今後は市町村が空家の売買を仲介し、空家を購入すると税金が安くなる?

今後は市町村が空家の売買を仲介し、空家を購入すると税金が安くなる?

増え続ける空き家を解消するための対策として、市町村が空き家の売買仲介を行うことになるようです。また、空き家を購入する場合は、不動産取得税と登記に必要な登録免許税も軽減されそうです。

空き家解消 市町村主導 税も優遇、転用促す

国土交通省は人口減を背景に全国で増える空き家問題への対応で、市町村の役割を強化した新たな制度を導入する。市町村が空き家の情報を積極的に集め、土地や建物の売買のほか公園への転用などの仲介役まで担うようにする。所有者が分からない空き家が多い実情を踏まえ、市町村は個人や世帯の情報をつかみやすいとみて、行政主導で解消につなげる。買い手への税優遇も検討する。

来年の通常国会で、都市再生特別措置法の改正案を提出し、新制度を設ける。各市町村に、使われていない空き家や空き地の利用を促す対策案をつくるよう求める。空き家は直近で約820万戸あり、日本の住居の14%に上る。賃貸用が429万戸と最多だが、最大の問題は所有者不明や破損などで活用が難しい空き家が272万戸に上ることだ。野村総合研究所は世帯数の減少に伴い、空き家の割合は2030年代に30%を超えると予測する。所有者が分からない空き家を特定する作業が急務になっている。

(出典:野村総合研究所

16年後には空き家が3倍になり、3戸に1戸は空き家になるとの予測

16年後には空き家が3倍になり、3戸に1戸は空き家になるとの予測

2017.06.26

これまで市町村には空き家の情報を集める機能はあったが、所有者が不明な空き家は放置されたままだった。空き家が社会問題化している現状を踏まえ、新制度では各市町村に専用の組織を設けて人を配置し、行政の関与を強める。

市町村は空き家情報を一括して集め、そのうえで売りたい人と買いたい人を事実上、仲介。まちづくりの計画にも組み込みながら処理を加速する。空き家や空き地を統合して公園や集会所など地域のコミュニティースペースへの転換も促す。例えばある地域に3戸の空き家が点在する場合、自治体が率先して空き家の所有者を調べ、1戸は子供部屋を増築したい隣の住民に売る、残り2戸は統合して公園に変えるというイメージだ。住民間で空き家と私道を等価交換し、駐車場を設けることも想定できる。

(出典:日本経済新聞

税制上の新たな対応も検討する。国交省は18年度の税制改正要望に、空き家の流通・取得に関わる税優遇、特に買い手側の恩恵が大きい措置を盛り込む。地域の不動産市場で、空き家の売買が活発になるように、登録免許税不動産取得税の軽減を検討する。2000万円の土地・建物であれば、流通に関する税は現状では約120万円かかる。買い手の負担を軽くすることで、空き家・空き地の流動性を高め、住民の売買意欲を少しでも引き出す狙いがある。

市町村であれば登記簿や税務当局から所有者を把握しやすく、住民からも空き家情報を広く集めることができる。市町村は「空き家バンク」として情報を公開しているものの、「空き家を売買したい人だけが利用しており、放置されている家屋の問題解消につながっていない」(国交省)。住民や所有者にとっての窓口機能を強化する必要があると見ている。

国交省は賃貸用などを除く空き家を25年度に400万戸程度に抑えたい考えで、一連の対策をとらない場合と比べ100万戸減らす目標を掲げる。

(2017年8月15日日本経済新聞朝刊1面抜粋)

2013年の空き家数は、約820万戸と10年前に比べて約160万戸増えました。空き家を取得した理由の半数以上は相続であり、その所有者の約4分の1が車や電車で1時間以上かかる遠隔地に住んでおり、解体に要するコストの負担や当面の必要性がないことから、空き家として放置されている事例が多くなっています。

空き家の何が問題なのかと言うと、管理されていないため火災の原因となることがあるほか、地震の際に倒壊して道をふさぐ危険性も大きくなったり、犯罪に利用されたりと、様々な問題を地域に巻き起こす可能性があるからです。

2015年施行の空き家対策特別措置法は、倒壊の恐れや景観を著しく損なう空き家を「特定空き家」と定義し、市町村が所有者に除去や修繕を指導、勧告、命令できるようになりました。命令に従わない場合は強制執行もでき、今年3月時点で指導した市町村数は221、勧告は74、命令は17に上ります。

そもそも、建物を取り壊して更地にせず、建物を残して空き家にしている理由は、更地の場合と比べて納税額は6分の1(200㎡以下の場合)で済む固定資産税の優遇があったからです。しかし、空き家対策特措法で固定資産税の優遇特例を解除できるようになり、事実上の「空き家増税」として所有者に対応を促す自治体が増えてきています。

「空き家増税」放置の抑止力に

空き家の適正管理を所有者に求める空き家対策特別措置法などに基づき、所有者への勧告や建物の強制撤去に踏み切る自治体が増えている。人口減少や相続放棄で居住者不在の物件は増える一方。空き家情報を集約して買い手を広く募る試みも進むが、課題も多い。

「ざっと見積もっても区内に1000戸以上はありそう」。東京都世田谷区の担当者はこう明かす。人気住宅地の同区でも近年、空き家は急増。2015年の特措法施行を受け、空き家から道路にはみ出て通行に支障がある樹木を区が伐採できるなどとした条例も定めた。今年度は本格的に空き家の実態を調査する。

総務省の住宅・土地統計調査では全国の空き家は13年に820万戸。うち別荘や売却用住宅などを除く「その他の住宅」は318万戸で、多くが居住者不在で放置されているとみられ、野村総合研究所は33年に785万戸になると予測する。

(出典:野村総合研究所

地方では早くから空き家問題が深刻だったが、「(自治体権限などの)法的根拠が明確でなく、抜本的な対策を打てなかった」(佐賀県武雄市の樋渡啓祐前市長)。倒壊の危険があっても強制的に解体すれば所有者の財産権を侵害しかねない。空き家も固定資産税の住宅用地特例が適用され、納税額は6分の1(200㎡以下の場合)で済むため、売却するメリットも乏しかった

特措法は、景観を含め周囲に悪影響を与えるものを「特定空き家」と定義。自治体は所有者に是正を指導し、従わなければ勧告を出して固定資産税の優遇特例を解除できる。16年度の勧告は全国で210件と前年度の4倍近くに増加。「税負担増は空き家放置の抑止力になりつつある」(富士通総研の米山秀隆主席研究員)面もある。法定の空き家対策計画を作る自治体は「今年度末までに約900と全体の5割を超えそう」(国土交通省住宅総合整備課)だ。

国交省の有識者会合は6月、特措法を踏まえた空き家の具体的な活用策を提言した。その一つが全国規模で買い手を募る「空き家バンク」の創設だ。不動産情報サイトを運営するLIFULLは今秋、各自治体が個別に提供する空き家情報を統合し、一括検索できる仲介サイトを立ち上げる。浜松市など70以上の自治体が関心を示している。

来春には改正宅地建物取引業法が施行され、仲介業者には依頼者の意向に応じ、建物の老化や不具合の調査をあっせんすることなどが義務づけられる。熊谷則一弁護士は「建物の欠陥など買い手の不安を和らげ、空き家売買を後押しする可能性がある」と話す。

不動産の重要事項説明書における「インスペクション」とはなにか

地図大手のゼンリンは調査員が収集する空き家情報の外販を強化している。「空き家対策に乗り出す自治体や、近く売りに出されそうな物件情報を知りたい不動産業者の需要も多い」という。

もっとも、立地条件が悪く買い手が付かない空き家も多い。相続放棄などで所有者が不明の空き家も自治体を悩ます。所有者不明の場合、特措法は略式代執行と呼ぶ手続きで自治体が解体できるとする。一方、世田谷区や埼玉県川口市は民法の規定を使い、裁判所が選んだ財産管理人に解体や売却を委ねた。ただ「いずれも物件売却で解体費などを賄えないと自治体の費用負担になる。どこまで市民の理解を得られるか不透明」と川口市の担当者は話す。それでも対策を急ぐ必要から、広島県呉市などは解体費用を一部助成している。今後、国や自治体の財政を大きく圧迫しかねず「住宅購入者に将来想定される解体コストを負担してもらう仕組みも検討課題」(富士通総研の米山氏)との指摘もある。

(2017年8月14日日本経済新聞朝刊11面抜粋)

空き家が増加する主な理由は、日本が人口減少・高齢化社会に突入しているからです。地方をみると、すでに高齢化、少子化、人口減少によって、持続不可能な地域(限界集落)がたくさんあります。これはなにも地方だけの話ではなく、都市部においても将来同じ姿になります。

このようになると、人口が減少する市区町村の税収は減ることから財政は厳しくなり、道路・上下水道などインフラの整備だけでなく、ごみ収集もままならない状態になるでしょう。特に人口減少が続くと、不動産価格が下落し、自治体の主要な税収である固定資産税収入が減っていきます。

そこで、国は「コンパクトシティ」の概念を打ち出し、立地の良い場所に「集まって住む」ことを政策として押し進めようとしています。集まって住んでもらうと、インフラ整備や行政サービスの効率が上がるのは明白だからです。また、人口が維持できると不動産価格も維持できるため、固定資産税収入も維持できます。

人口減 地方が映す近未来(上)「埋もれた資産 活用探る」

日本の人口減少が一段と深刻になっている。1年間に生まれてくる子どもが100万人を割り込む一方、死亡者は130万人に迫る。減少が顕著な地方は近未来の縮図である。そこから人口減時代の新常態(ニューノーマル)を探る。

人口6番目の政令市、神戸市の中心、三ノ宮駅から約1.5km。事務所やアパートが並ぶ一角に老朽化した3階建ての建物がある。「外壁が崩れて危ない」。近隣から通報が寄せられたが、最後に登記されたのは40年以上前。登記された人は死亡していた。市がネットを張るなどの緊急工事を実施したが、約90万円の費用は「持ち主が分からないので市が負担するしかない」(住宅都市局の金本忠義担当部長)。

総務省によると、1月時点の日本人の総人口は約1億2558万人。5年間で約107万人(0.9%)減少した。多死社会のなか、管理の手間などから親族が死んでも相続登記されない不動産が多い。かつて土地は価値の源泉だったが、人口減が本格化するなか、放置されたままの資産が随所に出現している。増田寛也元総務相が座長を務める研究会は6月、「全国の土地の2割で所有者が不明」との推計をまとめている。

地方の人口減は全国の先を行く。秋田、青森などでは5年間の減少率が4%を超える。それだけに状況も深刻で、熊本県人吉市では、市内の墓の約4割が引き継ぐ人のいない「無縁墓」という調査結果もある。

ただ神戸の例でもわかるように不動産の放置は都市部でも顕在化している。典型が空き家だ。東京都足立区が15年度に実施した調査では、区内の約2350棟が空き家状態という。空き家は街並みだけでなく防災上の問題も抱える。区は登記された人の親族と連絡をとるなど所有者を探し出し、利活用を探る。モデル地区では、住民や有識者の意見を参考にカフェへの転換など具体的な方法の提案も検討する。

問題は探しても持ち主がわからない不動産だ。増田氏は「所有者不明の場合、所有者の同意がなくても貸し借りできる制度が必要」と主張する。

ヒントは静岡県東伊豆町にある。ここに約900㎡の遊休農地があった。登記簿上の所有者は約70年前に死亡。親族も亡くなり、現在の所有者が特定できない。13年の農地法改正で、知事が裁定を下せば、所有者不明の土地を農地中間管理機構(農地バンク)を通じて貸せるようになった。町はこの制度を活用。4月、隣の農家に5年間で約1万1000円で貸し付けた。

農地法の規定は農地に限られる。宅地や商業地で同様な制度を導入するには不動産制度の抜本改革が必要になる。「財産権の根幹を変えることになりかねず、強い抵抗が予想される」(増田氏)

国立社会保障・人口問題研究所の推計(中位)では40年の死亡者は約168万人にのぼる。人口減が常態化し、パラダイムシフトが不可欠ななか、抵抗の強い改革こそ必要かもしれない。

(2017年8月14日日本経済新聞朝刊1面抜粋)

人口減 地方が映す近未来(中)「居住地集約 賢く縮む」

「泣く子はいねがー」。秋田県を代表する年末の伝統行事、ナマハゲが「絶滅」の危機にさらされている。男鹿市の148集落のうち4割以上で消滅した。秋田県の人口減少率は全国トップ。「担い手がいない」「迎える家がない」。独身者限定だったナマハゲ役を70歳代が務め、なんとか続けている集落もある。

地域の伝統文化だけでなく、生活に必要なインフラの維持も難しくなっている。

奈良市から車で2時間半の山のなかに奈良県十津川村はある。東京23区に匹敵する面積に約3500人が暮らす。橋や道路は老朽化が著しく、通行止めが必要な橋が10カ所、5年以内に修繕すべき橋が66カ所ある。

村の年間予算は約70億円。1カ所架け替えるのに1億円かかる。「すべては維持できない」(更谷慈禧村長)。すでに2カ所については廃止方針を表明したが、「生活に欠かせない」と住民からは強い反発が出ている。

著しい人口減で地方ではこれまでの「当たり前」が守れなくなっている。そしてこんな現象が各地で起こっている。

「まさか自分の故郷に誰もおらんようになるとは」。元会社員の林田義雄さん(81)は肩を落とす。高知県の東部、徳島県との境にある北川村で、4月、1つの集落が消滅した。林業が盛んで当時は100人以上が暮らしていたといわれるが、最後の住民だった70歳代の女性が転居した。

役場から車で1時間、救急車を呼んで病院に行くにも2時間かかる。身長ほどの草に覆われた道を分け入って行くと朽ちかけた空き家が10軒ほどあった。かつて祭りでにぎわった神社は崩れた状態で放置されていた。

かつては国の営林署の事業所が開設され、材木を運ぶ森林鉄道も開通したが、林業の衰退に伴い、1980年代には人口は1桁になった。

国土交通省と総務省の調査によると、2010年以降に住民がいなくなった「消滅集落」は190カ所に上る。

このままではさらに消滅集落が増え、日本全体に荒野が広がることになりかねない。ならば、減少する人口を計画的に地域の中心部に集め、生活サービスを維持することも一案だ。「賢く縮む」発想といえ、試みはすでに始まっている。

山形県鶴岡市は05年に5町村と合併し、居住地が拡散している。4月、住宅や商業施設を一定区域に集める立地適正化計画を公表した。市街化区域の4割に居住を誘導する。中心地に地元企業がホテルやバスターミナルを備えた拠点を設け、税を優遇する。空き地を活用して住宅を整備し、郊外から移住を促す。

ただ、計画期間は20年を超える。その間も人口減は着実に進む。いかに速やかに移住してもらうか。豊橋技術科学大の大西隆学長は「居住地の集約を選択しない住民には一定の行政サービスを我慢してもらうことを検討してもいい」と指摘する。移住すれば便利だという誘導策以外の措置も必要かもしれない。時間との闘いである。

(2017年8月15日日本経済新聞朝刊1面抜粋)

人口減 地方が映す近未来(下)「行政サービスを取捨選択」

「ようやったな」。島根県隠岐諸島、知夫村の向浜樽幸議長は高知県大川村の動向を固唾をのんで見守っている。和田知士村長が6月議会で、村議会の廃止の検討を表明したからだ。地方自治は首長、議会とも選挙で選ぶのが原則。しかし、地方自治法は例外的に、議会を置かず、住民が直接、議案を採決する「総会」の設置を認めている。

大川村の人口は約400人。村議会の定数は6人で平均年齢は約71歳。人口減で議員のなり手不足は深刻だ。知夫村も事情は同じで、ひそかに村総会の研究を始めていた。日本経済新聞が人口千人以下の村の議長に聞いたところ、大川村以外に4村で総会検討の必要性を回答した。和田村長は「もしものための選択肢」としており、大川村が村総会に移行するかは不透明だが、各地で地方議会の存続が危ぶまれているのは間違いない。

役場の業務も成り立たない状況に陥りつつある。山梨県丹波山村は人口600人弱で5年間で2割近く減少した。歳入の半分近くを占める地方交付税は人口や面積などに応じて算出され、今年度は前年度より約1割減った。人口減で税収も減っており、まさにダブルパンチだ。木下喜人総務企画課長は「福祉や教育は何とか維持したいが、道路の老朽化対策や空き家対策などは後回しにせざるをえない」と漏らす。

山梨学院大の江藤俊昭教授は「もはや自治体がフルサービスする時代ではない」と語る。「行政ができないなら自分たちで」。住民主導で取り組む例もある。

岡山県北部、鳥取県境に町内会やNPOでつくる住民組織「あば村運営協議会」がある。旧阿波村は2005年に津山市と合併したが、人口減に歯止めがかからない。住民が自立を目指して14年「あば村宣言」をし、協議会を立ち上げた。撤退したガソリンスタンドを運営するほか、かつて行政がしていた高齢者の送迎、見守りも手掛ける。

「シェア経済」もキーワードになる。

京都府京丹後市丹後町はタクシー会社が撤退した公共交通の空白地。16年、地元のNPO法人「気張る!ふるさと丹後町」がライドシェア(相乗り)サービス「ささえ合い交通」を始めた。ライドシェア世界最大手の米ウーバーテクノロジーズの配車システムを使って登録した一般の運転手を探し、自家用車で運んでもらう。「運行されない時は行政経費が一切かからず、過疎地でも持続可能な運行システム」と市の担当者は強調する。

自家用車を使い、客を有償で乗せる行為は「白タク」として道路運送法で禁じられている。今回は「交通空白地」に認められた特例を活用したが、全国で導入できるわけではない。「ささえ合い交通」も町外に行った場合、復路は使えない。

官と民との線引きを一から見直し、がんじがらめの規制を抜本改革する。人口減社会に立ち向かうための第一歩かもしれない。

(2017年8月16日日本経済新聞朝刊1面抜粋)

これが日本の現状です。今後、人の集まる立地の良い場所は、不動産の価値が維持、もしくは上がり、立地の良くない場所は価値が大幅に下がるのです。これがコンパクトシティです。

2017(平成29)年3月31日現在、348都市が具体的な取り組みをはじめており、このうち112都市が立地適正化計画を公表しています。あなたが所有する不動産がある自治体は作成しているのか調べてみてはいかがでしょうか。

コンパクトシティ(居住誘導区域)とはなにか

今後は市町村が空家の売買を仲介し、空家を購入すると税金が安くなる?

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