ずーっと下がっていた住宅ローンの固定金利はついに底入れして上昇か

メガバンク住宅ローン固定金利(17年4月)

ずーっと下がり続けていた住宅ローン金利が底入れし始めたようです。

底入れとは?

(相場などが)下がり切って、それより下がる見込みがないこと。ボトムアウト。

住宅ローン金利一斉上げ メガ銀 マイナス金利前水準に

大手銀行の住宅ローン金利の底入れが鮮明になってきた。4月は3メガバンクが一斉に金利を引き上げ、日銀がマイナス金利政策を導入する前後の水準へ戻る。三菱東京UFJ銀行の10年固定型の最優遇金利は年1.05%と3月に比べて0.50%上がる。長期金利が底堅く推移していることに加え、契約が集まる年度末を越えて銀行間の競争が一服するためだ。

三菱UFJ銀は2016年7月に始めた金利引き下げキャンペーンを終え、事実上の大幅引き上げに踏み切る。三井住友銀行は1.05%と3月から0.25%高い水準。みずほ銀行も0.90%と0.05%引き上げる。三井住友信託銀行は0.55%、りそな銀行は0.95%でいずれも前月から据え置く。

3メガバンクの住宅ローン金利は日銀のマイナス金利政策の導入直前の16年1月はいずれも1%を超えていた。同政策が始まった昨年2月から夏にかけて急低下し、住宅販売を下支えする一因になった昨年後半は米トランプ政権誕生を受けた長期金利の上昇を受け、住宅ローン金利もほぼ下げ止まっていた

転勤や入学が多い新年度に向けて、2月や3月は住宅購入やローン契約が増える傾向がある。メガバンク各行は膨らむ需要を確保しようと年度末はローン金利を低めに維持していた面がある。4月のローン金利上昇はその反動とみられる。ただ、住宅ローンを借りにくくなれば不動産市場を冷やす恐れもある。

米金利の上昇もあって、日本の長期金利もマイナス圏を脱して回復基調にある。ただ、日銀は昨年9月に長期金利を0%程度に誘導する新たな政策枠組みを取り入れており、金利が急上昇するとの予想は少ない

(2017年4月1日日本経済新聞朝刊1面抜粋)

住宅ローンの金利タイプは大きく分けて「変動金利型」と「固定金利型」の2つに分かれます。ここでは10年固定型の金利について書かれていますが、固定金利型は長期金利(10年物国債の利回り)を指標としており、その数値を一番反映しているのが10年固定型だからです。

メガバンク住宅ローン固定金利(17年4月)

2016年2月にマイナス金利政策が導入されました。元々、マイナス金利をスタートさせたのは物価を2%上昇させるという目的があったからです。確かに金利は下がりましたが、なかなか物価が上昇しないことから日銀は総括的な検証をしました。その中で「マイナス金利によって貸出金利が低下した一方、過度な金利低下が金融機関収益を圧迫している」とマイナス金利の副作用を認めました。

そこで、2016年9月にマイナス金利からイールドカーブ・コントロールに大きく政策を切替えました。そういう意味では、固定金利の大底は2016年8月だったわけです。

そのイールドカーブとやらで不動産はコントロールできるのか

そのイールドカーブとやらで不動産はコントロールできるのか

2016.09.26

9月以降、すぐに金利が上昇したわけではありませんが、11月にトランプ大統領が就任し、アメリカの金利が上昇するとともに日本の金利もズルズルと引っ張られて上昇するようになっていました。ただ、2月3月が不動産売買の繁忙期ということもあって、金利を下げたままにしておいたのを、4月のタイミングで引き上げたということです。

では、「底入れしたから、今後金利は上昇し続ける!」というとそういうわけではないでしょう。

日銀は、長期金利を0%程度に固定できるように誘導(イールドカーブ・コントロール)しており、物価上昇率が安定的に2%を超えるまで緩和継続する(オーバーシュート型コミットメント)ことを決定しています。これは、仮に物価上昇率が一時的に2%を上回っても、すぐには異次元緩和をやめず、安定的に2%になるまで続けることを約束するものです。逆説的に読むと、金利は一時的にでも物価上昇2%にならなければ上がることはないということになります。

長期金利が0%程度に固定されるのであれば、変動金利はマイナスのままです。そのため、変動金利についても大きく変わることはなさそうです。

固定金利について、今後は(失敗に終わった)マイナス金利を深掘りして推し進める可能性が低い(=金利が下がらない)という意味での底入れであり、「固定金利がもっとさがらないかな?」と考えていた方にとっては、「もう下がらなさそうだ」と判断できる今こそが、固定型金利を選択するまたとない機会なのではないでしょうか。

 

メガバンク住宅ローン固定金利(17年4月)

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ABOUTこの記事をかいた人

坂根大介

イクラ株式会社代表。1986年大阪生まれ。関西大学文学部卒業。野村證券株式会社に入社し、国内リテール業務を経て、その後三井不動産リアルティ株式会社(三井のリハウス)にて不動産売買仲介を行う。不動産売買取引の契約実務や物件調査の経験をもとに、プロ向けに不動産の調査方法や用語解説、不動産市況、一般消費者向けに不動産業界の見えにくくわかりづらい不透明な情報をわかりやすく発信している。 主な資格は、宅地建物取引士、JSHIホームインスペクター、2級FPなど。