ハウスドゥ!について調べてみた

ハウスドゥは、全国に441店舗あるフランチャイズ経営の不動産会社だ。

ここでは東証1部に上場しているハウスドゥの決算から、売上高や利益を調べ、フランチャイズのハウスドゥがどんな会社なのか調べてみた。

 

ハウスドゥとは?

ハウスドゥは、2006年よりフランチャイズ方式で事業を開始し、2017年3月末時点現在、全国に441店舗ある国内有数の不動産流通ネットワーク(フランチャイズ経営)だ。

ハウスドゥHP

ハウスドゥは、1991年に創業者の安藤正弘氏が、京都府向日市にオリエントハウジングを創業したところから始まり、中古住宅の売買仲介業から始め、着実に業績を伸ばし、リフォーム事業、不動産買取事業を展開。2006年不動産仲介専門のフランチャイズ事業をスタート。2015年に上場(3457)した。

ハウスドゥ店舗

不動産屋としてのハウスドゥは全国に441店舗あるうち、直営店が17店、FC店が424店に分かれる。つまり、FCのハウスドゥは、看板こそHOUSE DO!だが、それぞれ独立した不動産屋である。

ハウスドゥ加盟店舗数

サテライト店とは、基本的に売買仲介をメインとした店舗のことで、買取専門店とは不動産買取を専門とした店舗だ。そして住宅情報モールは、地方のロードサイド型大型店舗で、仲介・リフォーム(建築)・買取・新築請負・資金計画・住宅ローン・保険まで、住まいに関わる一連のサービスを一箇所で提供する店舗だ。

フランチャイズ(FC)とは?

フランチャイズとは、事業者(フランチャイザー:ここではハウスドゥ)が他の事業者(フランチャイジー:ここでは加盟する不動産会社)との間に契約を結び、自己の商標、サービスマーク、トレード・ネームその他の営業の象徴となる標識、および経営のノウハウを用いて、同一のイメージのもとに商品の販売その他の事業を行う権利を与え、一方、フランチャイジーはその見返りとして一定の対価を支払い、事業に必要な資金を投下してフランチャイザーの指導および援助のもとに事業を行う両者の継続的関係をいう。

フランチャイズでチェーン店舗展開することをフランチャイズチェーン(FC)という。

簡単にいうと、新規で不動産売買や不動産賃貸を行う不動産会社を立ち上げるとき、知名度もノウハウもないので、知名度のあるハウスドゥの看板を借りてお店を出し、ノウハウを教わる代わりに対価を支払うのがフランチャイズということになる。

例えば、ハウスドゥは新規物件について、24時間以内にチラシをてまきしている。スピーディーなチラシの配布を繰り返すことで、商圏内でのプレゼンスが認知され、常に新線な情報を提供する店舗というイメージづくりをしている。また、条件に合わない物件もあえて案内し、お客様の心に「響く(かもしれない)」瞬間を増やしている。

ここでのノウハウとは、経営者や営業マンへの教育・研修、各種ITシステムの利用、加盟店で利用できる金融サービスや顧客サービスの利用なども含まれている。

ハウスドゥ古田敦也

ハウスドゥに支払う対価としては、加盟時に加盟金150万円保証金70万円(3年契約)、固定で月に10万円のロイヤルティなどを支払うこととなっている。不動産FCとしては後発にあたり拡大するために、他の大手不動産FC経営のセンチュリー21ピタットハウスに比べて固定のロイヤルティは圧倒的に安く設定されている。

また、別途広告宣伝費を集め、元プロ野球選手の古田敦也氏を積極的にCMに起用し、「ハウスドゥ=古田」という認知度アップをはかっている。この広告宣伝費や月々のロイヤルティ、それにWebシステム利用料も含めて毎月21万円程度かかる。

センチュリー21やピタットハウスのFCが賃貸仲介業が多く占めるのに対し、ハウスドゥは売買仲介業のFCとしては日本最大規模まで成長している。

ハウスドゥ加盟店の特徴

また、大きな特徴として、創業の不動産売買仲介会社がFCに加盟する割合は約3割であり、売買仲介経験がほぼ未経験の不動産会社(建設・賃貸・管理など)やリフォーム会社など、売買仲介と隣接する業種の新規参入が約7割占めていることだ。

 

ハウスドゥのFC経営は儲かっているのか?

2017年6月期第3Q(2016年7月〜2017年3月)の決算は以下の通りだ。

2017年6月期第3Q(YoY) 2016年6月期第3Q
売上高 16億3300万円(+21.5%) 13億4300万円
営業利益 9億4300万円(+20.5%) 7億8200万円
店舗数 441(+85店) 356

加盟店舗の増加により、売上高・営業利益ともに好調だ。加盟店数の増加によりフィー(手数料)が順調に増伸びている。フランチャイズは儲かっていると言えそうだ。

ちなみに昨年2016年6月期(2015年7月〜2016年6月)のFC事業の年間決算は、売上高が18億8000万円(前年比+24.8%)、営業利益が11億10000万円(前年比+33.6%)だった。2019年6月期にFC累計加盟店舗数699店舗を目標としている。

ハウスドゥグループの年間売買仲介件数(2016年4月〜2017年3月)は18,092件にのぼり、仲介件数だけ見ると第3位の東急リバブルに次ぐ順位となる。(手数料収入や取扱高は開示されていない。)

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2017.07.03

セグメント別に分けると、不動産売買事業は不動産買取、不動産流通事業は仲介、住宅・リフォーム事業は注文住宅リフォームを指しており、主に直営店からの売上になる。

以前は直営店を中心に売上を上げていたが、現在はFC事業を推し進めていることもあり、人材を直営店舗の運営から加盟店を支援するスーパーバイザーに異動し、事業内容を不動産業からサービス業へと変容させている。2016年8月22日に公表された2019年6月期までの中期経営計画でもその方針が打ち出されている。

現在は、FC事業、ハウス・リースバック事業、不動産担保ローン事業のストック事業に経営資源を傾斜し、こちらの大半の広告宣伝費を投資している。すでに全体の売上高の30%、営業利益の65%を占めるようになっている。

不動産担保ローン事業は、ハウスドゥの新規事業で、「不動産はあるが、資金はない人」向けのサービスで、リバースモーゲージに近いサービスだ。

主に、住宅ローンが通りにくい親子間・親族間ローンや、資金使途が自由なローンに利用されている。不動産担保ローン事業は、後述するハウス・リースバックの補完的事業となっている。

もう1つのストック事業、ハウス・リースバック事業は、ハウスドゥが最も注力している事業であり、決算内容も良くすさまじい勢いで成長している。

ハウス・リースバック事業についてみてみよう。

 

ハウスドゥのハウス・リースバック事業とは?

ハウス・リースバックを一言でいうと「売却してお金を受け取ったのに住み続けることができる」というものだ。所有している家について、あらかじめ住む期間を取り決めてハウスドゥが買い取り、売却後はリース(賃貸)契約を結び、今までと変わらず住み続けることができるサービスだ。将来的にお家を再び購入することも可能だ。

自宅を売却した後も住み続けることができるリースバックとはなにか

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ハウス・リースバックは、ハウスドゥが発案し、最初ラジオCMを流したところ、予想以上の反響があったことから事業化に踏み切ったサービスだ。

2017年6月期第3Q(2016年7月〜2017年3月)のハウス・リースバック事業における決算内容は、売上高21億9100万円(YoY226%)、営業利益2億9700万円(YoY1350%)と年間予想をも大きく上回る好決算となっている。

ハウス・リースバックの対象となる物件の仕入れから販売までの収益は、次のように
①買取時の手数料
②毎月の家賃収入
③売却時の差益
のトリプル収益構造となっている。

ハウスドゥのメリットとしては、割安で不動産を購入する(仕入れる)ことができること、不景気のときに需要がさらに増えること、実質将来の売り物件に対する囲い込みとなっている(※ハウスドゥでは在庫100件に対して毎月約1件の売却になっている)ことがあげられる。買取価格は、市場価格の7割程度を目安としており、売却益をさらに膨らませる出口戦略として、物件のリノベーション、更地にして新築への建替えなどのバリエーションも持っている。

また、仕入額を抑えた上で利回り8%〜10%の投資物件を購入する上、購入した側に手数料が入るという側面も重要だ。別の不動産会社ではあるが、スター・マイカがオーナーチェンジ物件を購入して、賃料(インカムゲイン)と売却益をあげているが、スター・マイカは購入時に手数料がもらえるわけではない。むしろ、仲介会社に対して支払うことが多い。そのためハウス・リースバックの方が利益率は高そうだ。

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逆にデメリットとしては、天災地変、物件の値下がり、(借入金に対する)金利の高騰、家賃滞納、立ち退きなどがあげられる。

ハウス・リースバック物件の保有総額、保有件数とも順調に伸ばしている。平均取得価格は1630万円前後とみられる。また、反響のうち足元6ヶ月の成約率は4.4%で、残りの何百件の反響の一部が不動産担保ローンの成約になったり、実際に売却の仲介や買取につながるケースも多い。このようにハウス・リースバックが「不動産売却・不動産活用」入り口の商品としての役割を大きく果たしていることがわかる。

やはり、売却益というキャピタルゲインの出口を考えたとき、流動性の高い地域に集中するのは当然だ。首都圏だけで42.9%を占めており、3大都市圏になると91.5%にのぼる。築年数は加味していないが、首都圏でさえも取得単価はそれほど高いと言えず、ハウス・リースバックがいかに安く仕入れることができる商品性かということがわかるだろう。

物件の種別をみると、一戸建てが73.3%、マンションが26.7%となっている。建物はそれほど価値がないので、土地で評価を出しているものと思われる。また、マンションであれば駅近くのマンションが条件になっているものと思われる。

ハウス・リースバックを利用する理由は「お金が必要だから」がほとんどだ。次に、住宅ローンの返済が厳しいという理由が続く。この「お金が必要」という理由は「不動産買取」につながりやすいのだが、不動産買取の場合、家から当然出ていかなければならず、どうしてもそれは避けたいという消費者のニーズを捉えた商品となっている。

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ハウス・リースバックの利用者は60歳以上が66.6%、50際以上が87.7%となっており、高齢化社会における不動産有効活用できる商品となっている。

ハウスドゥは、ハウス・リースバックの成長の要因として以下の点をあげている。

・住みながら売却→絶大なニーズがある
・貸金業者の激減
・総量規制(貸金業法対象外)

家を売却し老後の資金にしたいが、住み慣れたマイホームから転居したくないというニーズが非常に大きい。実際、標準的な世帯の老後生活費は月間26.9万円で、年金が月間20.7万円程度であることから、総額1700万円程度不足する計算になる。もし、ゆとりある老後生活を行うための生活費は月間35.4万円とされているため、それだと大幅に足りなくなる。総務省の住宅・土地統計調査によると2013年の全国の持ち家比率は6割を超えているが、60歳以上だと8割に達する。このように不動産を、所有から使用・活用・シェアする時代に突入したとみて間違いない。

続いて、貸金業者の激減もあげられる。原因は「過払い金請求」問題だ。民事上は無効にもかかわらず、刑事罰は科せられない「グレーゾーン金利」を利用して、利息制限法の上限を超えた利息を違法に取り続けてきた貸金業者は、過去に遡って返金しなければならないことになり、かなりの貸金業者が倒産に追い込まれた。そこに追い打ちをかけたのが総量規制だ。

総量規制とは、個人の借入総額が原則、年収の3分の1までに制限される仕組みのことだ。これにより、無収入の高齢者は原則お金を借りることが難しくなった。

まさに、ハウスドゥはこれらのポイントを突いて、ハウス・リースバック事業を攻めている。ハウスドゥからすると、リースバックはブルーオーシャン市場(青い海、競合相手のいない未開拓市場)なのだ。

銀行が提供しているリバースモーゲージは、上記と同じようなニーズを取り込むための商品ではあるが、残念ながら「銀行」と「不動産会社」の会社としてのスタンスの違いが大きく出てくる。銀行は「担保」とみなされなければお金を貸すことができないため、なかなか審査が下りない。それに対して「不動産会社」は実需で考えており、売却してどれぐらい利益が出せるか逆算して提示するため、厳しそうな不動産でも、提示する価格を低く抑えれば良い。

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このようにハウス・リースバック事業は、FC事業と並んで今後ハウスドゥにおける成長戦略2本柱となっている。

さらに、ハウスドゥは「ハウスドゥ!BANK構想」いわゆる不動産銀行構想の実現に力を入れている。

これは、ハウス・リースバック事業や不動産担保ローン事業を通じて、不動産担保代理業ではなく、不動産銀行としてのプラットフォームを握ろうとするものだ。

いかがだっただろうか。ハウスドゥが単純にフランチャイズ店舗を増やして面を抑えるだけでなく、それを活用し、時代に沿った事業を展開しているのが理解できたのではないだろうか。

今後のハウスドゥの動きに注目だ。

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ABOUTこの記事をかいた人

坂根大介

1986年大阪生まれ。関西大学文学部卒業。野村證券株式会社に入社し、国内リテール業務を経て、その後三井不動産リアルティ株式会社(三井のリハウス)にて不動産仲介を行う。ITを駆使して資産として不動産を高く売却するために、2015年12月に日本で初めて、実際に不動産(マンション)を売却した不動産会社名と売却価格がわかる「iQra-channel(イクラちゃんねる)」をリリースし、売却実績の情報開示を行いつつ、不動産売却に関わる情報も発信している。宅地建物取引士。