不動産(戸建・マンション)の購入の際、お部屋の面積が、50㎡以上か未満かによって不動産の税金が大きく変わることをご存知でしょうか。逆にもし50㎡未満だった場合は、税金の優遇を受けることは不可能なのでしょうか。
床面積50㎡以上であるメリット
不動産の床面積が50㎡以上であることが、不動産における税金の優遇を受けることのできる条件の一つとなっており、次の優遇が受けることができます。
●住宅ローン減税(所得税が還ってきます)
●不動産取得税(不動産取得税が安くなります)
●登録免許税(登記費用が安くなります)
●特定居住用財産の買換え特例
●相続時精算課税選択の特例、住宅取得等資金の非課税制度
ここでの「床面積50㎡以上」というのは、どのような不動産を指しているのでしょうか。
専有面積と登記面積での床面積の違い
分譲マンション(区分所有建物)のパンフレットなどに記載されている専有面積○○㎡と登記面積○○㎡では、面積が異なっています。
パンフレットの専有面積は、壁の中心(壁芯[へきしん])を基に計算をしますが、登記簿上の面積は、壁の内側(内法[うちのり])によって計算します。
したがって、登記簿上の面積はパンフレット上の専有面積より少なくなります。不動産における税金の優遇の50㎡は登記簿上の面積で判断します。専有面積50㎡をわずかに上回っているマンションは特に要注意です。それはパンフレットの面積であり、登記簿上の面積が50㎡未満の場合があるからです。
延床面積と課税床面積の違い
各種の不動産の税金には軽減の特例が設けられており、この特例を受けられる一定の条件の一つとして床面積の基準がありますが、この床面積とは延床面積のことを指します。
戸建やマンションのメゾネットタイプの場合には各階の床面積(登記面積)を合計したものが延床面積になります。
一方、マンションの固定資産税・不動産取得税上の床面積は、マンションの共用廊下などの共有部分を加算した床面積を課税床面積として税額を求めます。この明細は固定資産評価証明書(固定資産公課証明書)により知ることができます。
・不動産売買に必要な固定資産評価証明書・公課証明書の取得方法
登録免許税については、登記簿面積>課税床面積の場合は、登記簿面積に割りもどして計算し、登記簿面積<課税面積の場合は課税床面積を採用して計算します。
登記簿面積50㎡未満でも税金が安くなるのか?
上述した通り、不動産の税金の軽減の特例は50㎡以上の床面積に対して適用されます。ただし、マンションの場合は、課税床面積で税額を求めるため、共用部分の面積分が加わる可能性があり、登記簿の床面積が49㎡でも50㎡以上の基準を満たす可能性があります。こちらについては、固定資産評価証明書(固定資産公課証明書)を見て確認すれば良いでしょう。もし「現況床面積」の欄で50㎡以上あれば、各種税金の軽減の特例を受けることができます。