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建物の消費税がわからない場合の標準建築価額による計算方法

建物の消費税がわからない場合の標準建築価額による計算方法

あなたが過去に建物部分をいくらで購入したのか取得費を計算しようと思い、購入した時の不動産売買契約書・領収書は見てみたものの、土地・建物の価格が明記されていませんでした。建物部分の消費税の額がわかれば計算できますが、それもわかりません。

このような場合は「標準建築価額」によって取得価額の計算を行います。ここではその計算方法について説明します。

標準建築価額による取得価額の計算

標準建築価額による取得価額の計算方法は、土地と建物を一緒に取得し、契約の時に「土地部分○○万円、建物部分〇〇万円」というような価額の区分がない場合に、価額区分の一つの方法として、建物の取得価額を算定するために使います。したがって、契約書等によりそれぞれの価額が区分して記載されている場合や、建物の消費税額がわかっていて建物価額が算出できる場合は計算し、これを取得価額とします。

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つまり、建物の消費税額がわからない時に使う計算方法です。計算方法は以下の通りです。

①:対象となる建物の築年数を調べる

築年数がわかる建築年月日や建物の構造は、建物の全部事項証明書(登記簿謄本)で確認することができます。

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②:建物の取得価額を算出する

建物の取得価額 = 建物の標準的な建築価額表に該当する単価 × 床面積(延べ床面積㎡)

・建物の標準的な建築価額表(単位:千円/㎡)

建築年 構造
木造・木骨モルタル 鉄骨鉄筋コンクリート 鉄筋コンクリート 鉄骨
昭和35年 9.1 30.9 21.4 13.4
36年 10.3 39.5 23.9 14.9
37年 12.2 40.9 27.2 15.9
38年 13.5 41.3 27.1 14.6
39年 15.1 49.1 29.5 16.6
40年 16.8 45.0 30.3 17.9
41年 18.2 42.4 30.6 17.8
42年 19.9 43.6 33.7 19.6
43年 22.2 48.6 36.2 21.7
44年 24.9 50.9 39.0 23.6
45年 28.0 54.3 42.9 26.1
46年 31.2 61.2 47.2 30.3
47年 34.2 61.6 50.2 32.4
48年 45.3 77.6 64.3 42.2
49年 61.8 113.0 90.1 55.7
50年 67.7 126.4 97.4 60.5
51年 70.3 114.6 98.2 62.1
52年 74.1 121.8 102.0 65.3
53年 77.9 122.4 105.9 70.1
54年 82.5 128.9 114.3 75.4
55年 92.5 149.4 129.7 84.1
56年 98.3 161.8 138.7 91.7
57年 101.3 170.9 143.0 93.9
58年 102.2 168.0 143.8 94.3
59年 102.8 161.2 141.7 95.3
60年 104.2 172.2 144.5 96.9
61年 106.2 181.9 149.5 102.6
62年 110.0 191.8 156.6 108.4
63年 116.5 203.6 175.0 117.3
平成元年 123.1 237.3 193.3 128.4
2年 131.7 286.7 222.9 147.4
3年 137.6 329.8 246.8 158.7
4年 143.5 333.7 245.6 162.4
5年 150.9 300.3 227.5 159.2
6年 156.6 262.9 212.8 148.4
7年 158.3 228.8 199.0 143.2
8年 161.0 229.7 198.0 143.6
9年 160.5 223.0 201.0 141.0
10年 158.6 225.6 203.8 138.7
11年 159.3 220.9 197.9 139.4
12年 159.0 204.3 182.6 132.3
13年 157.2 186.1 177.8 136.4
14年 153.6 195.2 180.5 135.0
15年 152.7 187.3 179.5 131.4
16年 152.1 190.1 176.1 130.6
17年 151.9 185.7 171.5 132.8
18年 152.9 170.5 178.6 133.7
19年 153.6 182.5 185.8 135.6
20年 156.0 229.1 206.1 158.3
21年 156.6 265.2 219.0 169.5
22年 156.5 226.4 205.9 163.0
23年 156.8 238.4 197.0 158.9
24年 157.6 223.3 193.9 155.6
25年 159.9 256.0 203.8 164.3
26年 163.0 276.2 228.0 176.4
27年 165.4 326.5 240.2 197.3

(「建築統計年報(国土交通省)」の「構造別:建築物の数、床面積の合計、工事予定額」表の1㎡当たりの工事費予定額による)

あなたが新築の不動産を購入して、ずっと住んでいた場合は以上の計算方法で取得費を計算することができます。

しかし、中古不動産を購入した方は、その建物が新築から取得した日までの価値を引かなければなりません。どういうことかというと、建物は永久不滅のものではなく時間と共に劣化していきますよね。これを減価償却(げんかしょうきゃく)と言い、建物部分は減価償却費を引くことができます。土地については永久に劣化しないため、減価償却しません。

そのため、中古建物の場合は、その建物の建築時から取得時までの経過年数に応じた減価償却費相当額を控除した残額を取得価額としなければなりません。

中古建物の取得価額 = 建物の取得価額 − 取得した年までの減価償却費

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実際に計算してみましょう。

例題

平成3年2月に新築のマンション(鉄骨鉄筋コンクリート造・専有面積70㎡)を5,000万円で購入し、平成28年1月に売却しました。購入した時の契約書を見ても、土地と建物の価格が書かれていません。土地と建物の取得費はいくらでしょうか。

①:購入金額を土地と建物の金額に区分する

上記の「建物の標準的な建築価額表」を用いて建物の取得価格を計算します。マンションの購入価額から計算した建物の価額を差し引いた金額が土地の取得価額となります。

「建物の標準的な建築価額表」より平成3年の鉄筋コンクリート造は1㎡あたり329,800円
購入時の建物の取得価額=329,800円×70㎡=23,086,000円
購入時の土地の取得価額=5,000万円−23,086,000円=26,914,000円

②:建物について減価償却費を計算する

建物は時間が経つほどに劣化するため、購入価額がそのまま取得費とはなりません。劣化分を加味して、売却時点での価値を求める必要があります。売却時点での価値とは、建物の取得価額から減価償却費を差し引いた金額となります。

経過年数は平成3年2月〜平成28年1月で24年11ヶ月。経過年数6ヶ月以上の端数は1年とし、6ヶ月未満は切り捨てます。5捨6入なので25年ということになります。
減価償却費=23,086,000円×0.9×0.015×25年=7,791,525円
売却時の建物の取得費=23,086,000円−7,791,525円=15,294,475円

③:譲渡所得の計算の基礎となる取得費の金額

(土地)26,914,000円+(建物)15,294,475円=42,208,475円ということになります。

いかがでしたでしょうか。こちらは取得費を計算するときで、建物の消費税額がわからないときの計算方法として使用してください。

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この記事の執筆者

坂根 大介
坂根 大介さかね だいすけ

イクラ株式会社代表。1986年大阪生まれ。関西大学文学部卒業。
野村證券株式会社に入社し、国内リテール業務を経て、その後三井不動産リアルティ株式会社三井のリハウス)にて不動産売買仲介を行う。
「証券×不動産(売買)×IT」という強みと、契約実務や物件調査の経験をもとに、プロ向けに不動産の調査方法や用語解説、不動産市況、不動産屋社長のためのノートなどをわかりやすく発信している。
イクラ株式会社では、過去に家が売れた成約価格がわかり、売買実績豊富な信頼できる不動産会社とチャットで相談できる「イクラ不動産」を運営。日本経済新聞にも取り上げられる。
また、司法書士事務所では、不動産登記の専門家として登記だけでなく、離婚協議書の作成や遺産分割協議書の作成、相続登記、自己破産の申請を数多く行っており、住宅ローンなど金銭的問題・離婚・相続などを中心に法律に関わる不動産売却の相談が年間1000件以上ある。
主な資格は、宅地建物取引士JSHIホームインスペクター2級FPなど。

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