2016年の人口(不動産)の移動は引き続き「都心回帰」の流れでした

都心回帰

日本の人口が減少し始めている中、都心回帰の流れは変わらないみたいです。

総務省が31日発表した住民基本台帳に基づく2016年の人口移動報告(外国人を除く)によると、東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)は、転入者が転出者を上回る「転入超過」が前年より1489人少ない11万7868人だった。東京圏への転入超過は21年連続。数は5年ぶりに減少したが、一極集中の傾向は続いている

16年に都道府県をまたいで引っ越し、転入届を出した日本人を集計した。東京圏への転入超過数は、景気の悪化や東日本大震災の影響などで11年まで減少したが、その後は再び増加傾向にあった。今回、転入超過数が減ったことについて、総務省は「就職や結婚などで移動する若者が少子高齢化で減少している」(統計局)と分析する。

名古屋圏(愛知県、岐阜県、三重県)と大阪圏(大阪府、兵庫県、京都府、奈良県)はともに4年連続で転出者が転入者を上回る転出超過だった。都道府県別でみると、転入超過は多い順に東京、千葉、埼玉、神奈川、愛知、福岡、大阪の7都府県。残る40道府県は転出超過で、最多は北海道。沖縄県は2年ぶりに転出超過に転じた。

東日本大震災の被災3県は流出が加速している。岩手、宮城、福島3県の転出超過は合計1万192人と、前年より3599人増えた。転出超過数の増加幅が全国で最も大きかった福島県は、避難した人の帰還の動きが一服しつつあるとみられる。増加幅が2番目に大きかった熊本県は、4月の地震の影響で転出者が転入者を6791人上回り、昨年より2858人多かった。

都道府県をまたぐ移動は進学や就職、結婚を機に転居することの多い20代、次いで30代、40代が多い。平均所得が高く生活が便利な都市部への若者の流出は止まらない

東京をはじめ中核都市の人口集中は都市の国際競争力を高め、効率的な経済活動を営むうえで有益との指摘がある。一方で地方から若者の流出が進めば、地方が自立した経済活動を維持できなくなる懸念も多い。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長は「地方自らが地域ならではの魅力を磨いて発信しなければ、若者の流出を止めるのは難しい」と語る。

転入・転出の状況[2016年、単位は人、▲は転出超]
東京都 74,177 富山県 ▲1,004 長野県 ▲2,680 秋田県 ▲4,398
千葉県 16,075 香川県 ▲1,101 群馬県 ▲2,736 鹿児島県 ▲4,473
埼玉県 15,560 島根県 ▲1,252 栃木県 ▲2,988 岐阜県 ▲5,031
神奈川県 12,056 鳥取県 ▲1,310 三重県 ▲3,597 長崎県 ▲5,573
愛知県 6,265 徳島県 ▲1,748 奈良県 ▲3,619 福島県 ▲5,839
福岡県 5,732 福井県 ▲1,820 山形県 ▲3,639 新潟県 ▲6,189
大阪府 1,794 岡山県 ▲1,973 愛媛県 ▲3,647 青森県 ▲6,323
沖縄県 ▲272 山梨県 ▲2,011 茨城県 ▲3,709 静岡県 ▲6,390
宮城県 ▲483 広島県 ▲2,136 山口県 ▲3,801 兵庫県 ▲6,760
滋賀県 ▲706 高知県 ▲2,265 岩手県 ▲3,870 熊本県 ▲6,791
京都府 ▲750 佐賀県 ▲2,300 和歌山県 ▲3,894 北海道 ▲6,874
石川県 ▲811 大分県 ▲2,608 宮崎県 ▲4,288

(2017年2月1日日本経済新聞3面抜粋)

近畿について詳しくみると以下のようです。

総務省が31日発表した住民基本台帳に基づく2016年の人口移動報告では、大阪府を除く近畿5府県が転出超過となった。大阪府は2年連続の転入超過だが、超過数は1749人と15年に比べて502人減った。京都府と兵庫県の転出超は5年連続となる。

大阪府では高層マンション建設が活発な大阪市が9474人の転入超だった全国の市町村別の超過数で東京都区部に次ぐ2位に入った。市によると「都心回帰で市内中心部に人口流入が続いている」(統計調査担当)。

一方、転出超過数でも東大阪市が全国4位、寝屋川市が7位、堺市が10位に入り、市町村別の格差が鮮明になった。東大阪市は1507人の転出超。同市幹部は「狭い住宅が多く、新しい住民をひき付ける魅力が足りない」と危機感を示す。

京都府は750人の転出超で、超過数は15年に比べて471人増えた。「京都市内は住民が増加傾向にあるが、府北部や南部で減少している地域がある」と分析している。

兵庫県は6760人の転出超で、超過数は北海道と熊本県に次いで全国3番目に多い。ただ超過数は5年ぶりに減り、県統計課は「超過数の拡大に歯止めがかかる兆し」とみている。

滋賀県は706人と4年連続の転出超だが超過数は1281人減った。県企画調整課は「子育て支援や新産業創出の取り組みが徐々に実っている」と話す。奈良県は3619人、和歌山県は3894人の転出超だった。

(2017年2月1日日本経済新聞朝刊35面抜粋)

東京圏への人口流入及び、地方でも都市への都心回帰の流れは止まらないと思われます。人口が増加している状態であれば、山を切り開いて宅地造成する必要がありますが、もうそれも必要ありません。そうなると利便性の高い、都心へと人口が集中するのは自然の流れといえます。

くしくも国もコンパクトシティーを推し進めています。

国がコンパクトシティーを後押し≒土地の価格上昇は厳しい?

2017.01.06

ただ、都道府県の中でも市町村別の格差が激しくなっているところが気になります。子育てや教育を含めて、その市に居住するメリットがないと選択されない時代になってきています。

「母になるなら」をキャッチフレーズに子育て世代の誘致に力を入れてきた千葉県流山市が、予想以上の人口流入に当惑している。東京都心まで20~30分という利便性と手厚い子育て支援策にひかれ移り住む若い世代が市の想定を超え、受け皿が満杯に。一部では「急激な人口増に歯止め策を」という声も出てきた。

「まさか年内とは」。流山市が昨年11月に実施した「人口18万人到達日予想クイズ」。年明けだろうとにらんでいた市の読みが外れ、締め切りのわずか3日後、12月3日には大台を突破してしまった。人口は昨年だけで5千人近く増えた。

かつて江戸川の水運で栄えた千葉県北西部の流山市。人口増加は2005年のつくばエクスプレス(TX)の開通がきかっけだ。15万人台で推移していた人口は09年には16万人を突破。宅地開発の好機と捉えた市は、自治体では珍しいマーケティング担当者を置き共働き世代に的を絞った移住促進を進めた。

18万人突破は「子育て世代に流山市が選ばれた結果」(井崎義治市長)とも評価できるが、急激な流入増が生むひずみも見えてきた。「子育て支援策にひかれるが、調べてみるとそう簡単ではないみたいで」。同市移住を考えている30代の夫婦はこう打ち明ける。

流山市内にある保育園(小規模保育所を含む)は現在38園で定員は4091人。今年4月には8園が新設され、707人の定員が増えるが、それでも追いつかない。昨年4月、市内の待機児童数は1年前の3倍近い146人に急増。市は「この先10年近くは高い保育需要が続く」と見る。

しかし、需要増に応えるには流山ならではの困難が伴う。「都心至近」は「我々には人材流出のきっかけでしかない」と市内の保育園経営者は嘆く。全国的な保育士不足を背景に「より有利な条件を求めて給与の高い東京都内などに転職する保育士が目立っている」。交通至便ゆえの悩みだ。

しわ寄せは小学校にも及ぶ。共働き世帯向けのマンション建設が続くTX・流山おおたかの森駅の近くに15年4月に開校した「おおたかの森小学校」。転入世帯の急増で開校の翌年に増築を決定した。

同駅周辺では、市が把握しているだけで合計1400戸近いマンション建設計画が進んでいる。このまま児童が増え続ければ、増築では限界がある。井崎市長は12月、小学校の新設を検討すると市議会で表明した。全国で進む少子高齢化の中では異例の決断だ。

流山おおたかの森駅を午前中訪ねると、保育士に手を引かれた子どもたちの歓声が響く。今は若くエネルギーがある街も、いずれ、人口減少と急速な高齢化に直面する。その時を見据え、切り替えを今からどう準備するかが次の課題だ。

(2017年1月17日日本経済新聞朝刊抜粋)

つくばエクスプレス流山市

人口が減るとそれだけ不動産の需要が減るため不動産価格にも影響を及ぼします。不動産の価格は、大きくみて面積・築年数・駅までの距離の三条件で決まりますが、加えて「子育ての環境の良さ」についても、住まいを決める上で今後ますます大きなウエイトを占めそうです。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

坂根大介

イクラ株式会社代表。1986年大阪生まれ。関西大学文学部卒業。野村證券株式会社に入社し、国内リテール業務を経て、その後三井不動産リアルティ株式会社(三井のリハウス)にて不動産売買仲介を行う。不動産売買取引の契約実務や物件調査の経験をもとに、プロ向けに不動産の調査方法や用語解説、不動産市況、一般消費者向けに不動産業界の見えにくくわかりづらい不透明な情報をわかりやすく発信している。 主な資格は、宅地建物取引士、JSHIホームインスペクター、2級FPなど。