建物表題登記についてわかりやすく説明する

建物表題登記はいくら?

ここでは「建物表題登記」についてわかりやすく説明します。

 

建物表題登記とその方法

建物表題登記は不動産登記の一つです。不動産登記とは「その不動産がどんなものなのか、どこの誰が所有しているかを記録しているもの」であり、また「その不動産で誰がどんなことをしたのか記録したもの」です。それら登記の記録がまとめられた台帳を「登記簿」といいます。現在は電子化されて「登記記録」とも呼ばれています。

登記は以下のようなときに必要です。

  • 建物を新築・増築・取り壊し
  • 不動産を購入・売却・相続・贈与
  • 住宅ローンの利用・借換え・完済

建物表題登記とは、建物の登記記録の表題部を新しくつくる登記です。一般的には新築の建物が完成したときに行います

登記簿(建物の表題部)

・建物の所在
・建物の家屋番号①
・建物の種類②
・建物の構造③
・建物の床面積④
・建物の原因及びその日付として新築年月日⑤⑥
・建物の所有者の住所と氏名⑦

これらの情報があれば、登記記録の表題部を作成してくれます。つまり、建物表題登記にはこれらの情報が載っている書類を集める必要があります。

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建物表題登記は、建物を登記することが目的ですが、登記のできない建物もあります。一般的な住宅で登記が可能な建物の条件には「外気分断性」「定着性」「用途性」があり、これらの条件すべてを満たさなければなりません。

・外気分断性:建物内と外気とが、壁・ガラス・屋根とかで分断されているかどうか
・定着性:建物の基礎があり、簡単に建物を動かないかどうかということ
・用途性:居宅であれば居宅の用途を満たしているかどうか

建物表題登記は建物建築後1ヶ月以内に行わなければなりません。申請を怠ると10万円以下の過料に処せられることもあるので注意が必要です。

建物表題登記は、土地家屋調査士に依頼して行うのが一般的ですが、自分で行うこともできます(司法書士は業として行うことは不可です)。依頼すると7~9万円が相場です。建物表題登記は登録免許税がかかりませんので、費用の大半は土地家屋調査士の報酬です。しかし、この建物表題登記はそれほど難しくないため、誰でも行うことができます。

 

建物の表題登記に必要な書類

建物表題登記に必要な書類は以下の通りです。

①所有権証明書

その建物が自分の所有物であるという所有権を証明するには、その証拠書類をできるだけ多く集めなければなりません。所有権の証明に必要な書類を所有権証明書といいます。この所有権証明書は、地域によっても異なりますので、建物表題登記を申請する登記所に事前に相談してください

一般的な新築建物(注文住宅)の場合

・建築確認通知書(確認申請書の副本と確認済証)

新しく建物を建築する場合は、以下の流れのように、その建物の建築主・設計者・工事監理者が誰であり、どこにどんな建物を建築するかを事前に検査機関に知らせてチェックを受けなければなりません。この申請で使われるのが「(建築)確認申請書」で、チェックして問題がなければ発行されるのが「確認済証」です。

建築確認の大まかな流れ

この確認申請のときに、同じ書類が2部用意されます。それが「正本」と「副本」です。正本は検査機関に保管され、副本は検査機関が発行した確認済証と一緒にハウスメーカーや工務店、設計事務所などに返却されます。

そのため、建築確認通知書はハウスメーカーや工務店、設計事務所に請求します。

・工事完了引渡証明書

ハウスメーカーや工務店などの業者が、建築主の依頼で建物を建築し、完成した後に、建築主に引き渡したことを証明する書類です。建物が完成する少し前でももらうことができます。ハウスメーカーや工務店に請求し、会社の印鑑証明書と資格証明書(建築工事を行った会社の代表者事項証明書か履歴事項証明書)も一緒にもらいます。

工事完了引渡証明書のサンプル

・検査済証

家が完成した後で完了検査を行い、通過した場合に発行されるのが検査済証です。(上記の流れの一番最後です。)ハウスメーカーや工務店に請求します。検査済証がない場合は、「建築確認申請書」と「工事完了引渡証明書」で行います。

②住所証明書

住所証明書とは、建物の所有者になる人全員の住民票の写しのことです。所有者の住んでいる役所・役場に行けば発行してもらえます。一つの住民票に所有者全員の名前が載っていれば、その一つだけの住民票で大丈夫です。(全てのページが必要です。)

建物表題登記には関係ありませんが、このときに使う住民票の写しは、新しくできる建物の住所の住民票が良いでしょう。その後の所有権保存登記や抵当権設定登記の際に住宅用家屋証明を使って減税を受けるためです。(建物表題登記の際に間に合わないときは、所有権保存登記のときまでに住所を移せば問題ありません。)

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③建物図面

④各階平面図

③建物図面と④の建物表題登記の図面作成は、建築確認通知書を元に行いますが、正しいかどうか現地調査が必要です。以下の項目を調査します。

建物図面と各階平面図のサンプル

・建物の所在と位置

公図と建築確認通知書にある配置図を使って、土地の中のどの位置に建築物が建っているかを調べます。公図登記所(法務局・地方法務局・支局・出張所)や郵送・ネットで入手可能です。土地の境界から建物の外壁までの距離を測ります。

・建物の種類

建物の種類とは、居宅・倉庫・店舗・事務所・工場など何の用途の建物であるかということです。建築確認通知書第三面の主要用途欄に書いています。

・建物の構造

建物の構造とは、構造と屋根材と階数のことです。建築確認通知書第四面の構造・階数・屋根蘭に書いています。

・建物の形状と床面積

建築確認通知書から平面図と面積表(求積図)を求めます。実測して大きな誤差がない場合は、平面図に書いてある数値を採用します。

・建物が完成した日

⑤建物表題登記の申請書

申請書には、建物の所在・種類・構造・床面積・新築年月日などを書きます。家屋番号は書く必要ありません。

建物表題登記の申請書のサンプル

⑥建物が位置する地図

Googleマップを印刷して、建物が位置するところに印をつけます。(手書きでも構いません。)

⑦写真

色々な角度から建物の写真を取ります。特に建物全体・水まわり・階段・屋根のアップを撮っておきます。必須ではありません。

⑧代理権限証明書(委任状)

申請者本人が、法務局に行くことができない場合には、代理人に申請に行ってもらうことも可能です。

代理権限証明書(委任状)のサンプル

 

申請方法

法務局に登記相談窓口が設置されている場合もありますので、不安な場合は作成した書類を持っていき見てもらいましょう。

登記するには平日に法務局に行きます。申請書を郵送する場合は、申請書を入れた封筒の表面に「不動産登記申請書在中」と記載の上、書留郵便により送付します。その際、切手を貼った返送用の封筒も同封しておきます。完了した際「登記完了証」というのが登記所から発行され送られてきます。ただし、提出書類に不備がある場合は、電話連絡があり補正が必要となりますので、直接法務局に行き書類を点検してもらう方が良いでしょう。

 

建物表題登記はいくら?

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坂根大介

イクラ株式会社代表。1986年大阪生まれ。関西大学文学部卒業。野村證券株式会社に入社し、国内リテール業務を経て、その後三井不動産リアルティ株式会社(三井のリハウス)にて不動産売買仲介を行う。不動産売買取引の契約実務や物件調査の経験をもとに、プロ向けに不動産の調査方法や用語解説、不動産市況、一般消費者向けに不動産業界の見えにくくわかりづらい不透明な情報をわかりやすく発信している。
主な資格は、宅地建物取引士、JSHIホームインスペクター、2級FPなど。