売主は不動産売買契約書の印紙税を負担しなくても良いのか

印紙税のイメージ画像byいくらチャンネル

不動産を売買するとき、契約書に印紙を貼って印紙税を納める必要があります。

しかし、あなたが売主の場合は「印紙税を節約することができる」ということをご存知でしょうか。一方、印紙税を節約したことで文書の効力はあるのでしょうか。

ここでは、売主の場合は印紙税を負担しなくても良い理由についてわかりやすく説明します。

 

売主は印紙税を負担しなくても良いのか?

あなたが不動産を売却した場合、買主との間で不動産売買契約書を取り交わします。その時、通常不動産売買契約書に印紙を貼って、売主・買主それぞれ負担しなくてはなりません。「通常」といったのは、不動産屋さんからも「印紙を用意してください」と指示されるからです。

不動産の印紙税について知っておくこと

2015.12.18

印紙税がいくらかというのは、その金額によって決まります。例えば、4,000万円の物件を売却する際は、10,000円分の印紙を契約書に貼らなければなりません。

不動産の契約に関係する印紙税額は以下の通りです。

記載金額 不動産売買契約書 工事請負契約書 金銭消費貸借契約書
1万円未満のもの 非課税 非課税 非課税
10万円以下のもの 200円 200円 200円
50万円以下のもの 200円 200円 400円
100万円以下のもの 500円 200円 1,000円
500万円以下のもの 1,000円 ※200〜1,000円 2,000円
1,000万円以下のもの 5,000円 5,000円 10,000円
5,000万円以下のもの 10,000円 10,000円 20,000円
1億円以下のもの 30,000円 30,000円 60,000円
5億円以下のもの 60,000円 60,000円 100,000円
10億円以下のもの 160,000円 160,000円 200,000円
50億円以下のもの 320,000円 320,000円 400,000円
50億円を超えるもの 480,000円 480,000円 600,000円
記載金額のないもの 200円 200円 200円

※200万円以下のものは200円、300万円以下のものは500円、300万円超〜500万円以下のものは1,000円となります。

(国税庁のHPより)

一般的に、売主・買主それぞれ1通ずつ不動産売買契約書を作成し、保存する場合にはそれぞれの契約書が課税文書に該当するため、それぞれの契約書に印紙の貼付が必要になります。

ただし、同じ内容の契約書であれば、原本と写し(コピー)で、写しを単なる控えとしていれば、課税文書に該当しないため印紙税は必要ありません。

このとき、不動産売買契約書の条項に「本契約書1通を作成し、買主がこれを保有し、売主はこの写しを保有する」等の文言を入れる必要があります。

しかし、このコピーに上から新たに署名や押印をした場合には、契約の成立を証明する目的で作成された文書であると認められ、原本と同様に課税文書にあたり、印紙税が必要になります。

 

コピーは「効力」があるのか

さて、ここで気になるのが、コピーは原本と同じ効力を発揮できるのかどうかですよね。

安心してください。原本もコピーも、契約の効力は原則として同じです。契約書とは「契約当事者の合意を明確にするために作成されるもの」であり、コピーであっても契約当事者間の合意を明らかにできるからです。ただ「原則として」と言うのは、仮に原本とコピーで内容が違っていれば、原本の方が証拠力があります。それなら「コピーに原本と相違がない」という文言を契約書に入れて欲しいと思いますが、この証明文言を入れた場合には、印紙を払わなければなりません。これが「保存」と「単なる控え」の違いということになります。

結論として、契約書の原本を1通作成して(買主の契約書)収入印紙を貼り、売主はその原本のコピーをいただくことで必要な収入印紙を節約することができるということになります。

 

買主に「印紙代の半額を負担してよ!」と求められた場合は?

売主とは違い、買主は原本を持つ必要があります

それにも関わらず買主に「印紙代の半額を負担してよ!」と要求される場合があります。買主からすると「契約書が1通で、私の契約書をコピーしてタダで売主に渡すってなんかおかしくない?」という主張です。

でもそれはそれで「原本が買主で、コピーが売主なのに、印紙代は折半?」と売主からすると嫌な気分になりそうです。

買主はその不動産を購入して、今後(未来)様々な場面においてその原本が必要なこともあるため「保存」するのであり、売主は売却してその不動産を手放してしまうと利用する場面がないため必要ありません。

つまり、売主は必要ないからコピーで良いのであり、半額負担を求められるのはおかしいということになります。

お断りしても良いでしょう。

ただ、売主と買主は対等の立場です。このようなことで買主と変にもめるようなことがあれば、今後何かあったときのために不動産売買契約書の原本をそれぞれ1通保有していた方が良いかもしれません。

 

まとめ

・売主は不動産売買契約書のコピーでよければ、印紙を貼る必要はありません。
・不動産売買契約書の正本が欲しいということであれば、印紙を貼る必要があります。

 

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