大和市の立地適正化(コンパクトシティ)計画・居住誘導区域は?

大和市の立地適正化(コンパクトシティ)計画・居住誘導区域は?

あなたは、コンパクトシティ計画をご存知でしょうか?

国は「コンパクトシティ」の概念を打ち出し、立地の良い場所に「集まって住む」ことを政策として押し進めようとしています。コンパクトシティ計画のことを正式に「立地適正化計画」といいます。

結論から言うと、立地適正化計画区域内にある居住誘導区域内の不動産価格は維持されますが、居住誘導区域外の不動産価値は下落するのです。

コンパクトシティ・立地適正化計画・居住誘導区域

「コンパクトシティ」「立地適正化計画」「居住誘導区域」という言葉を知らないという方は、こちらを読む前に必ず「コンパクトシティ(居住誘導区域)とはなにか」という記事をご覧ください。

こちらでは、神奈川県大和市の立地適正化(コンパクトシティ)計画・居住誘導区域について最新情報を掲載しています。

これから大和市で不動産を購入を検討されている方は、その物件が居住誘導区域内であることを確認すべきですし、大和市で不動産を売却する方で、居住誘導区域外の場合は、できるだけ早く売却した方が良いということになります。

大和市で、不動産(土地・戸建・マンション)の売却や購入を考えている方にとって、必ず参考になるでしょう。

 

大和市の居住誘導区域は?

居住誘導区域とは?

居住誘導区域とは、人の集まる立地の良い住むべき地域として指定され、自治体が人口減少社会の中「人口密度を維持する(人口を減らさない)と宣言する地域」です。これから人口減少が進む中で、インフラや生活サービスを確保し、居住を誘導することで、人口密度を維持または増加させます。人口が維持できると不動産価格も維持できるため、固定資産税収入も確保することが見込めます。

こちらが大和市の居住誘導区域です。

大和市の居住誘導区域の特徴(平成29年3月現在)

・居住誘導区域は、現状の市街化区域をベースに設定されている

・ただし、市街化区域内であっても、土砂災害警戒区域については居住誘導区域にふくまれない

※詳細の居住誘導区域を調べるためには「大和市HP」または市役所の「街づくり総務課」で確認してください。【問い合わせ先:大和市役所街づくり計画部街づくり総務課街づくり調査担当(TEL:046-260-5444)】

大和市は次の3つのポイントにより、居住誘導区域が設定されています。

大和市居住誘導区域

1 市街化区域であれば基本的に居住誘導区域

大和市では、家を建てても良い地域とされている市街化区域を居住誘導区域のベースとしています。

一方、市街化調整区域は農林漁業を優先する区域であり、居住誘導区域に含まれません。(大和市公開型地図情報サービスで調べることができます。)

2 市街化区域でも大規模災害リスクのある場所は居住誘導区域に含まれない

近年の台風の大型化や集中豪雨の増加などにより災害が頻発している中、より安全・安心な居住環境が求められています。

そこで、法令の考えに基いて、土砂災害特別警戒区域土砂災害警戒区域については、区域の指定があった場合居住誘導区域から除外されます(大和市で2017年3月現在指定されているのは、土砂災害警戒区域のみです。「神奈川県土砂災害情報ポータル」で確認してください。)。

大和市においては、河川の沿川地域等の急傾斜地が土砂災害警戒区域に指定されています。これらの急傾斜地は、現実的に住宅用地として利用される見込みの低い土地となっています。

大和市災害ハザード

一方、市内を流れる境川及び引地川の浸水想定区域については、災害発生時の被害は大きいものの、河川の整備は計画的に進められており、降雨や河川水位の観測体制も一定程度整い、事前の避難が可能なことから居住誘導区域に含まれています。

3 各駅と各バス停から徒歩圏、もしくは人口密度が維持される地域であることが重要

大和市民が、駅周辺の日常生活サービス施設を利用するためには、居住地から公共交通ネットワークにより拠点に接続できることが重要です。居住誘導区域は鉄道駅(800m)及びバス停(300m)の徒歩圏であることが望まれます。

もしくは、生活サービス水準の維持・向上を念頭に、将来にわたり現状の人口密度を維持することを基本とし、2010 年現在の人口密度が40人/ha(=DID[人口集中地区]:人口密度が4,000人/k㎡以上となる地区のこと))以上の地域としています。

(「大和市立地適正化計画」参照)

 

大和市の居住誘導区域に関する不動産重要事項説明

「居住誘導区域」の区域外において、一定の開発行為などを行うときには、市町村長への届出が義務づけられています。届出をしない場合には罰則が課せられるなど、知らないで区域外の土地・建物を購入した人が不測の損害を被るおそれがあるため、こちらの届出義務に関する規定について、不動産売買契約の前に、重要事項説明書に記し、事前に購入者に対して説明する必要があるからです。そもそも、居住誘導区域外と知らず購入することは後々、揉める原因になる可能性もあります。

居住誘導区域外における開発行為等の事前届出義務

立地適正化計画に記載された居住誘導区域外において、一定規模以上の住宅等の開発等を行おうとする者は、当該行為に着手する日の30日前までに、当該行為の種類、場所、設計または施行方法、着手予定日等の事項を市町村長に届け出なければならない。またその届出をした者が、届出事項のうち一定の事項を変更しようとするときにも、当該事項の変更に係る行為に着手する日の30日前までに、その旨を市町村長に届け出なければならない。

都市再生特別措置法第88条第1・2項

不動産の重要事項説明書における「都市再生特別措置法」とはなにか

不動産の重要事項説明書における「都市再生特別措置法」とはなにか

2016.05.09
居住誘導区域内における制限行為

①開発行為の場合

・3戸以上の住宅の建築を目的とする開発行為
・1戸または2戸の住宅の建築を目的とする開発行為で、その規模が1,000㎡以上のもの

②建築等行為の場合

・3戸以上の住宅を新築しようとする場合
・建築物を改築し、または建築物の用途を変更して3戸以上の住宅とする場合

詳しくは大和市HP「各種手続きについて(街づくり計画課都市計画担当)」をご参照ください。

 

大和市の現状

大和市は、1929年(昭和4年)の小田急江ノ島線開通に伴う沿線都市開発、「林間都市計画」に端を発し、古くから住宅都市としての基盤が形成されてきました。東京都心や横浜市中心部からのアクセスの良さを背景に都市化が進み、市制施行から現在に至るまで一貫して人口が増加しており、2010年の国勢調査で228,186人、2015年の国勢調査で232,922人となっています。2015年をピークに人口減少すると予測されていますが、急激な人口減少とはならず、当分の間、総人口はおおむね維持される見通しです。

ただし、今後は15歳未満の年少人口及び15〜64歳の生産年齢人口の減少と、65 歳以上人口の急増が予測されており、高齢化率は 2010年の19.4%から2040年には33.8%と高齢化が進行することが予測されています。

大和市人口推移

そのため、社会保障費の増加、公共施設等の老朽化対策など、本市の行財政運営を取り巻く環境は極めて厳しくなることが予想されています。

大和市には、小田急江ノ島線、東急田園都市線、相模鉄道本線の3つの鉄道が乗り入れており、中央林間駅、つきみ野駅、南林間駅、鶴間駅、大和駅、桜ヶ丘駅、高座渋谷駅、相模大塚駅の8駅が配置されています。大和市は医療、福祉、商業等の生活サービス施設が充実し、市域の大部分がこれらの施設を徒歩で利用できる環境にあり、生活利便性の高い環境が形成されています。

また、神奈川中央交通、相鉄バスが運行する民間路線バスのほか、市のコミュニティバス「のろっと」が北部、南部の2ルートで、「やまとんGO」が中央林間西側、相模大塚、深見、桜ヶ丘の4地域で運行しています。一方で、人口減少が見込まれる地域では、民間路線バスの路線縮小など公共交通サービス水準の低下が懸念されます。

(「大和市立地適正化計画」参照)

 

大和市の立地適正化計画の方向性

大和市は「都市の主人公である『人(市民)』、人々の暮らしと活動を支える場としての『まち』、そして、人と人とのつながりのあるコミュニティとしての『社会』が、互いにかかわりあい、高齢化や年少人口及び生産年齢人口の減少が進行するなかでも『健康な人口』と、健やかで康やすらかな生活をもたらす『健康創造都市 やまと』の実現を目指す。」を掲げて、目標実現のために、立地適正化(コンパクトシティ)計画の方向性として次のようなことを掲げています。

①⾼齢化進⾏地域の若返りを念頭に置いた⼈⼝誘導による地域間⼈⼝バランスの確保

北部、中部、南部と地域ごとの高齢化率・年少人口比率等の動向に応じた人口誘導を図ると同時に、これらと密接に関係し、その下支えとなっている公共交通網(路線バス、コミュニティバス等)や、日常生活に必要となる生活サービス施設(医療施設、福祉施設、商業施設等)が充実した、現在の利便性の高い環境を維持していくことで地域間人口バランスのとれたまちの実現を目指します。

大和市立地適正化計画基本方針

【誘導施策の方向性】

・人口誘導の短期・中期的な取組としては、早期に高齢化や人口減少が進むと予測される南部地域への居住誘導を重点的に進め、長期的な視点からは中部・北部地域についても地域の人口動向を踏まえた居住誘導を図ることにより、将来にわたる地域間人口バランスの確保につなげます。

・公共交通網や生活サービス施設については、今後の少子高齢化の進行や、子育て世代を中心とした生産年齢人口の定住と呼び込みによる需要の増加が見込まれることから、現在の利便性の高い環境の維持と更なる充実を図ります。

②⼦育て世代を中⼼とした⽣産年齢⼈⼝の定住と呼び込みによる世代間⼈⼝バランスの確保

大和市立地適正化計画基本方針

今後の少子高齢化の進行を踏まえると、地域間の人口バランスのみならず人口の年齢構成バランスの確保も重要となります。子育て世代を中心とした生産年齢人口の定住志向を高めつつ、市外からの転入を呼び込むことで世代間人口バランスのとれたまちの実現を目指します。

【誘導施策の方向性】

・「やまと軸」上の駅や駅周辺における都市機能の維持と更なる充実により、拠点としての強化と駅チカ保育施設や子育て支援施設の整備など、子育て環境の充実を図ります。

・こうしたことで、本市が魅力的で「子育てしやすいまち・子育てしたくなるまち」であることを発信・PRし、子育て世代を中心とした生産年齢人口の定住や市外からの転入の呼び込みにつなげていきます。

・工業系用途地域内等に存在しているまとまった企業用地は、既存の操業環境の維持や起業家支援・企業誘致の受皿として活用することで地域活力を創出し、安定した市民生活につなげていきます。

(「大和市立地適正化計画」参照)

 

大和市の都市機能誘導区域は?

都市機能誘導区域とは?

都市機能誘導区域とは、生活サービスの効率的な提供が図られるよう、居住誘導区域の中に、役所、学校、商業施設、医療・福祉施設、保育施設などの生活利便施設を集約させたエリアです。

居住誘導区域内において、生活利便施設の誘導を図る区域として、「やまと軸」(小田急江ノ島線沿線地域)上に位置する中央林間駅南林間駅鶴間駅大和駅桜ヶ丘駅高座渋谷駅を中心とした区域に都市機能誘導区域を設定しています。

また、区域の範囲は、今後の少子高齢化の進行を見据え、高齢者の徒歩圏となる駅から半径500m程度を基本としています。

大和市都市機能誘導区域

(「大和市立地適正化計画」参照)

大和市の都市機能誘導区域に関する不動産重要事項説明

誘導施設について、設定されている都市機能誘導区域外で開発または建築を行う場合は、届出が必要です。

設定されている誘導施設一覧は次のとおりです。

大和市誘導施設

都市機能誘導区域外における開発行為等の事前届出義務

立地適正化計画に記載された都市機能誘導区域外において、誘導施設を有する建築物の開発等を行おうとする者は、当該行為に着手する日の30日前までに、当該行為の種類、場所、設計または施行方法、着手予定日等の事項を市町村長に届け出なければならない。 またその届出をした者が、届出事項のうち一定の事項を変更しようとするときにも、当該事項の変更に係る行為に着手する日の30日前までに、その旨を市町村長に届け出なければならない。

都市再生特別措置法第108条第1・2項

①開発行為の場合

・誘導施設を有する建築物の建築を目的とする開発行為

②建築等行為の場合

・誘導施設を有する建築物を新築しようとする場合
・建築物を改築し、誘導施設を有する建築物とする場合
・建築物の用途を変更し、誘導施設を有する建築物とする場合

詳しくは大和市HP「各種手続きについて(街づくり計画課都市計画担当)」をご参照ください。

 

大和市の立地適正化(コンパクトシティ)計画・居住誘導区域は?

ABOUTこの記事をかいた人

坂根大介

イクラ株式会社代表。1986年大阪生まれ。関西大学文学部卒業。野村證券株式会社に入社し、国内リテール業務を経て、その後三井不動産リアルティ株式会社(三井のリハウス)にて不動産売買仲介を行う。不動産売買取引の契約実務や物件調査の経験をもとに、プロ向けに不動産の調査方法や用語解説、不動産市況、一般消費者向けに不動産業界の見えにくくわかりづらい不透明な情報をわかりやすく発信している。
主な資格は、宅地建物取引士、JSHIホームインスペクター、2級FPなど。