容積率の余っていない築年数の古いマンションでも建て替え可能に

容積率の余っていない築年数の古いマンションでも建て替え可能に

築年数が古いマンションでも民間で建てたマンションは、容積率の問題でなかなか建て替えが進んできませんでした。

昨年も、総合設計制度を見直して容積率を緩和(上限300%→400%)して、マンションを建て直すという話がありましたが、こちらは周辺の住宅をまきこんで一緒に建て替えすることが条件で、時間がかかるのは間違いなく、この制度だけでは、旧耐震マンションをできるだけ早く建て替えるという見込みが少なかったのかもしれません。

建築年の古いマンションが建て替え費用なしに今後新しいマンションに建て替わるかも?

建築年の古いマンションが建て替え費用なしに今後新しいマンションに建て替わるかも?

2017.04.26

そこで今回、容積率の余っていない建築年数の古いマンションも新たな「玉突き」制度で、建て替え可能になるような話が出てきています。

東京都は老朽マンションの連続した建て替えを促す制度を、2019年度にも創設する。不動産会社が老朽マンションを買い取れば、別の場所に建てるマンションの容積率を上乗せする。買い取った物件の跡地にマンションを建設する場合にも、別の老朽物件を買えば容積率を積み増す。企業主導で旧耐震基準のマンションを建て替え、災害に強い都市を目指す。

(2018年8月19日日本経済新聞朝刊1面抜粋)

東京都内の分譲マンションは約181万戸あり、全国の3割を占めます。そのうち、築40年以上の物件は2013年時点で約13万戸でしたが、2023年には3倍の約43万戸に急増する見込みです。

特に1981年5月以前の旧耐震基準で建てられたマンションは、首都直下地震などが発生した場合に倒壊の危険性が高く、建て替えが急務となっています。

新制度のスキームは次のとおりです。

容積率緩和新制度

老朽マンションを買い取った不動産会社(デベロッパー)が、周辺の一定エリア内で居住者の転居先にもなるマンションを開発する際、容積率を上乗せ(緩和)します。通常より分譲戸数を増やせるため収益が増え、建て替え事業に積極的に参入しやすくするものです。

そして、買い取った老朽物件は解体し、跡地で新たなマンションを開発してもらいます。跡地の新マンションも周辺の別の老朽マンションを買い取れば、容積率を緩和することで、老朽マンションの建て替えが玉突きで進むようにするというスキームです。

東京都は、2019年度にも具体的な制度を創設する予定としています。こちらによって、需要の高い都心部の駅チカの古いマンションの建て替えが進みそうですが、需要が少ない不便なエリアでの建て替えをどう進めるかは今後の課題となっています。