家を購入する際に親から資金援助してもらうときのお得な制度とは?

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あなたが親から資金援助を受けて不動産を購入する場合、贈与税(ぞうよぜい)の対象となります。贈与税とは個人からお金を含む財産をもらったときにかかる税金で、年間110万円までの範囲であれば贈与税はかかりません。

例えば、家を買うために親から2,000万円の援助を受けた場合、586万円の贈与税を納めなくてはならないため、家に充てられるお金は1,414万円になります。

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2015.12.25

恐るべき税金の金額ですよね。

ただし、親から住宅を取得するための資金をもらった場合は、最高1,200万円まで贈与税がかからない「住宅取得等資金の非課税制度」と生涯で2,500万円までは贈与税がかからない「相続時精算課税制度」の2つの贈与税の特例制度があります。

金額だけみると「相続時精算課税制度」ですが、どちらにもメリット・デメリットがあります。

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2018.10.22

この2つの制度の内容は全く異なるため、もし、あなたが親から資金援助(贈与)を受けて不動産購入を考えている場合には、この2つの制度の内容と違いを必ず理解して知っておくべきです。

ここでは「住宅取得等資金の非課税制度」についてわかりやすく説明します。

住宅取得等資金の非課税制度とは

「住宅取得等資金の非課税制度」とは、2021年12月31日までの間に、直系尊属(ちょっけいそんぞく)である両親・祖父母・曽祖父母から不動産を購入する資金として贈与を受けた場合、最高1,200万円まで贈与税が非課税となる制度のことです。

住宅取得等資金(じゅうたくしゅとくとうしきん)とは、自分が住むための家屋の新築、取得または自分が住んでいる家屋の一定の増改築等に充てるための金銭をいいます。家屋の新築、取得、増改築等には、その家屋の土地や借地権などの取得も含まれることから、自分で住むための「家」に使うためのお金といえます。

ただし、親族(一定の親族)が建設会社など特別の関係にある人と契約(請負契約など)して家に充てる場合は、住宅取得等資金に含まれません。

一定の親族など特別の関係にある人

  1. 受贈者(贈与を受ける人)の配偶者および直系血族
  2. 受贈者の親族(①以外の者)で受贈者と生計を一にしているもの
  3. 受贈者と内縁関係にある者およびその者の親族でその者と生計を一にしているもの
  4. ①から③に掲げる者以外の者で受贈者から受ける金銭等によって生計を維持しているものおよびその者の親族でその者と生計を一にしているもの

住宅取得等資金の非課税制度の条件と計算方法

「住宅取得等資金の非課税制度」は単独で利用することも、相続時精算課税制度と組み合わせて利用することもできます。単独で利用する場合は、年110万円まで税金がかからない基礎控除も加えることができます。

住宅取得等資金の非課税制度

非課税となる金額 +(基礎控除額110万円 or 相続時精算課税2,500万円)

消費税率が10%以外の場合や、売主が個人の場合はそもそも消費税がかからないので、こちらの非課税限度額となります。

非課税となる金額の一覧表
契約の締結日 良質な住宅用家屋 左記以外の住宅用家屋
2015年12月まで 1,500万円 1,000万円
2016年1月〜2020年3月 1,200万円 700万円
2020年4月〜2021年3月 1,000万円 500万円
2021年4月〜2021年12月 800万円 300万円

こちらは、住宅用家屋の取得等にかかる対価や費用の額に含まれる消費税率が10%である場合です。

非課税となる金額の一覧表
契約の締結日 良質な住宅用家屋 左記以外の住宅用家屋
2019年4月〜2020年3月 3,000万円 2,500万円
2020年4月〜2021年3月 1,500万円 1,000万円
2021年4月〜2021年12月 1,200万円 700万円

【利用する人の条件】

次の条件を全て満たす人がこの制度の対象となります。

1.住宅の取得するためにお金の贈与を受け、実際にそのお金を住宅の取得資金にあてていること

住宅そのものの贈与や住宅取得後に贈与を受けたお金は対象になりません。つまり、相続時精算課税制度とは異なり、マンションなど不動産を贈与する場合はこの制度を利用できません。

2.直系尊属(父母・祖父母等)からの贈与であること

実の父母だけでなく祖父母からの贈与も適用できます。自分の配偶者は含まれません。

3.贈与を受ける者がその年の1月1日において20歳以上であること

贈与を受ける者は、贈与があった年に成人していなければなりません。

4.贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅の引渡しを受け同日までに居住していること、または居住することが確実であると見込まれていること

新築であっても、贈与を受けた年の翌年の3月15日までに物件を引渡ししてもらう必要があります。また、同日までに住み始めるか、同年の12月31日までに住み始めていなければなりません(住むことが確実であると見込まれる状況)。

5.次のいずれかに該当すること

  • 贈与を受けたときに日本国内に住所を有する
  • 贈与を受けたときに日本国内に住所を有しないものの日本国籍を有し、かつ受贈者(贈与を受ける人)または贈与者(贈与する人)がその贈与前5年以内に日本国内に住所を有したことがある
  • 贈与をうけたときに、日本国内に住所も日本国籍も有しないが、贈与者が日本国内に住所を有している

6.贈与を受ける者は贈与を受けた年の所得金額が2,000万円以下であること

贈与を受ける者は、贈与を受けた年の年収(合計所得金額)が2,000万を超えている場合、この制度は利用できません。

7.2009年〜2014年において、住宅取得等資金の非課税制度(旧非課税制度)の適用を受けたことがないこと

【利用する住宅の条件】

1.日本にあって、贈与を受ける人の居住用のための住宅であること

もし、居住用の家屋が2つ以上ある場合には、受贈者が主として居住の用に供すると認められる1つの家屋に限ります。

2.建物の登記簿上の床面積が50㎡以上240㎡以下であること

登記簿面積で50㎡以上240㎡以下の物件が対象です(50㎡以下や240㎡以上は居住用の不動産として見られません)。

3.建物の登記簿上の床面積の1/2以上部分が居住用であること

1/2未満は居住用の不動産として見られません。

登記簿面積で50㎡以上240㎡以下の物件が対象です(50㎡以下や240㎡以上は居住用不動産として見られません)。

4.中古住宅の場合は建物の築年数(その家屋の取得の日以前)が、マンションなどの耐火建築物なら25年、木造など耐火建築物以外なら20年以内であること

中古住宅の場合には築年数の制限があります。ただし、この年数を超える場合でも次の条件を満たす住宅であれば適用を受けれます。

  • 新耐震基準に適合していることについて証明されたもの
  • 既存住宅売買瑕疵保険に加入している一定のもの
  • 新耐震基準に適合しない物件であっても、取得の日までに耐震改修工事の申請等をし、かつ、居住の日までに耐震工事を完了しているもので、贈与を受けた年の翌年3月15日までに耐震基準に適合していることについて証明されたもの

増改築する場合の条件

  1. 受贈者が日本国内に所有し、かつ自己の用に供している家屋について行われる増改築等であること
  2. 増改築後の家屋の登記簿上の床面積(区分所有の場合にはその専有部分の床面積)が50㎡以上240㎡以下であること
  3. 増改築後の家屋の床面積の1/2以上に相当する部分が専ら居住の用に供されること
  4. 増改築等に係る契約を平成33年12月31日までに締結していること
  5. 増改築等工事に要したが100万円以上であること
  6. 居住用部分の工事費が全体の工事費の1/2以上であること
  7. 増改築等に係る工事が、一定の工事に該当することにつき証明がなされたものであること

住宅取得等資金の非課税制度を利用するための手続き

住宅取得等資金の非課税制度の適用を受けるためには、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までの間に、住宅取得等資金の非課税制度の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書を提出する必要があります。贈与税がかからない場合でも、申告期限内に贈与税の申告をする必要があります。

次の書類を添付して申告します。

  • 住宅取得等資金の非課税の計算明細書
  • 受贈者の戸籍謄本(受贈者の氏名、生年月日、贈与者が受贈者の直系尊属に該当することがわかるもの)
  • 受贈者の住民票の写し
  • 新築等した住宅用家屋の登記事項証明書
  • 新築や取得等の契約書など一定の書類

贈与税の申告に間に合わなかったとき、特例制度の適用は可能なのか

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2015.12.30

詳しくは国税庁HPをご参照ください。

「住宅取得等資金の非課税制度」と「相続時精算課税制度」のどちらを利用すべきか

住宅購入資金として贈与を検討する際には、まずは「住宅取得等資金の非課税」を検討します

住宅取得等資金の非課税枠は、取得した時期や良質な住宅用家屋であるかによって大きく変わります。

それでも足りなくて贈与を受けたい場合には、「基礎控除110万円」か「相続時精算課税2,500万円」を利用します。

あくまでも「相続時精算課税」は将来の貰える相続分の前借りです。

マンションなど不動産自体の贈与については相続時精算課税制度を利用する必要があります。

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2018.10.22