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「旧耐震基準は危ない」が危ない?自宅周辺の活断層を知る方法

「旧耐震基準は危ない」が危ない?自宅周辺の活断層を知る方法
不動産屋
活断層が不動産の近くにあるのかを知る方法って何だったっけ…?
“こくえい和田さん”
活断層の場所を知ることができる素晴らしいツール(活断層データベース)があるので、ぜひ利用して欲しいです。

2024年1月1日夕方、能登半島を震源とする地震が起きました。

被災地の、木造住宅の耐震化の現状と、活断層についての記事がありましたので掲載します。

【能登半島地震、木造住宅の耐震化途上 被害拡大の要因に】
「能登半島の先端にある石川県珠洲市。今回の地震で震度6強を観測し、1階が押しつぶされるなど、原形をとどめないほど大きく崩れた住宅が目立つ。
被害が大きくなった背景に、現行の耐震基準を満たす住宅が少なかったことがある。同市によると、市内の住宅約6000戸のうち、2018年度末時点で基準をクリアしたのは51%にとどまった。
耐震基準は1981年の建築基準法改正で引き上げられた。それまでは「震度5強程度で損壊しない」との基準だったが、震度6強〜7でも倒壊しない耐震性が求められるようになった。震度6強を観測した同県輪島市の2022年度末時点の耐震化率は46%と低水準だった。」
「都市部を中心に耐震化率は上昇している。東京都は92%(20年3月時点)で、全国は87%(18年時点)。今回の被災地の低さが際立つ。」

2024年1月6日 日本経済新聞電子版より一部抜粋

【能登半島地震、既知の活断層が複数動いたか リスクなどの評価はまだ】
「能登半島地震について、政府の地震調査委員会は15日、定例会を開き、半島沿岸で確認されていた複数の活断層が連動した可能性が高いとする見解を示した。
マグニチュード7・6の地震について、地震調査委は2日の臨時会で、主に南東傾斜の逆断層で長さは150キロ程度と推定した。
この時は、既知の活断層との関係は「不明」としていたが、その後の余震の解析で、能登半島の西方沖から北方沖、北東沖にかけて確認されていた複数の活断層が連動した可能性が高いと評価した
また、北東の佐渡島西方沖で確認されていた活断層についても、一部が動いた可能性が考えられるとした。」

2024年1月16日 朝日新聞電子版より一部抜粋

過去にも、2018年6月18日、大阪府北部で震度6弱の地震が起きました。こちらは、東北大学災害科学国際研究所の遠田晋次教授の話です。

「地下の断層の一部が動いたようだ。震央は有馬―高槻構造線と上町断層が交差している場所の真下10キロメートルだ。どちらの断層が動いたかはわからない。重要なのは、今回の地震で周辺の活断層が刺激され次の大きな地震につながる可能性があることだ。」

「上町断層は約8000年間隔で動くとされ、最後に地震が起きてから9000年経過している。政府の地震調査委員会によると、今後30年に上町断層が地震を起こす確率は2~3%。この数字は全国の活断層の中でも高い方で、いつ大地震を起こしてもおかしくないといわれている。上町断層全体が動くとM(マグニチュード)7.5程度の地震が起きると推定されている。注意が必要だ。今後の状況を見極めないといけない」

今後の地震情報に十分にご注意ください。

「旧耐震基準の物件」だけが危ないのか?

以下は、熊本地震のときの話になります。

2016年4月14日に発生した熊本地震では大きな被害が出た。多くの家屋も倒壊し、改めて「旧耐震基準の物件=危ない」という認識が広がっている。本当にそうなのだろうか。

活断層4熊本地震による被災地で、家屋被害の状況が分かってきた。最大震度7を観測した熊本県益城町では700棟以上が全壊だった。建築基準法で耐震基準が強化された1981年以前に建てられた古い家屋の被害が目立つという。住宅の耐震化率の向上は全国的な課題になっている。

同町などによると、これまでに5400棟の損壊を確認しており、うち750棟が全壊だった。調査が進むにつれ、被害は拡大するとみられる。この地域には古い家屋が多い。調査にあたった同町の杉浦信正都市計画課長は「全壊した家屋には旧耐震基準のものが相当数含まれていた」と話す。基礎部分がコンクリートではなく石に木の柱を立てた簡易な構造だったり、現行基準より重い屋根瓦が使われたりしていた。同町では14日に震度7を観測して以降、16日未明の本震を含め大きな揺れに何度も見舞われた。杉浦課長は「最初の地震で柱が土台の石からずれるなど構造にダメージが生じ、その後に重い屋根が揺さぶられて倒壊したケースが多いのではないか」とみている。

(2016年4月20日日本経済新聞朝刊38面より抜粋)

1981(昭和56)年の建築基準法改正で、住宅の耐震基準は引き上げられた。それまでの「震度5強で損傷しない」に加え、「震度6強〜7でも倒壊しない耐震性」を求められるようになった。これを新耐震基準といい、それまでの建物を旧耐震基準という。

確かに、被害の程度と確率でいうと旧耐震基準の建物の方が大きかった。その意味でいうなら、確率的に新耐震基準の建物の方が安心であることは間違いない。しかしながら、年代から考えても旧耐震基準の建物が古いので、新耐震基準より倒壊する数が多いのは普通だろう。また、新耐震基準の建物が1棟も倒れていないわけでもない。そのため、単純に「旧耐震基準だから危ない」という考えこそ危ないのではないだろうか。地震は新耐震基準でも危ないからだ。

今回被害を大きくしたことの原因の一つに、最初の地震(14日の夜に熊本県益城町で震度7を観測した地震)の際に、「この地震より大きな地震はもう来ないだろう」と多くの人が思ったことにある。16日未明に熊本県益城町と西原町で再び震度7を観測した地震が起きて、気象庁が「後者(16日未明)の地震が本震で、前者(14日)の地震は前震であったと考えられる」とする見解を発表したときに驚いた方も多かったのではないだろうか。

前震・本震・余震

本震とは、地震発生時に、ある地域で一定の期間内に連続して発生した地震のうち最も規模の大きかった地震のことをいう。本震のに起こる地震を前震といい、本震のに起こる地震を余震という。余震は本震に匹敵する規模の余震が発生することもあるが、最も規模が大きい地震が本震なので、余震の規模は本震以下ということになる。そのような余震という単語の認識もあり、余震は「大きな地震のあとに起こる小さな地震」というイメージがついている方も多いのではないだろうか。

京都大学の飯尾能久教授は「今回の地震はよくわからない見たことのない現象が続いている」と話す。内陸で断層を原因とする地震はこれまで何度も起きているが、広域でマグニチュード(M)6級の地震が続くのは珍しいからだ。気象庁も「熊本地方、阿蘇地方、大分県中部の離れた3ヵ所で大きな地震が起こるのは前例がない」と言う。

(2016年4月17日日本経済新聞朝刊3面より抜粋)

実際に、14日の地震が前震であったとわかっていればさらに多くの方が避難していただろう。しかし、現在の科学技術では活動の最中に前震か本震かは判断できず、後になってから解析され判明する。つまり、後付けの理論であって何もわかってないに等しい。

別にここで気象庁や地震学者を無能だと批判しているわけではない。地震とは、まだ人類が解明できない災害ということを改めて理解しておくべきだ。

ただわからないことだらけの地震でも、わかっていることもある。

それが活断層だ。

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地震と活断層

活断層316日に発生したマグニチュード(M)7.3の地震を起こした「布田川断層帯」が地表に出現したとみられるずれが、阿蘇山カルデラ内にあるのを、現地調査をしている中田高・広島大名誉教授(変動地形学)らが19日発見した。この断層帯がカルデラの中まで延びているのが確認されたのは初めて。共に調査している鈴木康弘・名古屋大教授(変動地形学)によると、断層を確認したのは、土砂崩れや家屋の倒壊が相次いだ熊本県南阿蘇村の河陽地区。東海大学の学生が住むアパートの真下も通過し、1階がつぶれたり、傾いたりした。断層が直下に延びていたため、揺れが強くなり、被害が大きくなったとみられる

(2016年4月20日日本経済新聞朝刊38面より抜粋)

活断層とはなにか。活断層とは何かという前に、そもそも地震とはなんだろうか。

地震とは、地下の岩盤には様々な要因により力(ひずみ)がかかっており、急激な変形によってこれを解消する現象のことをいう。

手のひら地震によって変形した岩石の断面を断層といい、地下数kmから数十kmの深さにあって地表までは達しないことが多いが、大きな地震の時にはその末端が地表にも現れて地表地震断層となる場合がある。一度断層となった面は強度が低下するため繰り返し地震を引き起こすと考えられている

極めて近き時代まで地殻運動を繰り返した断層であり、今後もなお活動するべき可能性のある断層」を特に活断層という。

わかりづらいので簡単にいうと、手のひらを思い出して欲しい。手のひらには無数のしわがある。パーからグーにすると同じところにしわができる。このしわを断層と考えて欲しい。手のひらにマメなどができない限り同じところにいつも力(ひずみ)がかかり、同じところにしわができる。活断層は、赤ちゃんのころの手のひらのしわではなく、成長とともに大きくなってできた最近のしわということに置き換えられる。手のひらのしわをみれば、しわの動きがよくわかる(地表地震断層)が、てのひらの下の皮膚の部分がどうなっているのかはよくわからない。しかし、力(ひずみ)がかかっているのは間違いない。

このしわ(断層)の上に家があったらどうなるのだろうか。

活断層2

上記の写真は、1995(平成7)年の阪神・淡路大震災の震源に最も近かった野島断層(兵庫県淡路市[旧北淡町])だ。この上に家があれば、破壊されるのは言うまでもない。新耐震基準とか旧耐震基準とかいう問題ではない

断層が集中すると、地震の群発につながりやすい。1つの断層が動いて地震が起こると、ほかの断層周辺にひずみがたまり、新たな地震を引き起こすという流れが考えられるためだ。

16日未明に起きたM7.3の本震は「布田川(ふたがわ)断層帯」の活動だとされているが、この断層帯が従来の想定より長かったことは今回わかったことだ。つまり未知の断層も多いのだ。

まずは、既に断層があるとわかっている場所や、自宅の近くのどこに活断層があるかを知るべきではないだろうか

活断層データベース

活断層の場所を知ることができる素晴らしいツールがある。

国立研究開発法人産業技術総合研究所(AIST)が提供している活断層データベースだ。こちらを使用する際は、スマホやタブレット端末ではなく、PC端末で利用することをお奨めする。

活断層データベース

開くとこのようなページが出てくる。その中の起震断層・活動セグメント検索をクリックする。

活断層データベース

自分の調べたい場所に中央の2箇所のマーカーを移動させる。

活断層データベース

範囲内を検索をクリックする。

活断層データベース

さらに拡大する。

活断層データベース

ピンクの線に囲まれたところに書かれているのは以下の内容だ。

  • 1/20万地図が最大であること。
  • 場所によっては最大数百メートルの誤差があること
  • 表示される断層線の幅は、実際の活断層の幅を示すものではないこと。

ただ、自宅近くにどの活断層があるのかわかる。

活断層データベース

マーカーをクリックするとより詳細な内容がわかる。

一度この活断層データベースを利用して欲しい。知らなくて損することはあっても、知っていて損することはない。

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まとめ

改めて言うが地震を予知することは難しい。日本全国の至る所に断層があり、まだ発見されていないものも多い。

今後、近隣で大きな地震が起きた際には、これからくる地震がさらに大きな地震(=本震)かもしれない。自宅付近に活断層があるのであれば、それを思い出して避難するべきだ。

東日本大震災では津波の甚大な被害からの連想や液状化現象から、その当時東京湾岸の不動産が全く売れなくなってしまったことを記憶している。しかしながら、東京オリンピック開催もあり、今や人々は忘れたように東京湾岸の不動産を購入しているし、人気も高い。このことを考えると人というのはつくづく忘れてしまう動物だと痛感させられてしまう。

人というのはこのような機会でなければ学ばず、そしてまたもや忘れてしまう。

このような地震があった今だからこそ、そして今後の未来に起こる被害を少しでも減らすためにも、地震という人類がコントロールできない自然災害についてもう一度見つめ直すべきだろう。

不動産屋
読んでもわからない・・・難しい・・・重説どうしたらいいんだ。。。

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