」の名前を冠した一流の会社なのだから。

再度言うが、アンケートは顧客が感謝を示しているのが大部分だ。「お客様の声」を実際に見ていただきたい。ソニー不動産を応援する声が多い。しかし、上記のような意見を利用者から頂いているのも事実だ。

今のソニー不動産では、「どうしても【両手取引】が嫌で【片手取引】じゃないと売却は嫌だ」というお客様でなければあまりニーズがなさそうだ。もう一度、ご紹介するがソニー不動産が掲げているには以下の2点だ。

  1. 不動産の売り手もしくは買い手のどちらかに専属の担当者をつけるエージェント(代理人)制度の導入
  2. 不動産仲介手数料を「掛かった分だけ」にする(「率」から「額」への合理化)

①はアメリカの制度を手本にしているが、アメリカは州によって制度が異なるが、一般的に購入者側が手数料6%を支払い、それを買主側のエージェントと売主側のエージェントで3%ずつわける。売主には手数料がいらないのだ。それでいて、アメリカを倣って合理的に売却エージェント制を行って、売主側から手数料を頂戴しているのならば、アンケートのような不満が出てしまってもおかしくはない。

また、不動産仲介手数料の3%+6万円は不動産業者が多く取り過ぎているという意見が見られるが本当にそうなのだろうか。「この分は報酬としていただきます」と手数料を開示している分、不動産取引は明白なのではないだろうか。保険の手数料は今まで開示されてこなかったし、例えば、ポルシェの1台あたりの利益率は18%と言われている。それをポルシェに「取り過ぎだ!」といって安くしてもらうのか。いや、確かに不動産業界がポルシェより高額な商品を扱っているのに、ポルシェのディーラーと同じような、それだけのサービスをしているのかと言われれば、足りていないことは事実だ。また、グレーな部分も多く不動産屋に騙されたという話も未だに多くある。だが、不動産業界の人は、この手数料を元に生活している。少なくとも購入する側からすると、ポルシェと違って、これから何十年と毎日暮らし、使用する家なのだ。その物件と本当に良い縁結びをしてくれるのであれば、気持ち良く手数料を支払っても良いのではないだろうか。不動産売却がこの話と一緒ではないことは認めるが、売却を任された不動産会社も、両手仲介を狙ってチラシを必死で撒き、インターネットに掲載し、案内に熱を入れているのだ。不動産仲介は、仲介手数料が生命線だけに、最初から「手数料を引きます」と言っている業者を見ると、「ああ、それだけ自信がないのだな」と感じてしまう。

古い慣習から進化の見られない不動産業界に一石を投じたソニー不動産には感謝もしているし、尊敬もしている。ただ、それが赤字であるならばビジネスモデルとして成り立たないということを示している。今後のソニー不動産のさらなる進化によって不動産業界が変えることができるのか注目している。

 

あなたの不動産はいくら?

iQra-channel(イクラちゃんねる)では、気になるマンションや、ご自宅のマンションの売却価格がその場でわかる!また、どこの不動産会社が売却したのかもわかる!最新の相場価格を公開中!

ABOUTこの記事をかいた人

坂根大介

1986年大阪生まれ。関西大学文学部卒業。野村證券株式会社に入社し、国内リテール業務を経て、その後三井不動産リアルティ株式会社(三井のリハウス)にて不動産仲介を行う。ITを駆使して資産として不動産を高く売却するために、2015年12月に日本で初めて、実際に不動産(マンション)を売却した不動産会社名と売却価格がわかる「iQra-channel(イクラちゃんねる)」をリリースし、売却実績の情報開示を行いつつ、不動産売却に関わる情報も発信している。宅地建物取引士。