対象不動産に含まれる私道負担の現地調査方法

対象不動産に含まれる私道負担の現地調査方法

(※この記事は、筆者のベテラン君が実際に不動産会社から依頼を受けた「物件調査・重説作成」案件をもとに、調査や重説作成のポイントをわかりやすく説明するものです。)

こちらの記事では、対象不動産に、含まれる私道と含まれない私道について、物件調査のポイントをわかりやすく説明しています。

私道負担(しどうふたん)とはなにか?

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2018.06.05

公道とは?私道とは?契約書や重説における定義について

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2018.06.04

(現地とビデオ通話がつながっています。)

不動産営業
ベテラン君、こんにちは。
今回の物件は、建物が相当古いので、建て替え用地として取引する予定です。物件の北側は位置指定道路ですが、道路調査で接道義務を満たすことは確認しました。
今日は、私道に関する調査をしたいので、アドバイスよろしくお願いします!

位置指定道路

道路位置指定図

ベテラン君
なるほどね。では、まず本物件に私道負担があるか、調べてみましょう。
敷地の周り間を測って、地積測量図と照合してください。
角地ですから隅切り部分も計測してくださいね。

周り間

地積測量図

公共枡

不動産営業
レーザー距離計を使って敷地の周り間を測りました。
不動産営業
(こちらのレーザー距離計は、80mまで測定することができるほかに、角度センサー内蔵で傾斜測定も可能なため、簡易に床などの傾きを見ることもできます。)
不動産営業
計測結果のメモと地積測量図を照らし合わせると・・・こんな感じです。

現況と地積測量図

ベテラン君
そうすると、この部分が私道負担と考えられますね。ここは「道路」の一部ですから建築が制限されます

有効敷地

ベテラン君
物件の購入判断にも影響する大切な事項ですから、重要事項説明の際には、私道負担があること、およびその位置と面積を説明しなければなりません。

【ワンポイント】私道負担とは

私道負担とは要するに、自分の土地の一部を道路として提供することです。
例えば、土地100㎡のうち私道負担が20㎡含まれる場合、この20㎡の部分は道路ですから建物を建築できません。建ぺい率や容積率も20㎡を除いて計算されます。所有する土地の面積が100㎡であっても、80㎡の部分しか建築に利用できないという制限(=負担)があるわけです。(私道負担を除いた土地面積80㎡を「有効敷地面積」などといいます。)
そのため、不動産売買においては、土地利用に制限があることを買主に説明しなければならないので、重要事項説明の際に「私道負担に関する事項」を説明します。説明すべき内容は、私道負担の有無と私道負担がある場合、その位置と面積です。

「私道に関する負担等に関する事項」とはなにか

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2016.07.16
不動産営業
わかりました。じゃあ、事務所に戻って敷地概略図を作成して、私道負担の面積も計算してみます。
私道負担の調査って、意外と簡単ですね。
ベテラン君、今日はありがとうございました。
ベテラン君
ちょっと待って!
対象物件の私道負担だけを調べて終わりですか?
不動産営業
えっ?
でも確か、重要事項説明書では「対象不動産に含まれる私道」の内容を説明することになっていますよね。

ベテラン君
公図と謄本をみると、道路部分にあたる地番42番は、所有者が△△不動産となっていますから、この位置指定道路は私道ですよ。

私道

不動産営業
あっ!
そういえば、重要事項説明書には「対象不動産に含まれない私道」を説明する項目がありました。
ベテラン君
今回のように対象物件に接する私道が他人の所有地であれば、この物件を購入した人は、例えば、この私道を通行したり、埋設管工事のために掘削する際に、私道所有者の承諾を得る必要があります。そのことを重要事項説明書に記載して説明しなければいけません。

対象不動産に含まれる私道に関する負担の内容2

不動産営業
ベテラン君、ありがとうございました。早く事務所に戻って、重要事項説明書を作ります。
ベテラン君
ちょっと待って!
私道負担があるのは、この物件だけですか?
例えば隣地などは私道負担がありませんか?

私道負担

不動産営業
なるほど。
地番47番の土地に私道負担があれば、対象物件の利用に密接な関係がありますから、「対象不動産に含まれない私道」として説明すべきですね。

対象に含まれない私道

不動産営業
おかげさまで、私道に関する調査を漏れなく終えることができました。
ベテラン君、ありがとうございました。
ベテラン君
忙しいのはわかるけど、慌てないで。営業は大胆に。でも調査は慎重に。
道路をはさんで物件の対面側についても調べなきゃ。

対面側調査

不動産営業
あっ!!!
ベテラン君
対面側の調査は、ベテランでもうっかり見落とす人がいます。
もう一度、公図を見てください。
地番48の物件を調査する場合、要約書や地積測量図などの資料を取得する際には、本物件以外に、少なくとも地番18、19、22、42、47などの資料も取得すべきでしょう。

公図

ベテラン君
今回、対面側の地積測量図は取得できなかったのですが、「建物図面」を取り寄せてみました。古い年代の図面ですから少し分かりにくいですが、よーく見てください。

建物図面

不動産営業
どうやら、対面側の土地にも私道負担がありそうですね。
もし、私道負担があれば・・・。対象物件の利用に密接な関係がありますから、「対象不動産に含まれない私道」として説明すべき、です。
今回の物件について、私道に関する調査事項がおおむね理解できました。
もう、事務所に戻って大丈夫・・ですね。

私道負担対面側

仲介担当者のための物件調査の実践アドバイス
対象不動産に含まれる私道と含まれない私道

私道に関する調査は、対象物件のみならず、隣地や道路の対面側の調査も必要です。
調査対象地の要約書や地積測量図、建物図面、建築計画概要書、位置指定図面、分譲時の区画図その他、取得できるものは全て取得してください。
例えば、今回の物件のように前面の位置指定道路には、隣地や対面側の敷地の一部が含まれているケースもあります。これらの私道所有者に対して、道路の通行や掘削の承諾を得なければならない場合もあります。
重要事項説明においては、これらの「対象不動産に含まれない私道」について、説明をしなければなりません。

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