長岡京市の立地適正化(コンパクトシティ)計画・居住誘導区域は?

長岡京市の立地適正化(コンパクトシティ)計画・居住誘導区域は?

あなたは、コンパクトシティ計画をご存知でしょうか?

国は「コンパクトシティ」の概念を打ち出し、立地の良い場所に「集まって住む」ことを政策として押し進めようとしています。コンパクトシティ計画のことを正式に「立地適正化計画」といいます。

結論から言うと、立地適正化計画区域内にある居住誘導区域内の不動産価格は維持されますが、居住誘導区域外の不動産価値は下落するのです。

コンパクトシティ・立地適正化計画・居住誘導区域

「コンパクトシティ」「立地適正化計画」「居住誘導区域」という言葉を知らないという方は、こちらを読む前に必ず「コンパクトシティ(居住誘導区域)とはなにか」という記事をご覧ください。

こちらでは、京都府長岡京市の立地適正化(コンパクトシティ)計画・居住誘導区域について最新情報を掲載しています。

これから長岡京市で不動産を購入を検討されている方は、その物件が居住誘導区域内であることを確認すべきですし、長岡京市で不動産を売却する方で、居住誘導区域外の場合は、できるだけ早く売却した方が良いということになります。

長岡京市で、不動産(土地・戸建・マンション)の売却や購入を考えている方にとって、必ず参考になるでしょう。

 

長岡京市の居住誘導区域は?

居住誘導区域とは?

居住誘導区域とは、人の集まる立地の良い住むべき地域として指定され、自治体が人口減少社会の中「人口密度を維持する(人口を減らさない)と宣言する地域」です。これから人口減少が進む中で、インフラや生活サービスを確保し、居住を誘導することで、人口密度を維持または増加させます。人口が維持できると不動産価格も維持できるため、固定資産税収入も確保することが見込めます。

こちらが長岡京市の居住誘導区域です。

長岡京市の居住誘導区域の特徴(平成29年7月現在)

・居住誘導区域は、現状の市街化区域をベースに設定されている

・ただし、市外化区域内であっても、工業専用地域土砂災害特別警戒区域土砂災害警戒区域については居住誘導区域にふくまれない

※詳細の居住誘導区域を調べるためには「長岡京市HP」または市役所の「まちづくり政策室」で確認してください。【問い合わせ先:長岡京市建設交通部まちづくり政策室市街地整備担当(TEL:075-955-9719)】

長岡京市は次の5つのポイントにより、居住誘導区域が設定されています。

長岡市居住誘導区域

1 市街化区域であれば基本的に居住誘導区域

長岡京市では、家を建てても良い地域とされている市街化区域を居住誘導区域のベースとしています。将来にわたり(2040年)生活サービスを持続的に確保できる人口密度(DID[人口集中地区]人口密度が4,000人/k㎡以上となる地区のこと)を維持できるエリアを基本としています。

一方、市街化調整区域は農林漁業を優先する区域であり、居住誘導区域に含まれません。

2 工業専用地域は居住誘導区域に含まれない

大規模な工場は経済活力の点から重要なのは言うまでもなく、税収面からも大きな貢献があります。工業専用地域は、主に工場が立地する地域で法令により住宅の建築が制限されているため、居住誘導区域に含めません。

長岡京市工業系用途地域

一方、工業地域については、工場の他、一定の範囲に住宅地や商業地が形成されています。また準工業地域については、現況ほとんどが住宅地となっています。工業地域と準工業地域は、将来も現況と同様に住宅地・商業地・工業地の混在であることが想定されるため、将来にわたり工業生産環境と居住環境の調和を図ることとし、居住誘導区域に含めます。

3 地区計画で住宅が制限されている地域は居住誘導区域に含まれる

長岡京市の地区計画で住宅の建築が制限されている地区は「開田1丁目地区・天神2丁目地区・東神足地区」の3地区ですが、工場、事務所、研究施設等の他に、店舗や公益上必要と認められる施設及び建築物といった都市機能を用途とすることは認められており、都市機能の誘導を図る区域として設定することから、居住誘導区域に含めます。ただし、住宅の建築はできません。

4 市街化区域でも大規模災害リスクのある場所は居住誘導区域に含まれない

近年の台風の大型化や集中豪雨の増加などにより災害が頻発している中、より安全・安心な居住環境が求められています。

そこで、法令の考えに基いて、土砂災害特別警戒区域土砂災害警戒区域については、区域の指定があった場合居住誘導区域から除外されます。

長岡京市土砂災害特別警戒区域

一方、浸水想定区域については、災害発生時の被害は大きいものの、河川の整備は計画的に進められており、降雨や河川水位の観測体制も一定程度整い、事前の避難が可能なことから居住誘導区域に含まれています。

5 公共交通が一定確保されているエリア

駅勢圏・バス停勢圏(鉄道駅から半径1km圏、バス停から半径200m圏)を基本として区域を設定します。長岡京市では、路線バスが入りにくい細い道などをコミュニティバスが補完しているため、市街化区域のほぼ全域を鉄道、路線バス、コミュニティバスで網羅している状況です。

(「長岡京市立地適正化計画」参照)

 

長岡京市の居住誘導区域に関する不動産重要事項説明

「居住誘導区域」の区域外において、一定の開発行為などを行うときには、市町村長への届出が義務づけられています。届出をしない場合には罰則が課せられるなど、知らないで区域外の土地・建物を購入した人が不測の損害を被るおそれがあるため、こちらの届出義務に関する規定について、不動産売買契約の前に、重要事項説明書に記し、事前に購入者に対して説明する必要があるからです。そもそも、居住誘導区域外と知らず購入することは後々、揉める原因になる可能性もあります。

居住誘導区域外における開発行為等の事前届出義務

立地適正化計画に記載された居住誘導区域外において、一定規模以上の住宅等の開発等を行おうとする者は、当該行為に着手する日の30日前までに、当該行為の種類、場所、設計または施行方法、着手予定日等の事項を市町村長に届け出なければならない。またその届出をした者が、届出事項のうち一定の事項を変更しようとするときにも、当該事項の変更に係る行為に着手する日の30日前までに、その旨を市町村長に届け出なければならない。

都市再生特別措置法第88条第1・2項

不動産の重要事項説明書における「都市再生特別措置法」とはなにか

不動産の重要事項説明書における「都市再生特別措置法」とはなにか

2016.05.09
居住誘導区域内における制限行為

①開発行為の場合

・3戸以上の住宅の建築を目的とする開発行為
・1戸または2戸の住宅の建築を目的とする開発行為で、その規模が1,000㎡以上のもの

②建築等行為の場合

・3戸以上の住宅を新築しようとする場合
・建築物を改築し、または建築物の用途を変更して3戸以上の住宅とする場合

詳しくは長岡京市HP「長岡京市立地適正化計画の策定及び各誘導区域外における開発行為等の事前届出制度の開始について」をご参照ください。

 

長岡京市の現状

長岡京市の将来人口推計では、2015(平成27)年をピークに人口が減少し、2040(平成52)年には約7.3万人と人口減少が予測されています。また、高齢化率は2040(平成52)年に33.2%になると推計されており、少子高齢化が加速されると予測されています。

長岡京市人口推移

そのため、市民税の減少や社会保障費の増加、人口急増期に整備した多くの公共施設等の老朽化対策など、本市の行財政運営を取り巻く環境は極めて厳しくなることが予想されています。

人口集中地区の人口密度は2010(平成22)年において8120人/k㎡ですが、2040(平成52)年でも7400人/k㎡でと、市街地全体で高い人口密度を維持すると推計されています。

長岡京市人口密度

さらに町丁目ごとの将来人口推計をみても、全体的に人口密度は減少傾向にありますが、2040(平成52)年でもDID(人口密度が4,000/k㎡以上となる地区)を維持することが推計されます。人口密度がDIDを下回るエリアは、長岡天満宮、大規模な工業用地、農地を含んでいることが要因ですが、大幅に低下するエリアが生じる可能性もあります。

(「長岡京市立地適正化計画」参照)

 

長岡京市の立地適正化計画の方向性

長岡京市は人口減少・少子高齢化に対応した取り組みとしてコンパクトなまちづくりを進めて「歩いて暮らせるまちづくり」「より利便性の高い生活を支える機能づくり」を実現していくことが必要です。長岡京市は立地適正化(コンパクトシティ)計画の方向性として次のようなことを掲げています。

・子育て環境の充実と高齢期の豊かな暮らしを支える環境の充実

まちづくりの方針である「都市活力が保たれた”選ばれるまち”」の実現に向けては、子どもから高齢者までのすべての人にとって安心・安全で快適に暮らせるまちの実現が欠かせません。そのため、将来の少子高齢化の進行に備え、特に子育て環境と、高齢期の豊かな暮らしを支える環境の充実を図っていきます。子育ての環境の充実に向けては、子育て支援施設の整備・充実、子育てに関する相談・支援・交流の場の提供などの充実を図ります。また、高齢期の豊かな暮らしを支える環境の充実に向けては、高齢者の健康増進と生きがいづくりの支援や、医療・介護の充実などを図ります。

・生活サービス施設の計画的な立地誘導

上記とともに、市民の日常生活に必要な生活サービス施設を計画的に立地誘導して、生活利便性の維持・向上を図ります。具体的には、生活サービス施設を立地誘導し効率的に生活サービスを提供する区域(都市機能誘導区域)と立地誘導する生活サービス施設(誘導施設)を設定するとともに、生活サービスを持続的に確保できるよう人口密度を維持するために、居住を誘導する区域(居住誘導区域)を設定します。立地誘導する生活サービス施設は、各施設の特性や立地・充足状況等を勘案しながら、「中心拠点」を中心に設定する都市機能誘導区域に集約して立地誘導した方がよい施設と、居住誘導区域全体に点在するよう立地誘導した方がよい施設とに分けて、計画的な立地誘導を図ります。

・子育て世代の移住・定住促進

まちづくりの方針である「都市活力が保たれた”選ばれるまち”」の実現により、本計画の目標年次である2030年の人口「8万人」の達成を目指す中で、特に京都と大阪の両都市への交通アクセスに恵まれた立地特性を活かし、子育て世代(20〜40代)の移住・定住を促進していきます。子育て世代の移住・定住の受け皿は「中心拠点」とその周辺に広がる市街化区域の住宅地において設定する居住誘導区域とし、戸建住宅等の空き家などのストックを活用しながら居住誘導を図ります。

(「長岡京市立地適正化計画」参照)

 

長岡京市の都市機能誘導区域は?

都市機能誘導区域とは?

都市機能誘導区域とは、生活サービスの効率的な提供が図られるよう、居住誘導区域の中に、役所、学校、商業施設、医療・福祉施設、保育施設などの生活利便施設を集約させたエリアです。

居住誘導区域内において、生活利便施設の誘導を図る区域として、「中心拠点型都市機能誘導区域」、「生活拠点型都市機能誘導区域」の2種類の都市機能誘導区域を設定しています。

長岡京市都市機能誘導区域

①中心拠点型都市機能誘導区域

都市機能誘導区域は、市民の日常生活に必要な都市機能を、居住地から徒歩や自転車、公共交通によりアクセスしやすい鉄道駅周辺などの都市の中心拠点に誘導し集約することにより、各種サービスの効率的な提供を図り、市民の生活利便性を高めるとともに、都市の活力を維持・向上させることを目的に設定します。

都心拠点であるJR長岡京駅及び阪急長岡天神駅周辺を含む「都心ゾーン」、広域交通拠点であり活発な交流が展開されるような都市機能の誘導を目指す阪急西山天王山駅及び高速長岡京バスストップ周辺を含む「交流拠点ゾーン」を中心拠点にします。

②生活拠点型都市機能誘導区域

市民の日常生活に必要な都市機能のうち、都市の拠点に集約するよりも、住まいの身近に立地したほうが、より市民の生活利便の向上が図られる都市機能については居住誘導区域と同じ範囲で設定します。なお、居住誘導区域に変更が生じた場合は、併せて生活拠点型都市機能誘導区域も変更します。

(「長岡京市立地適正化計画」参照)

長岡京市の都市機能誘導区域に関する不動産重要事項説明

誘導施設について、設定されている都市機能誘導区域外で開発または建築を行う場合は、届出が必要です。

設定されている誘導施設一覧は次のとおりです。

長岡京市誘導施設

都市機能誘導区域外における開発行為等の事前届出義務

立地適正化計画に記載された都市機能誘導区域外において、誘導施設を有する建築物の開発等を行おうとする者は、当該行為に着手する日の30日前までに、当該行為の種類、場所、設計または施行方法、着手予定日等の事項を市町村長に届け出なければならない。 またその届出をした者が、届出事項のうち一定の事項を変更しようとするときにも、当該事項の変更に係る行為に着手する日の30日前までに、その旨を市町村長に届け出なければならない。

都市再生特別措置法第108条第1・2項

①開発行為の場合

・誘導施設を有する建築物の建築を目的とする開発行為

②建築等行為の場合

・誘導施設を有する建築物を新築しようとする場合
・建築物を改築し、誘導施設を有する建築物とする場合
・建築物の用途を変更し、誘導施設を有する建築物とする場合

詳しくは長岡京市HP「長岡京市立地適正化計画の策定及び各誘導区域外における開発行為等の事前届出制度の開始について」をご参照ください。

 

長岡京市の立地適正化(コンパクトシティ)計画・居住誘導区域は?

ABOUTこの記事をかいた人

坂根大介

イクラ株式会社代表。1986年大阪生まれ。関西大学文学部卒業。野村證券株式会社に入社し、国内リテール業務を経て、その後三井不動産リアルティ株式会社(三井のリハウス)にて不動産売買仲介を行う。不動産売買取引の契約実務や物件調査の経験をもとに、プロ向けに不動産の調査方法や用語解説、不動産市況、一般消費者向けに不動産業界の見えにくくわかりづらい不透明な情報をわかりやすく発信している。 主な資格は、宅地建物取引士、JSHIホームインスペクター、2級FPなど。