一戸建て(建物)の査定方法「原価法」についてわかりやすく説明する

一戸建て(建物)の査定方法「原価法」についてわかりやすく説明する

不動産を売却する際は、査定してもらいますよね。

査定金額を出す方法として大きく3つの方法があります。

ここでは、一戸建て(建物)の査定価格を出すときに多く使われる「原価法」についてわかりやすく説明します。

 

原価法

原価法とは、今ある住宅を同じ場所で、同じ建物をもう一度建てたときにいくら掛かるのかを計算(再調達価格)し、建物が老朽化していたり、設備が劣化している場合にはその分だけ評価額から差し引く(減価修正)ことで、査定価格を出す方法です。一戸建ての建物部分の査定方法として多く利用されます。

土地でも、農地や林地を宅地に(造成)した場合などは、近隣の取引事例を確認し、その事例をもとに造成工事費や附帯工事費などを計上して、土地の再調達価格を計算することができますが、すでに昔からある宅地(既成市街地)の土地は再調達価格の把握が困難なために不向きです。そのため、普通の宅地は取引事例比較法で計算されることが一般的です。

原価法以外、他にも以下のような査定価格を出す方法があります。

取引事例比較法

取引事例比較法とは、売却する不動産と条件が近い不動産(マンションであれば同じマンション内ならより良い)の過去の成約事例をいくつか選択し、平均坪単価をベースに形状(間取り)・方角・角地(角部屋)などの要因を考慮の上、査定価格を出す方法です。居住用不動産の査定方法として多く利用されます。

マンションの査定方法「取引事例比較法」についてわかりやすく説明する

2017.06.16

土地の査定方法「取引事例比較法」についてわかりやすく説明する

2017.06.17

収益還元法

収益還元法とは、物件自体が将来どれぐらいの稼ぎ出せるのか、収益力に基づいて不動産の価格を求める方法です。当然ですが、その物件の収益力が高ければ物件価格も高くなり、収益力が低ければ物件価格も安くなります。住むための不動産、居住用不動産は稼ぐ力は求められませんので、この方法はアパートや賃貸マンションなど投資用不動産(収益物件)を査定方法として多く利用されます。

投資用不動産(収益物件)の査定方法「収益還元法」についてわかりやすく説明する

2017.03.12

一戸建ての土地部分は取引事例比較法、建物部分は原価法で計算します。これらそれぞれの金額を合わせた査定方法を積算価格といいます。

原価法・積算価格

では、原価法による積算価格の具体的な計算方法についてみてみましょう。

 

原価法による積算価格の計算方法

一戸建ての建物部分の積算価格は下記計算式にて計算することができます。

原価法(積算価格)の計算方法

再調達価格

再調達価格とは、同じ建物をもう一度新築で建てたときにいくら掛かるのかを計算した価格のことでした。

建物の構造によって、新築時の単価は決められています(銀行によって多少異なります)。

木造 15万円/㎡(12-15)
軽量鉄骨 15万円/㎡(13-15)
重量鉄骨 18万円/㎡(15-18)
RC(鉄筋コンクリート)・SRC(鉄骨鉄筋コンクリート) 20万円/㎡(18-20)

例えば、延床面積100㎡の木造の家を新築で建て直した再調達価格は「15万円×100㎡=1,500万円」となります。

減価修正

加えて減価修正しなければなりません。減価修正とは、建物が老朽化している場合にはその分だけ評価額から差し引くことでした。「残耐用年数(耐用年数−築年数)÷耐用年数」で計算することができます。ここでの耐用年数とは法定耐用年数のことを指しています。建物の構造によって法定耐用年数が決められています。詳しくは国税庁のHP「耐用年数(建物・建物付属)」を参照してください。

木造 22
軽量鉄骨 22
重量鉄骨 34
RC(鉄筋コンクリート)・SRC(鉄骨鉄筋コンクリート) 47

例えば、延床面積100㎡の築11年の木造の家を、原価法による積算価格で計算した場合は「15万円×100㎡×(22-11年)/22年=750万円」となります。

もし、築年数が耐用年数を超えている場合は価値が0円とみなされてしまいます

このことについて、もう少し詳しく説明しましょう。

耐用年数には、法定耐用年数経済的耐用年数の2種類があります。

法定耐用年数は税務上、減価償却を計算する際に定められている耐用年数です。

減価償却

減価償却とは、時間の経過や使用により価値が減少していく固定資産を取得した際に、購入費用をその耐用年数に応じて計上していく会計上の処理のことをいいます。

固定資産というのは不動産でいうと建物部分に該当します。例えば、家を新築で購入して、20年後も新築と同じ価値というのは無理がありますよね。その20年の間に、家の劣化が進み、キッチンや風呂などの設備も老朽化しているからです。

つまり減価償却とは、時間が経過すると価値が下がる資産の価値を、正しく評価するために行なう作業といえます。不動産の土地部分のように、時間の経過や使用により価値が減少しないものは、減価償却資産には含まれません。

減価償却の一般的な目的としては、不動産の取得のために掛かった費用を、最初に支払い時に全て一回きりの費用とするのではなく、収益を得るために利用した期間に応じて経費として計上することが、企業会計にとって望ましいために使うとされています。

そもそも税金は、収入から経費を引いて残ったお金にかけられます。経費の方が大きくなると赤字になり、税金が払えないため、払う必要はありません。そこで、儲かったお金を全て税金に取られるというのは厳しいので、節税の方法の一つとして、経費をできるだけ多く計上しようという考えになります。できるだけ収入に近い経費になると黒字額が少なくなり、税金が少なくて済むからです。減価償却費は、数字上で価値が減っているだけなので、実際に支出した費用ではないが、経費として計上することができるので、減価償却費を計算した上できちんと経費とすることは節税のために重要なポイントになります。

このように、建物を減価償却することによって費用として計上できます。しかし、費用(コスト)として考えるのは、投資用で利益を上げるための不動産であれば良いのですが、居住用不動産にはほとんど関係のない話です。

一方、経済的耐用年数は、実際に建物が十分に使用できる年数です。一戸建ては、立地や建築方法などそれぞれ異なるのにも関わらず、今まで経済的耐用年数は、ほとんどが法定耐用年数を利用していました。

でも、それっておかしいですよね。そのため、国が制度の変更に動きはじめています。

 

中古戸建て住宅に係る建物評価の改善に向けた指針

中古戸建て住宅に係る建物評価の改善に向けた指針」とは、不動産を所管している国土交通省が平成26年3月に策定したもので、中古戸建て住宅の流通市場における「築後20年から25年程度で一律に市場価値がゼロになる」とされる取引慣行を改善し、住宅の性能やリフォームの状況などを的確に反映した評価に変更するというものです。

中古戸建て住宅に係る建物評価の改善

同時に、不動産会社が一戸建ての建物部分の査定で利用している公益財団法人不動産流通推進センターの「既存住宅価格査定マニュアル」についても改変されました。

既存住宅価格査定マニュアルとは、不動産会社(宅地建物取引業者)が、査定を依頼した消費者に対して、消費者にとって納得しやすい査定価格の根拠を合理的に示す手法として作成されたツールです。

原価法を使った価格査定マニュアル

不動産会社(宅地建物取引業者)は、このマニュアルのシステム上に物件の情報(築年数、各部位のグレード、維持管理状態など)を入力することで査定価格を算出することができます。不動産会社がこのマニュアルを用いることで、住宅の本来の使用価値を適正に反映した評価がなされることが期待されています。

既存住宅価格査定マニュアル(戸建の建物部分)についてまとめた

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2017.06.01
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