自宅を売って買う「買い替え」のときに必要な「引渡し猶予」とはなにか

自宅を売って買う「買い替え」のときに必要な「引渡し猶予」とはなにか

あなたは自宅を売却して、同時に新しい家を買おうとしています。これを買い替え(買い換え)といいます。

一般的に、売却代金のすべてを買主から受け取ったとき(=残代金決済のとき)、その家は買主に引渡しされて、買主のものになります。

そりゃそうですよね。お金を全部いただいたのですから。

残代金決済≒物件の引渡し

しかし、買い換えのときには、買主からお金をすべて受け取ったのに、売主がまだ住むことができる「引渡し猶予」という特約をつけて不動産売買契約を結ぶことがあります。

ここでは「引渡し猶予とはなにか」について説明します。

 

引渡し猶予とは

引渡し猶予は、売主の住み替え(買い換え)が前提となります。下の図で説明しましょう。

引渡し猶予とは

 

①売却物件の残代金決済

普通、この残代金決済のときに、買主からすべての売却代金を受け取りますので、残代金決済の前日までに売主は引越しを終わらせておかなければなりません。

しかし、自宅を売ったお金で買い換えする場合には、先に売却代金を受け取らないと新しい物件のお金を支払うことができません

そのため、買主から「引渡し猶予」の期間をもらい、新しい物件に移るまでの間、引き続き売却物件に住ませてもらい、引渡しを待ってもらいます。

引渡しはまだですが、お金は全部受け取ったので、売却物件の所有権は買主に移っています。

残代金決済・物件の引渡し当日はどんなことをするの?

2016.11.06

②購入物件の残代金決済

自宅の残代金決済と同日もしくは数日以内に、新しい物件の決済を行い、お金を新しい物件の売主に渡します。この時点で、新しい物件は買主に引渡されて、買主のものになります。

③自宅から新しい物件への引越し

自宅から購入した物件に引越しします。

④売却物件の引渡し

引越しが終わり、空家の状態で、自宅を購入してくれた買主に引渡しします。

これが「引渡し猶予」の場合の流れになります。

特に売主が、今の自宅の住宅ローンを返済して、購入物件に新しい住宅ローンを組むという買い換えの場合は、ほとんど「引渡し猶予」の特約をつけて不動産売買契約を結びます。新居の住宅ローンを組む際に、現在の売却物件の住宅ローンを完済することを条件とされることが多いからです。

「引渡し猶予」の間の賃料は発生しません。期間としては数日から1週間など短期間の場合が一般的です。

なお、残代金決済の時点で、所有権は買主に移っていますが、引渡し猶予の期間中になにかあった場合は、基本的に売主の責任になります。ただし、このあたりの条件(天災地変があった場合や電気・ガス・水道の支払いなど)も契約によって異なるケースがあります。特約とは、別の条件を付けた契のことです。どのような契約の内容になっているのか不動産屋さんに必ず確認し、自分の目でも書類を確認しましょう。

 

まとめ

まとめると、所有権は新しい所有者(買主)に移りますが、「猶予期間中に売主を居住させることを了承する旨」について、不動産売買契約時に書面で交わすことを「引渡し猶予」といいます。

「引渡し猶予」の特約がない場合は、決済までに自宅を空家にしなければならないので、一時的に賃貸を借りたり、荷物をどこかに一時保管する必要が出てきます。

また「引渡し猶予」を利用する場合、売却物件の決済直後に購入物件の決済を行わなければならず、相当時間がタイトになります。加えて、いつ売れるかわからない売却に合わせて、購入物件を決めなければなりません。

このあたりは不動産屋さんとじっくりと相談しながら、売却と購入の買い換えがスムーズにできるように、場合によって「引渡し猶予」の特約を売却の条件につけてもらうと良いでしょう。

 

自宅を売って買う「買い替え」のときに必要な「引渡し猶予」とはなにか

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ABOUTこの記事をかいた人

坂根大介

イクラ株式会社代表。1986年大阪生まれ。関西大学文学部卒業。野村證券株式会社に入社し、国内リテール業務を経て、その後三井不動産リアルティ株式会社(三井のリハウス)にて不動産売買仲介を行う。不動産売買取引の契約実務や物件調査の経験をもとに、プロ向けに不動産の調査方法や用語解説、不動産市況、一般消費者向けに不動産業界の見えにくくわかりづらい不透明な情報をわかりやすく発信している。
主な資格は、宅地建物取引士、JSHIホームインスペクター、2級FPなど。