将来、不動産を売るときに買い手がつきやすくなる?フラット35のアシューマブルローンとは?

アシューマブルローン

今まで「フラット50」にしかなかったアシューマブルローンが、「フラット35」に登場したことが業界で話題です。

【フラット35】において長期優良住宅を対象としてアシューマブルローンを導入

【フラット35】の借入対象となる住宅(長期優良住宅)の売却時に、返済中の【フラット35】を住宅購入者へ引き継ぐことができるようになります(引継ぎは1回限り)。このようなローンは、アシューマブルローンと呼ばれています。
住宅購入者は、【フラット35】を利用された方の金利のままで借入れを引き継ぐことができるため、金利上昇局面においては、新規に住宅ローンを借りるよりも低い金利で【フラット35】の返済を引き継ぐことができる場合があります。
本制度のお申込みは、取扱い可能な金融機関に行っていただく必要があります。取扱い可能な金融機関及び制度の詳細は、決まり次第、このサイトでお知らせします。

【フラット35】2017年4月の主な制度変更事項のお知らせ

簡単にいうと、「フラット」の住宅ローンを利用して住宅を購入した人が、ローンが残っている途中で売却した場合、次の購入者にローンの残金を同じ金利の条件で引き継げるというものです(住宅ローンとセットで売却できる)。もちろん、別に強制ではないので、引き継がなくても問題ありません。

まだ、ピンとこない人も多いですよね。もう少しわかりやすく説明しましょう。

 

アシューマブルローンとは?

アシューマブル(assumable)は、(借金などの義務の)引継ぎ可能なという意味であり、アシューマブル・ローンは「債務承継型ローン」と日本語で訳されます。

アシューマブルローン

中古不動産売買時に売主のローンを買主へ引き継げるローンです。売却金額がローン残高より高い場合は買主から売主に売却金額からローン残高を引いた額が支払われ、売却金額がローン残高より低い場合は売主から買主にローン残高から売却金額を引いた額が支払われます。

アシューマブルローン

通常の不動産売買の場合は、買主はその時点における金利の中から住宅ローンを選び借ります。売主は今まで借りていた銀行等にお金を返すのみでした。

アシューマブルローン

このようにアシューマブルローンは、住宅ローンをセットに不動産売買できる画期的な住宅ローンなのです。

 

アシューマブルローンのメリットは?

すでにお気づきの方もいらっしゃると思いますが、次の住宅購入者は、(フラット35の)アシューマブルローンを利用した人(売主)の金利のままで借入れを引き継ぐことができるため、金利上昇している場合においては、新規に住宅ローンを借りるよりも低い金利で、(フラット35の)アシューマブルローンでの返済を引き継ぐことができるのです。

ここでフラット35とはなにか、簡単に説明します。

フラット35とは?

フラット35は、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携してみなさまに提供している長期固定金利住宅ローンです。長期固定金利住宅ローンは、資金のお受取り時に返済終了までのお借入金利、ご返済額が確定する住宅ローンですので、長期にわたるライフプランを立てやすくなります。フラット35は、「ずっと固定金利の安心」で大切なマイホームの取得とその後のライフプランをサポートします。

公式HPより抜粋)

少しわかりにくいので補足すると、フラット35とは、リスクが高いため民間銀行が販売しにくい「長期にわたる固定金利の住宅ローン」を国がリスクを負って、国の「住宅金融支援機構」が販売している住宅ローン商品の名称です。

そんな素晴らしい住宅ローンを国が販売すると民間銀行は勝てません。そのため、住宅金融支援機構では直接顧客に販売することはなく、全国の銀行や金融機関が販売代理店として販売しているため、どこの銀行で申込みしても基本的には同じ商品です。

ただし、フラット35の固定金利には幅が決められており、どの金利にするかは金融機関が選べます。また、金融機関によって事務手数料が異なります。つまり、フラット35を比較検討するときには「最低金利で、事務手数料が安い」金融機関を選ぶ方がお得ということになります。

フラット35金利推移現在は日本銀行の低金利政策もあり、日本史上最低レヴェルの金利水準です(グラフはフラット35の金利推移「ARUHI」調べ)。昨年のマイナス金利政策に伴い0%台の金利水準まで下がっていましたが、現在は1%前半で推移しています。

35年ずっと固定で0%台の金利というのは、どう考えても安いと思いませんか?

例えば、今、物件価格3,000万円で、固定金利1%のフラット35アシュマーブルローンを35年借りたとしましょう。この場合毎月返済は84,685円です。その物件を10年後売るとしましょう。10年後の固定金利は3%だったとします。単純比較として、もし3%で3,000万円借りる場合の毎月返済は115,455円になります。

この結果をみて、どのように思われるでしょうか?次の購入者が住宅ローンを利用する人で、同じような物件があった場合、金利が低い不動産を選ぶと思いませんか?

つまり、フラット35アシューマブルローンは、固定金利で安いだけでなく、所有者にとって将来物件が売れやすくなる可能性を持った売主のためのローンなのです。

もし、今後金利がさらに下がったとしても、購入者はアシューマブルローンを引き継がないという選択ができるのです。

アシューマブルローンを検討される方は、変動金利などと比較して、今の固定金利水準が低いかどうかを自らの選択において決定しなくてはなりませんが、固定金利がお得と思われる方にとっては検討すべき商品でしょう。

ずーっと下がっていた住宅ローンの固定金利はついに底入れして上昇か

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2017.04.02

 

では、なぜフラット50では流行らなかったのか?

ここまで見られた方は「アシューマブルローン最強!」と思われたのではないでしょうか。

しかし、気になることがあります。それは冒頭の文章です。

今まで「フラット50」にしかなかったアシューマブルローンが、「フラット35」に登場したことが業界で話題です。】

実はフラット50は、2009年からアシューマブルローンを取り扱っています。

「なぜ、こんなに素晴らしい商品が今まであったのに流行っていなかったんだ?」そう思われるのは仕方ありません。説明しましょう。理由があります。

そもそもフラット50は名前の通り「最長50年の全期間固定金利」の住宅ローンの商品です。しかし、50年という長期間に及ぶためリスクが大きく、フラット35に比べて条件がかなり厳しいのです。

  • 申込みの年齢が満44歳未満(フラット35は満70歳未満)
  • 完済時の年齢が80歳なので、50年借りるためには30歳で申込みが必要
  • 借入れ可能な金額は100万円〜6,000万円以下で、自己資金が40%必要(フラット35は8,000万円以下・自己資金必要なし)
  • 金利水準がフラット35に比べて約0.5%〜1%高い
  • 取り扱っている金融機関が少ない

特に、自己資金が40%必要というのは致命的です。例えば、3,000万円のマンションを購入したい場合、借りれる最大の金額は1,800万円で、1,200万円は貯金から出さなければなりません。このような理由から流行っていなかったのです。

 

フラット35アシューマブルローンの条件は?

利用条件は通常のフラット35と同じです。

フラット35のご利用条件はこちら

ただし、長期優良住宅の認定を受けた住宅でなければなりません。

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2017.02.05

また、フラット35アシューマブルローンは住宅ローンの借換えには利用できません

開始されたばかりということもあって、フラット35が利用できる金融機関のうち、まだ、フラット35のアシューマブルローンをほとんどの金融機関が取り扱っていないことに注意が必要です。

現在のところ、「フラット35アシューマブルローン」の取扱金融機関はこちらです。

お借入金利については、取扱金融機関に問い合わせてください。

フラット35アシューマブルローンのご案内

 

アシューマブルローン

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ABOUTこの記事をかいた人

坂根大介

イクラ株式会社代表。1986年大阪生まれ。関西大学文学部卒業。野村證券株式会社に入社し、国内リテール業務を経て、その後三井不動産リアルティ株式会社(三井のリハウス)にて不動産売買仲介を行う。不動産売買取引の契約実務や物件調査の経験をもとに、プロ向けに不動産の調査方法や用語解説、不動産市況、一般消費者向けに不動産業界の見えにくくわかりづらい不透明な情報をわかりやすく発信している。 主な資格は、宅地建物取引士、JSHIホームインスペクター、2級FPなど。