不動産の相場価格とは成約価格であって売出価格ではない

あなたは家(土地・一戸建て・マンション)を売るとき、まず、およそいくらぐらいなのか相場価格が知りたいのではないでしょうか。

そこでインターネットで検索すると、それっぽい価格が掲載されているサイトがみつかります。

売出価格と成約価格

しかし、それらのサイトの掲載されている価格は相場価格ではありません。売出価格です。

ここでは、相場価格とはなにか、売出価格とはなにか、そして成約価格とはなにかについてわかりやすく説明します。

 

不動産業界での◯◯価格とは?

不動産業界では「◯◯価格」という業界用語が多く、まずはこの違いを知らなければなりません。

相場価格・査定価格・売出価格・販売価格・成約価格

相場価格…現時点で市場に出して「実際に売れるであろう金額」のこと。
査定価格…本当は「おおむね3か月以内に売れると想定した金額」のことを指すが、実際は不動産会社が売主の様子を見ながら提案することも多い。
売出価格…売却スタート時点の販売価格。
販売価格…現在売出ししている不動産の価格。
成約価格…「実際に売れた金額」のこと「取引価格」ともいう。

皆さんが思い浮かべる「相場価格」とは「今、売った場合の金額」のことですよね。「実際に売れた金額=成約価格」こそ「相場価格」であって、決して「売出価格=相場価格」ではありませんよね。

それでは、なぜ多くのサイトは「売出価格」を掲載しているのでしょうか。

これはさも高い金額で売却できるように見せかけ、売却するように誘導しているからに他なりません。

では、売出価格と成約価格にどれぐらいの差があるのかをみてみましょう。

 

売出価格と成約価格の乖離率

こちらは東京カンテイが2017年に公表した「中古マンションの売出・取引事例に基づく価格乖離率」の最新データになります。ここでの取引事例とは成約価格と同じ意味です。また、乖離率(かいりりつ)とは売出価格と成約価格の価格差になります。

首都圏売却期間別中古マンションの価格乖離率

上記は首都圏における調査ですが、直近調査の10年間での価格乖離率を売却期間ごとにみると、売却期間が1ヵ月以内での価格乖離率は−3.00%となっており、平均売出価格2,597万円に対し、平均成約価格は2,519万円と−78万円の価格差があることになります。もちろん、ここでは平均価格なので、金額が高額になればなるほど−3%は金額として大きな差となって出てくることになります。

また、売却期間が長期化するほど乖離率も拡大する傾向にあります。例えば、1年後(12ヵ月後)の価格乖離率は−15.01%であり、平均売出価格2,562万円に対し、平均成約価格は2,177万円と−385万円の価格差になります。

売出→成約までの期間

「おおむね3か月以内に売れると想定した金額」である査定価格ですが、この3ヵ月以内に限ると平均−4.21%となっており、売り出しから3ヵ月間で、最初の売出価格から4%程度値下げした金額で成約しているということになります。

また、売却期間が1ヵ月以内で売れた割合は39.6%と、全体の4割近くが売り出し開始から1ヵ月以内で成約していることになります。さらに、3ヵ月以内に限ると累積事例シェアは67.3%と全体の2/3以上が成約していることになります。半年後は86.7%と約9割に迫っており、ほとんどのケースで成約していますから、売り出しから半年後にはほとんどの物件が売れていることになります。

首都圏売却期間別価格乖離率シェア

上記は売却期間ごとの価格乖離率のシェア構成になります。価格乖離率0%というのは、売出価格から値下げせうに成約に至っているケースのことです。売却期間が1ヵ月以内の場合、0%が31.6%、−5%以内が44.2%で合わせて75.8%にのぼります。つまり1ヵ月以内に売れるケースは、売出価格と成約価格の差がそれほど開いておらず、成約価格≒相場価格通りの売り出しをしていたことになります。付け加えれば、0%の31.6%というのは、もう少し売出価格を上げても良かったかもしれません。

一方、全体をみると売り出し開始から時間経過とともに、価格を大幅に値下げして成約している割合が増えていることがわかります。つまり、最初に「この金額で売りたい」と成約価格から大きく離れた高値で売却を開始しても売れる可能性は低く、結局時間と共に値下げして売らなければならないことになる確率が高いとも言いかえることができます。

首都圏以外の地域についてはこちらをご覧ください。

近畿圏の中古不動産の売出価格と成約価格の乖離率について調べた

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2017.05.27

中部圏の中古不動産の売出価格と成約価格の乖離率について調べた

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2017.05.27

福岡県の中古不動産の売出価格と成約価格の乖離率について調べた

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2017.05.27

 

まとめ

売出価格と成約価格の価格差は、売却期間が長くなればなるほど価格差が大きくなります。

あなたが、大切な家(土地・一戸建て・マンション)を売却したいと考えるときは、何かの目的があるはずです。例えば、金銭が必要だからという理由であったり、他にも離婚・転勤・買換・同居など、ほとんどの人が単純に貯金するために売却するわけではないはずです。

つまり、次の目的のためにお金が必要だから売るわけなのに、いくらぐらいで売れるのかと調べたサイトが「売出価格」をもとに相場価格を出しているサイトであれば意味があるでしょうか。そんな売れてもいない希望の金額を見せられても計算が狂うだけです。

不動産会社は、マンションや土地について過去の成約価格をもとに査定価格を出しています(取引事例比較法)。あなたが家を売るとき、最初におよそいくらぐらいなのか相場価格が知りたいのであれば、売出価格ではなく、成約価格での数字を参考にするようにしてください。

 

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