相続税がかかる?不動産の相続についてわかりやすく説明する

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あなたに不動産の相続があるとき、相続税がかかるかもしれません。

そもそも相続税とはどのような税金で、どのような基準で相続税がかかるのでしょうか。

ここでは、不動産の相続における相続税ついてわかりやすく説明します。

 

相続税

相続税とは、人の死亡によって財産を相続した人、または遺贈(いぞう)により取得した人に相続財産に対してかかる税金です。

相続とは、何らかの手続きを行うことなく当然のように被相続人(=死亡した人)の財産が相続人に引継がれることをいいます。「当然のように」なので、ここで相続する人とは身内をあらわします。相続対して遺贈は、遺言によって、遺言者の財産の全部または一部を贈与することをいいます。一般的に遺言書で、相続人以外の者に遺産を与える場合に「遺贈する」という表現をすることが多いですが、相続人に対しても遺贈できます。

相続税がなければ、親が金持ちであれば子供も自動的に金持ちになります。そのことが相続税がかかる根拠であり、いわゆる富の再分配という考え方です。「富の再分配」つまり「所得再分配」というのは、貧富の差を減らし、富裕層の固定化とそれに伴う社会の硬直化を阻止して、社会的な公平と活力をもたらすための経済政策の一つであるとされています。例えとして、相続税として豊かな人から財産を取り、そのお金で道路や公園などの公共施設を整備することで、貧しい人も利用することができて恩恵を受けられる結果、豊かな人と貧しい人の差が縮まるということになります。

相続税は、被相続人(=死亡した人)が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内に、被相続人の住所地の所轄税務署に申告し納税しなければなりません。もし、遺産にかかる基礎控除額の範囲内であれば申告も納税も必要ありません。「遺産にかかる基礎控除額」は、3,000万円+600万円×法定相続人の数で計算することができます。遺産額がこの額を超えてしまうと、超えた分について相続税がかかるのです。

 

相続放棄について

相続人(=相続を受ける人)が、被相続人(=死亡した人)の財産及び債務について一切の財産を受け入れないことを相続放棄といいます。例えば、被相続人の負(マイナス)の財産である債務が正(プラス)の財産よりも多い場合に相続放棄をすることによって負債を免れることができます。相続放棄についての意思表示は、相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申し述べしなければなりません。

被相続人の財産を、条件なしにすべて承継することを単純承認といい、一方、正の財産の範囲内で負の財産を承継することを限定承認といいます。この限定承認も相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述しなければなりません。

 

被相続人の所得税準確定申告について

所得税の確定申告が必要な人は、通常翌年3月15日までに前年分の所得の確定申告を行いますが、個人が死亡した場合は、その年の1月1日から死亡の日までの期間の所得について、相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内に確定申告をしなければなりません。これを準確定申告といいます。相続人(=相続を受ける人)全員が納税者となり、被相続人(=死亡した人)の所得申告を行う義務があります。

 

相続の5つのステップ

相続財産は不動産だけではなく、現金や有価証券なども含まれますので、相続税がかかるかどうかについては全て計算しなければなりません。相続の流れは以下の通りです。

 

① 相続人が誰かを確定する

  • 法定相続人の確定
  • 遺言等の有無の確認など

法定相続人・法定相続分について

法定相続人は、配偶者と一定の血族(=故人の血縁者)からなります。まず、配偶者は必ず相続人となります。配偶者と血族相続人は共同して相続します。第1〜3順位の異なる血族相続人同士が共同して相続することはなく、あくまでも第1順位がいなければ第2順位といったように、次の順位で相続人となります。つまり、故人の子と故人の親や、故人の親と故人の兄弟姉妹が一緒に相続人になることはありません。

血族相続人 内容
第1順位 直系卑属(子供・孫など) 常に相続人となります。子供が死亡の場合は孫が相続人となります。
第2順位 直系尊属(父母・祖父母など) 直系卑属がいない場合、相続人となります。父母がいない場合は、祖父母が相続人とななります。
第3順位 兄弟姉妹 直系卑属・尊属共にいない場合、相続人となります。兄弟姉妹が死亡の場合、兄弟姉妹の子供が相続人となります。

法定相続人がどの程度の相続財産を受けれるか、民法で決められた取り分法定相続分といいます。

法定相続人 法定相続分
配偶者直系卑属(子供・孫など)の場合 配偶者1/2
子供(孫)1/2(複数の場合人数で按分します。)
配偶者直系尊属(父母・祖父母など)の場合 配偶者2/3
父母(祖父母)1/3(複数の場合人数で按分します。)
配偶者兄弟姉妹の場合 配偶者3/4
兄弟姉妹1/4(複数の場合人数で按分します。)

遺言があった場合は、上記の法定相続より優先されます。民法は、遺言で「法定相続分とは異なった相続分を定めることができ(民法902条1項本文)」、また遺言で「法定相続分の場合の遺産分割協議等の方法によらずに遺産分割の方法を定めることができる(民法908条)」としています。つまり、遺産承継の遺言があれば、遺留分の制限はありますが、原則として法定相続に優先し、遺言に決められた配分に従って遺産が承継されます。

遺留分とは、遺産の一定割合の取得を相続人に保証するものです。

遺留分の割合
直系尊属(父母・祖父母など)のみが相続人の場合 1/3
それ以外の場合 1/2

上記の割合に法定相続分の割合を乗じて計算します。仮に遺言に「愛人の子供に全て遺産を渡す」と書いてあっても、最大1/2までということになります(残りの1/2で配偶者や子でわける)。ただし、この遺留分の権利を有するのは配偶者・直系卑属・直系尊属に限られます

 

② 何が相続財産に当たるか確定する

  • 相続財産・債務のリストアップをする
  • 遺言がない場合、遺産分割協議書の作成

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相続財産とは?

相続(遺贈を含む)により取得した財産は相続税の課税対象となります。

本来の相続財産 相続などにより取得した財産。土地、建物、現預金、有価証券など。
みなし相続財産 被相続人の死亡に起因して得られる財産。死亡生命保険金、死亡退職金など。

相続開始前3年以内に被相続人からの贈与により取得した財産相続時精算課税制度を適用して被相続人から贈与により取得した財産も相続財産に加算されます。加算される金額は贈与財産の贈与時の価額となります。

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相続したマイホームの土地・建物の財産価値の算出方法

不動産を単純に売却した時のお金と不動産を相続財産としていくらのお金になるかというのは、同じお金でも大きく異なります。相続税を計算するために、その不動産がいくらかを算出したものが相続税評価額です。まず、土地については「路線価額」により、路線価額の定められていない地域では固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて求めます。なお、一定の要件を満たす宅地については、小規模宅地の評価減の特例を受けることができます。

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路線価による土地の相続税の計算方法

土地の1㎡当たりの価格(路線価)× 土地の広さ

路線価額とは?

評価される土地に接する道路につけられた価格です。これをもとに相続税や贈与税計算の前提となる土地の評価金額を求めます。路線価額は公示価格の80%の水準になるように調整されています。

公示価格とは?

毎年1月1日時点における一般の土地の価格を公示価格といい、その年の3月に国土交通省より発表されます。

例えば、相続を受ける土地が100㎡で、路線価が30万円とすると「30×100=3000万円」ということになります。

路線価を知りたい方は、国税庁のHPの「路線価図・評価倍率表」を参照してください。

路線価図に路線価がのっていない土地や、建物については、市町村から送られてくる「固定資産税評価額」を使います。一般的に、新築時の建物の固定資産税評価額は、建築価格の60%前後となっています。

建物部分については、固定資産税評価額をそのまま使いますが、路線価がのっていない土地については、固定資産税評価額にその地域ごとの倍率を乗じて求めます。この倍率(評価倍率)を知りたい方も、国税庁のHPの「路線価図・評価倍率表」を参照してください。

建物の相続税の計算方法

固定資産税評価額

固定資産税評価額とは?

固定資産税評価額は、「固定資産税・都市計画税」「不動産取得税」「登録免許税」を計算する上で基になる金額のことで、3年に一度見直されます。平成6年度評価額以降、公示価格の70%の水準になるように調整されています。

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相続した不動産が土地だけの場合は、路線価だけで計算すれば良いでしょう。しかし、マンションや戸建てを相続財産として計算する場合は、土地と建物それぞれ計算する必要があります。マンションの土地については登記簿謄本を見れば、マンションの敷地(土地)の何パーセント分を所有しているかがわかります。

上記を計算するとすぐにわかるが、実際に売却した金額の方が、相続財産評価額より明らかに高い。そのため、相続税を下げることができる相続対策として、現預金や有価証券より不動産が好まれるという側面があるのです。

 

③ 相続税額を計算する

  • 相続税の課税価格の計算
  • 納税方法の検討

遺産にかかる基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数で計算することができました。そして、遺産額が基礎控除額を超えた分について相続税を納めなければなりません。

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相続税は金銭での一括納付が原則ですが、納付期限までに困難な場合は、一定要件のもとで分割払いの延納が認められます。延納でも厳しい場合には、一定要件のもとで物納も認めらます。最初から延納や物納を選択することはできません。一般的に、金銭での一括納付が厳しい場合は、銀行から借入れをして納付することが多いです。返済が厳しい場合には、相続した土地を売却して返済しているケースも見られます。

物納できる財産の順位は以下の通りです。なお、特別な事情がある場合を除き、第1順位より順に選択していきます。

  • 第1順位 国債および地方債 不動産および船舶
  • 第2順位 社債・株式および有価証券
  • 第3順位 動産

延納や物納を希望する方は、申告の提出期限までに税務署に申請書などを提出して許可を受ける必要があります。

 

④ 相続税の申告と納税

相続税は、被相続人(=死亡した人)が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内に、被相続人の住所地の所轄税務署に申告し、納税しなければなりません。申告期限までに申告しても、税金を期限までに納めなかったときは利息にあたる延滞税がかかる場合もあります。

 

⑤ 相続財産の名義変更

相続財産が、自分のものであることを証明する名義変更をするためには相続登記が必要です。相続登記に必要な書類は以下の通りです。

  • 被相続人(=死亡した人)の戸籍謄本(出生から死亡まで全て)
  • 被相続人の住民票の除票
  • 相続人(=相続を受ける人)全員の印鑑証明書
  • 相続人全員の住民票
  • 不動産の固定資産評価証明書
  • 不動産の全部事項証明書
  • 遺産分割協議書

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まとめ

・相続税は、人の死亡により、財産を相続または遺贈により取得した人に対して課税される税金です。
・資産の格差調整のため、一定金額を超える財産を取得した場合には、その財産から一定額を相続税として納税しする必要があります。
・被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内に被相続人の住所地の所轄税務署に申告し、納税しなければなりません。

 

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