相続した不動産(マンション/戸建て/土地)を売却するには?

相続した不動産売却の流れ

不動産売却なんて一生に一度あるかどうかで、何度も経験するものではありません。まして、相続した不動産を売却するという人は、ほとんどが「はじめて」の経験なので不安になるのは当然のことです。

相続した不動産を売却する前に、ここでは相続時における不動産売却の流れについて知っておきましょう。

売却の流れさえわかれば、それを1つずつクリアしていけば良いだけです。

 

相続した不動産売却の流れ

相続時の不動産売却の流れは以下の9つにわけることができます。

相続時の不動産売却の流れ

① 情報収集する
② 査定してもらう
③ 相続人を決める

④ 相続登記をする
⑤ 媒介契約を結ぶ
⑥ 購入希望者を探す
⑦ 売買契約を結ぶ
⑧ 物件引渡しの準備
⑨ 残代金の受け取りと物件の引渡し

①〜⑥までの内容は多少前後することがあります。例えば、最初に③相続人を決めてから①情報収集する方もいますし、⑤媒介契約を結んでから④相続登記を行う方もいます。

上記の「③相続人を決める」と「④相続登記をする」以外は、一般的な不動産売却の流れと全く同じです。ここでは③と④に集中して説明しますので、もし一般的な不動産売却の流れが知りたい方は『不動産(マンション/戸建て/土地)を売却するには?ー不動産売却の流れー』をご覧ください。

不動産(マンション/戸建て/土地)を売却するには?ー不動産売却の流れー

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“相続人を決める”と”相続登記をする”

そもそも不動産を相続した場合、被相続人(=死亡した人)の名義を、相続人(=財産を受け継ぐ人)の名義に変更する必要があります。この名義変更のことを相続登記といいます。

「必要があります」と言いましたが、相続登記(所有権移転登記)は、特にいつまでに手続きをしなければならないなどの期限も罰則もありません。したがって、相続登記しなくても問題はありませんが、一般的に「対抗力」を持つために登記します。

対抗力とは?

不動産登記とは「その不動産がどんなものなのか、どこの誰が所有しているかを記録しているもの」であり、また「その不動産で誰がどんなことをしたのか記録したもの」です。それら登記の記録がまとめられた台帳を「登記簿」といいます。現在は電子化されて「登記記録」とも呼ばれています。

「登記簿」という証拠によって、所有者は自分の土地の所有権を主張できるわけです。これを法律上では「対抗力」といいます。

また、相続登記しなければ、その不動産が相続人(=財産を受け継ぐ人)の所有物と判断できないため、売却できません。そのため、相続した不動産を売却をするときには、必ず相続登記します

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その相続登記をするためには、相続人(=財産を受け継ぐ人)が誰なのかを決めなければなりません

相続人が1人なのであれば、すんなりその1人が相続人になります。しかし、複数いる場合はそうもいきません。

遺言の力

相続が発生したときの相続財産は、遺言で遺産の分割方法が決まっている場合、最優先でそれに従います。もし、遺言がない場合は、遺産は全て法定相続人(=相続受ける人全員)の共有財産になります。そこで相続人全員は協議をし、遺産分割協議書(いさんぶんかつきょうぎしょ)を作成し、遺産の分割をします。

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つまり、相続人が複数いる場合は、勝手に自分のものとして相続登記することはできませんし、時間もかかります。

相続税がかかる基準は?

相続税は、被相続人(=死亡した人)が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内に、被相続人の住所地の所轄税務署に申告し納税しなければなりません。もし、遺産にかかる基礎控除額の範囲内であれば申告も納税も必要ありません。「遺産にかかる基礎控除額」は、3,000万円+600万円×法定相続人の数で計算することができます。遺産額がこの額を超えてしまうと、超えた分について相続税がかかるのです。

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もしも相続した不動産を売却して利益(譲渡益)が発生した場合には、相続税だけでなく、譲渡税も申告によって収めなければなりません。

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しかし、これは1つの財産について2種類の税金が課税される二重課税にあたるため、その相続した不動産を、相続後3年10カ月以内に売却(=譲渡)すれば、譲渡所得税が軽減される「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」の適用を受けられます。これを一般的に「取得費加算の特例」と呼びます。

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とはいえ、相続税がかかるほどの財産を相続する人は全体の1割もいません(平成27年分で8.0%)。つまり、実際のところ、相続する遺産の中で不動産は「実家」だけというケースが多いのです。

この場合、先に相続した不動産を売却して、売却代金を相続人同士で分け合う「換価分割」という方法があります。

遺産相続の3つの方法

・現物分割(げんぶつぶんかつ)

遺産を現物(=現にある品物)のまま相続する方法です。例えば、現金と不動産が遺産で、その遺産を2人の相続人で分割する場合、1人が現金、1人が不動産とそれぞれが、現物を相続します。分割がしやすいのがメリットですが、遺産の価値がそれぞれ異なる場合があることがデメリットでしょう。特に不動産の本当の価値は売れるまでわかりません。

・換価分割(かんかぶんかつ)

先に株や不動産などの遺産をすべて換金し、その売却代金を相続人で分配する方法です。この方法を利用すると、平等にお金で相続することができますが、もし、その不動産に住み続けたい人がいる場合は、換価分割ができません。

・代償分割(だいしょうぶんかつ)

複数の相続人のうち1人(または数人)が遺産を取得し、他の相続人にお金を支払う方法です。例えば、相続人の1人が遺産である不動産を相続する代わりに、もう1人の相続人に代償金として1,000万円を支払うという方法です。

換価分割を行う場合は、実際に売却の手続きをする相続人を選び、選ばれた相続人が自分の名義にした上で売却手続きを行います。

その際に、遺産分割協議書に、誰が売却するのか、換価分割であることや売却代金の分割割合を明記します。換価分割は「贈与」とみなされることはないため「贈与税」が発生することはありませんが、トラブルを防ぐためです。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。相続時におけるおおまかな不動産売却の流れについて理解できたでしょうか。

不動産は、媒介契約を結んで売却活動をスタートさせてから、3ヵ月の間に売却(不動産売買契約を結ぶこと)できれば早い方で、結構な時間がかかります。

一般的な不動産売却でも、相続時における不動産売却でも、売却を成功させるために一番大事な部分は「① 情報収集する」です。売却するに、しっかりと不動産売却について理解しておかなければ、あとになって後悔することになります。

特に、相続時における不動産売却には「相続人を決める」という揉め事が大抵ついています。相続税が発生するような大きな相続の場合には弁護士が入ることも多いですが、そうでない場合は、まず不動産屋さんに相談すると良いでしょう。不動産屋さんは職業柄、不動産登記を専門に行う司法書士と蜜に連携しているため、どのようにすべきか司法書士に相談します。実際、相続登記を職業として専門に行うことができるのは司法書士ですし、相続関係の法務処理も専門として行ってくれます。

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売却活動が始まれば、あとは事前の計画に沿って1つずつクリアしていけばよいでしょう。

 

相続した不動産売却の流れ

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ABOUTこの記事をかいた人

坂根大介

イクラ株式会社代表。1986年大阪生まれ。関西大学文学部卒業。野村證券株式会社に入社し、国内リテール業務を経て、その後三井不動産リアルティ株式会社(三井のリハウス)にて不動産売買仲介を行う。不動産売買取引の契約実務や物件調査の経験をもとに、プロ向けに不動産の調査方法や用語解説、不動産市況、一般消費者向けに不動産業界の見えにくくわかりづらい不透明な情報をわかりやすく発信している。 主な資格は、宅地建物取引士、JSHIホームインスペクター、2級FPなど。