不動産が相続の遺産分割の対象から外れるかも?

不動産が相続の遺産分割の対象から外れるかも?

不動産が相続の遺産分割の対象から外れるようになるかもしれません。

遺産分割から住居除く 贈与の場合配偶者に配慮

法制審議会(法相の諮問機関)の部会は18日、亡くなった人の遺産を分け合う遺産分割の規定を見直す試案をまとめた。婚姻期間が20年以上の夫婦のどちらかが死亡した場合、配偶者に贈与された住居は遺産分割の対象にしない。いまは住居も相続人で分け合う遺産のため、住居を売却して配偶者が住まいを失う問題があった。

法務省は8月上旬から約1カ月半、パブリックコメント(意見公募)を実施する。公募の結果を踏まえ、年内にも要綱案をとりまとめ、来年の通常国会で民法改正案の提出を目指す。

遺産分割は、亡くなった被相続人が保有していた現預金や有価証券、動産、不動産などの遺産を、相続人で分ける制度。夫が亡くなり、配偶者の妻と子どもが相続人の場合、妻が2分の1を相続し、残り2分の1を子どもの人数で分ける。

現行制度では、居住用の土地・建物は遺産分割の対象になる。亡くなった被相続人が遺言で「住居は遺産にしない」などと意思表示しなければ、生前贈与をしていても相続人で住居を含めて分け合わなければならない。

住居以外の財産が少なければ、残された配偶者が遺産分割のために住居の売却を迫られ、住み慣れた住まいを失う恐れがあった。高齢化の進展で同様の問題はさらに増える見通しで、法制審は対応策を検討していた。

試案は、居住用の土地・建物を配偶者に贈与した際に、それ以外の遺産を相続人で分け合う内容。配偶者は住居を離れる必要がないだけでなく、他の財産の配分が増えて生活が安定する。

適用するには条件がある。(1)夫婦の婚姻期間が20年以上(2)配偶者に住居を生前贈与するか遺言で贈与の意思を示す――の2つだ。婚姻期間が20年未満の夫婦や、意思表示がなく被相続人が亡くなった場合は対象外だ。

居住財産の贈与を巡っては、20年以上連れ添った配偶者が贈与を受けた場合、2000万円までの居住財産は非課税にする特例がある。この特例措置の利用は、2015年で1万3959件、1782億円に上る。配偶者に住居を残したいというニーズは高い。

法制審は税制には言及していない。民法改正が固まれば政府・与党で税制の具体像も検討する。

法制審の部会は昨年6月、配偶者の法定相続分を2分の1から3分の2に上げる試案を公表。だが、パブリックコメントで反対が多数を占めたため、新たに試案を示した。今回の試案には、遺産分割の協議中でも預貯金を葬儀費用や生活費用に充てる仮払いを認める制度の創設も盛りこんだ。

司法統計によると、家庭裁判所が受け付けた遺産分割の審判・調停事件は増加傾向で15年は約1万5000件。法制審の部会では、亡くなった被相続人が住居を第三者に贈与しても配偶者が住み続けられる「居住権」の新設なども議論している。相続分野全体の要綱案を年内にもまとめる。

(2017年7月19日日本経済新聞朝刊1面抜粋)

相続税は、被相続人(=死亡した人)が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内に、被相続人の住所地の所轄税務署に申告し納税しなければなりません。もし、遺産にかかる基礎控除額の範囲内であれば申告も納税も必要ありません。「遺産にかかる基礎控除額」は、3,000万円+600万円×法定相続人の数で計算することができます。遺産額がこの額を超えてしまうと、超えた分について相続税がかかるのです。

相続財産は建物や土地などの不動産だけではなく、現預金や有価証券、自動車や骨董品なども含まれますので、相続税がかかるかどうかについては全て計算しなければなりません。

そのときにまず、相続する人(=相続人)が誰かを確定しなければなりません。

民法は遺産を相続する際の「法定相続割合」というのを定めています。こちらは被相続人に遺言がない場合に適用されるルールです。つまり、逆に遺言があれば、遺言が法定相続に優先されます。民法は、遺言で「法定相続分とは異なった相続分を定めることができ(民法902条1項本文)」、また遺言で「法定相続分の場合の遺産分割協議等の方法によらずに遺産分割の方法を定めることができる(民法908条)」としています。つまり、遺産承継の遺言があれば、遺留分の制限はありますが、原則として法定相続に優先し、遺言に決められた配分に従って遺産が承継されます。

法定相続人は、配偶者と一定の血族(=故人の血縁者)からなります。まず、配偶者は必ず相続人となります。配偶者と血族相続人は共同して相続します。第1〜3順位の異なる血族相続人同士が共同して相続することはなく、あくまでも第1順位がいなければ第2順位といったように、次の順位で相続人となります。つまり、故人の子と故人の親や、故人の親と故人の兄弟姉妹が一緒に相続人になることはありません。

血族相続人 内容
第1順位 直系卑属(子供・孫など) 常に相続人となります。子供が死亡の場合は孫が相続人となります。
第2順位 直系尊属(父母・祖父母など) 直系卑属がいない場合、相続人となります。父母がいない場合は、祖父母が相続人とななります。
第3順位 兄弟姉妹 直系卑属・尊属共にいない場合、相続人となります。兄弟姉妹が死亡の場合、兄弟姉妹の子供が相続人となります。

現在のルールでは、相続人が配偶者と子ども1人の場合は各2分の1ずつになり、子どもが複数いる場合は配偶者が2分の1を取り、残りを子どもの人数で等分します(子どもが3人の場合、配偶者が2分の1で、子どもが6分の1ずつになります)。

法定相続人 法定相続分
配偶者直系卑属(子供・孫など)の場合 配偶者1/2
子供(孫)1/2(複数の場合人数で按分します。)
配偶者直系尊属(父母・祖父母など)の場合 配偶者2/3
父母(祖父母)1/3(複数の場合人数で按分します。)
配偶者兄弟姉妹の場合 配偶者3/4
兄弟姉妹1/4(複数の場合人数で按分します。)

建物は配偶者、土地は長男、預貯金は次男、などのように現物のまま相続するケースのほか、財産をすべて売却して金銭を相続分に応じて配分したり、土地などを複数の相続人の共有財産で相続したりといった手法があります。

不動産の価値と同じの預貯金があれば配偶者と子どもで財産を分けやすいのですが、相続対象がほぼ家と土地しかない場合、その家に住む配偶者と、独立して暮らす子どもとの間でどう財産を分けるかに悩む場合があります。特に近年、高齢化が進み、配偶者の生活を保障する相続分が2分の1では少ないとの指摘があり、法制審議会(法務大臣の諮問機関)で検討を進めていました。

そこで、今回法制審議会は「婚姻期間が20年以上の夫婦のどちらかが死亡した場合、配偶者に贈与された住居は遺産分割の対象にしない」とする民法改正の試案をまとめたわけです。

婚姻期間が20年以上の夫婦で、配偶者が生前か遺言で住居の贈与を受けることが条件です。

これは不動産を所有している人にとっては、かなり大きな制度変更となります。

(2017年7月19日日本経済新聞朝刊より掲載)

まだ、法制審議会の試案なので決定事項ではありませんが、公募の結果、問題なさそうであれば民法改正案を提出する予定となっています。

不動産は2つに分けることができないことから、「売却」という選択肢しか取らざるを得なかった配偶者にとっては、大きな制度の変更となるのではないのでしょうか。

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2016.01.19
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