相続空き家の3000万円控除とはなにかわかりやすくまとめた

相続空き家の3000万円控除とはなにかわかりやすくまとめた

不動産を売却して利益が出た場合は、譲渡所得に対してかかる税金(所得税・住民税)、いわゆる譲渡所得税(じょうとしょとくぜい)を納めなければなりません。

譲渡所得税を簡単にいうと次のような税金です。

  • 不動産を売却した利益を譲渡所得といいます。
  • 利益が出ている場合には譲渡所得税・住民税を納めなければなりませんが、損失の場合は必要ありません。
  • 不動産の譲渡所得は、他の所得税と一緒に計算して相殺することは不可能です。
  • 課税方法は所有期間によって異なり、譲渡した年の1月1日現在において、所有期間が5年以下か5年を超えるかにより大きく2つに分けて判断します。
  • 使用の用途を居住用、事業用(非居住用)に分けて、条件が該当する場合には特例や特別控除、繰越控除を受けることができます。

3000万円特別控除とは、居住用の不動産を売却(譲渡)した場合に、所有期間は関係なく譲渡所得(売却代金)から特別控除として最大3,000万円を差し引くことができるという特例です。

3000万円控除(不動産売却の税金)とはなにかわかりやすくまとめた

3000万円控除(不動産売却の税金)とはなにかわかりやすくまとめた

2016.01.30

つまり、3000万円利益が出ていても所得税・住民税はかからないため、本来、譲渡所得税を支払わなければならない人にとっては大きなメリットとなる制度です。

相続した空き家の売却で利益が出た場合、一定の条件を満たしていれば「相続空き家の3000万円特別控除」が適用され税金が安くなります

こちらでは、「相続空き家の3000万円特別控除」についてわかりやすく説明します。

相続空き家の3000万円特別控除とは

近年、「空き家問題」が深刻になってきています。統計局の調査によると2013(平成25)年の空き家は約820万戸であり、これは総住宅数の13.5%にあたります。

そこで、2016(平成28)年に定められたのが「空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例(相続空き家の3000万円控除)」です。

こちらは、亡くなった人(被相続人)が住んでいた家(空き家またはその土地)を相続して、2019(平成31)年までの間に売却するとき、次の条件を全てを満たした空き家の売却利益に対して、3,000万円まで所得税がかからない特別控除を行うものです。

  • 相続開始まで被相続人 (亡くなった人)のみが一人暮らしで住んでいた不動産であること
  • 1981(昭和56)年5月31日以前に建築された建物であること
  • 区分所有建物(マンション)ではないこと
  • 相続開始の日から3年後の年の12月31日までの相続であること
  • 売却代金が1億円を超えないこと
  • 空き家や敷地が、相続または遺贈から譲渡(売却)や除却(建物の取り壊し)までに貸付・事業・居住などに使用されておらず、空き家・空き地のままであること
  • 空き家の場合は、売却のとき地震に対する安全性の規定またはこれに準ずる基準に適合する家屋であること
  • 行政から要件を満たす証明書等が発行されていること

相続開始まで亡くなった人が一人暮らししていたことを証明するには「被相続人居住用家屋等確認書」や被相続人(亡くなった人)の住民票電気ガスの閉栓証明書などが必要です。

老人ホームへの転居で住民票を移したケースなどは次の条件を満たす必要があります。

  1. 被相続人(亡くなった人)が介護保険法に規定する要介護認定などを受け、かつ相続開始の直前まで老人ホームなどに入所していた
  2. 被相続人が老人ホームなどに入所したときから相続開始の直前まで、その家屋が被相続人によって一定の使用がなされ、かつ事業や貸し付け、被相続人以外の者に居住用に利用されていない

譲渡所得税の計算方法についてわかりやすく説明する

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2016.01.24

ここでの空き家とは「被相続人居住用家屋とその敷地の譲渡(建物と土地の売却)」及び「被相続人居住用家屋を除却後にその敷地の譲渡(建物を取り壊した後の土地の売却)」を指します。また、相続財産に係る譲渡所得の課税の特例(取得費加算)との選択適用となります。

次のようなときは、「相続空き家の3000万円特別控除」を受けられません。

  • 親子・配偶者など特別な関係にある人等に対して売却した場合
  • 売却した家屋や敷地等について「相続財産に係る譲渡所得の課税の特例(取得費加算)」など他の特例の適用を受ける場合
  • 同じ被相続人 (亡くなった人)から相続または遺贈により取得した空き家についてすでに特例を受けている場合(1回の相続につき1人1回限り)

また、「相続空き家の3000万円特別控除」を受けるためには、次の書類を用意して確定申告をする必要があります。

  • 譲渡所得の内訳書
  • 売却した家屋・敷地等の登記事項証明書等で「取得事由」「建築年月日」「区分所有建築物かどうか」を明らかにするもの
  • 売却した家屋の所在地を管轄する市区町村等から交付を受けた「非相続人居住用家屋等確認書」
  • 耐震基準適合証明書または建設住宅性能評価書のコピー
  • 売買契約書のコピーなど売却代金が1億円以下であることを明らかにするもの
  • 取得費および譲渡費用の領収書のコピー など