ミナミの帝王完全復活!全国の地価上昇率TOP5はすべて大阪が独占!

3月21日に国土交通省から2017年の公示地価が発表された。

「地価公示と公示地価」についてわかりやすくまとめた

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2017.03.27

全国の住宅地が前年比0.02%プラスと、リーマン・ショック直前の2008年以来9年ぶりに上昇したことが話題になった。

「都心から地方」2017年前半の地価の動きは?「まだら模様の地価上昇」を読み解く

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2017.03.28

特に大阪は、訪日外国人の増加により商業施設の需要が増えたことで地価を押し上げ、今回、全国の地価上昇率TOP5は全て大阪が独占した。特に近年、地盤沈下が著しかった心斎橋・難波を中心とする「ミナミ」の回復ぶりが、梅田を中心とする「キタ」の成長速度を遥かに上回っている。

ここでは、そのTOP5の地点とインバウンドに湧く大阪の現状について、2017年3月22日〜23日の日本経済新聞朝刊の特集「点検 近畿地価」から見てみたい。

 

全国の地価上昇率TOP5

【第5位】エスパシオン梅田ビル(キタ)

エスパシオン梅田ビル
地点 上昇率 価格
大阪市北区茶屋町12-6 30.6% 333万円/㎡
大阪市北区茶屋町12-6

NU茶屋町に隣接するビル。若い人の往来が絶えることがない。

【第4位】ヤマハ楽器店跡(ミナミ)

ヤマハ楽器店跡
地点 上昇率 価格
大阪市中央区心斎橋筋2-8-5 33.0% 1100万円/㎡
大阪市中央区心斎橋筋2-8-5

大阪の大動脈「御堂筋」の一本裏側の道、心斎橋筋商店街の中にある。御堂筋沿いはブランド街になっているが、一本裏側に入るだけで庶民の街になるのはいかにも大阪らしい。外国人も多く、平日でも人が絶えることがない。

【第3位】珍竹林(キタ)

珍竹林
地点 上昇率 価格
大阪市北区小松原4-5 34.8% 182万円/㎡
大阪市北区小松原4-5

大阪キタの飲食店街、阪急東通り商店街の中にある。阪急百貨店に近いところからオシャレなお店にだんだんと変わってきている。

【第2位】クリサス心斎橋(ミナミ)

クリサス心斎橋
地点 上昇率 価格
大阪市中央区宗右衛門町12-6 35.1% 1290万円/㎡
大阪市中央区宗右衛門町12-6

ひっかけ橋こと、道頓堀の戎橋北東角にあるビル。グリコをバックにグリコのポーズをしながら写真を取るのは世界共通らしい。

【第1位】づぼらや(ミナミ)

づぼらや
地点 上昇率 価格
大阪市中央区道頓堀1-6-10 41.3% 400万円/㎡
大阪市中央区道頓堀1-6-10

道頓堀は、かに道楽の「カニ」やたこ焼きくくるの「タコ」、づぼらやの「フグ」、くいだおれ太郎など、大阪っぽい街(ダウンタウン)であり、粉もんなどの特徴的なお店も多く、観光客が来そうな理由がよくわかる。

 

点検 近畿地価

点検 近畿地価(上) ミナミ急伸、キタに迫る

大阪有数の観光名所、通天閣に近い大阪市営地下鉄・恵美須町駅(大阪市浪速区)。訪日外国人が多く乗降する出入り口からすぐの場所で、約360室の大型ホテルの建設が進む。同じ場所には2014年までシャープの営業拠点があったが、売却されていた。

※シャープ恵比寿ビル跡地…大阪市浪速区恵比寿西1-2-9。購入者は「合同会社恵美須グロースリミテッド大寶行投資有限公司」

所有者はアジア系の大手旅行会社。不動産鑑定士によると「公示地価を大幅に上回る価格で土地が取引された」。新設するホテルは外国人客が多い「道頓堀ホテル」を展開する王宮(大阪市)が運営する計画だ。電機大手などのオフィスからホテルへ――。商業地の地価を支える「主役」の交代を映し出す。

全国商業地の上昇率で5位内を独占した大阪市。大きく上昇したのは中央区道頓堀や心斎橋筋などミナミの繁華街だ。

全国の上昇率2位だったミナミの戎橋北詰のビル「クリサス心斎橋」がある地点は12年時点でキタの「グランフロント大阪南館」がある地点より3割低かっただが今回、価格差は1割に縮まった。「ミナミの地価が上がり続ければ来年にもキタを逆転するのでは」と大阪市内の不動産鑑定士は驚きを隠さない。

オフィス移転や中小店閉鎖で空いた土地を埋めるのはホテルだけではない。存在感を増してきたのがドラッグストアだ

全国の商業地で上昇率4位だった心斎橋筋2丁目。立ち並ぶツルハやコクミン、ダイコクのドラッグストアでは大勢の外国人客が医薬品や化粧品を買い求める。かつてヤマハ楽器店があった土地は16年に東急不動産に売却され、商業施設の建設が進む。不動産関係者には「ドラッグストアが核テナントになるのでは」との観測が飛び交う。

※心斎橋筋商店街…歴史は古く、1700年代半ばに「呉服屋松屋(現大丸百貨店)」が店を出した頃には、当時の心斎橋周辺に商店がいくつも集まり、すでに買い物の町として形成されていた。その後江戸期を通して、日本中の物資が集まる天下の台所、大坂における小売の中心的役割を果たしてきた。明治・大正期には、大阪の発展とともに心斎橋周辺も繁栄し、「東の銀座、西の心斎橋」と並び称された。

心斎橋筋商店街

マツモトキヨシは心斎橋筋や道頓堀周辺に16年だけで4店開業し、6店に増やした。家電製品や宝飾品のまとめ買いが一服した今も「医薬品や化粧品の買い物需要は底堅い」(マツモトキヨシ)。同社は戎橋北詰のビルにも入居した。

訪日外国人客の旺盛な飲食需要も地価を底上げする。全国の商業地上昇率でトップだったフグ料理店「づぼらや道頓堀店」に近い商業施設「中座くいだおれビル」の入り口では名物人形「くいだおれ太郎」と記念撮影する観光客が絶えない。

同ビルは上場不動産投資信託(REIT)の野村不動産マスターファンド投資法人が31日に116億円で取得する。同投資法人の資産運用会社、野村不動産投資顧問(東京)は「国内外の観光客を獲得できる場所としてテナントのニーズを期待できる」とみている。

キタも商業地の上昇が目立つが、需要のけん引役はオフィスではない。JR大阪駅周辺では阪神百貨店本店や新阪急ビル建て替えなど再開発が進む。全国の上昇率3位だった北区小松原町では、阪急東通り商店街付近の飲食店需要が伸びた。

都心の商業地の地価上昇は今後も続くのか。「訪日客の目標が上乗せされ、ホテルはまだ開発機運がある」(大阪府用地課)。ミナミの一等地などはなお上昇余地があるとの見方が根強い。

一方、過熱感を警戒する声も多い。一部のホテルでは16年に宿泊料を引き上げて需要が鈍り、稼働率が下がるケースも出ているようだ。

地価上昇を宿泊料や賃料にどこまで転嫁できるのか。米不動産サービス会社、CBRE関西支社の橋川剛シニアディレクターは「ドラッグストアなどが退店すればほかに高額の賃料を支払える入居者がない。地価は下落する可能性がある」と指摘する。

(2017年3月22日日本経済新聞朝刊関西経済39面抜粋)

点検 近畿地価(下) 住宅、上昇地点地点広がらず

飲食店が増え、人気の高まる大阪市福島区。リバー産業(大阪市)が開発中の「リバーガーデン福島木漏れ日の丘」は2016年に520戸を契約し、全国の分譲マンションとしては最多となった。電車の最寄り駅から大阪市中心部の梅田に約3分と近く、3LDKで2900万円台からという「手の届きやすい価格も受け入れられた」(不動産経済研究所の笹原雪恵・大阪事務所長)。

※リバーサイド分譲「リバーガーデン福島 木漏れ日の丘」(大阪府大阪市福島区鷺洲5丁目)総戸数850戸

リバーガーデン福島木漏れ日の丘

大阪の住宅地の公示地価で福島区福島3丁目(1㎡78万2千円)は大阪市天王寺区上汐4丁目(同64万円)を上回り1位となった。かつては商業・工業地帯だったが、2000年代以降、まとまった工場・倉庫跡地ができたことから宅地開発が進んだ。

住宅地の地価を下支えしているのは都市部のタワーマンション投資だ。大阪市中心部では数年内に15棟以上の供給計画があるとされる。低金利を背景に土地の仕入れを巡る競争も激しい。プレサンスコーポレーションは「大手不動産会社が手を出さない小さな土地も開発する」(多治川淳一取締役)と意気込む。

プレサンスコーポレーション…2016年近畿圏新築マンション供給戸数No.1(不動産経済研究所調べ)

首都圏 近畿圏
順位 会社名 戸数 順位 会社名 戸数
1 住友不動産 5043 1 プレサンスコーポレーション 2435
2 三井不動産レジデンシャル 3509 2 日本エスリード 1476
3 野村不動産 3253 3 和田興産 800
4 三菱地所レジデンス 2159 4 近鉄不動産 730
5 新日本建設 871 5 東急不動産 713

もっとも、地価が上昇している地点は交通アクセスがよい「駅チカ」など一部に限られる駅までバスで通うマンション、郊外の戸建ての需要は鈍い。大阪では17年の下落地点が全体の35%と上昇地点の23%を上回った。「府北部でも下落地点が増えつつある」(不動産鑑定士の松永明氏)

近鉄奈良線沿線の東大阪市五条町は大阪の住宅地で下落率が最大だった。「買い手が少なく値下げしないと売れない。今後、空き物件が増えるのでは」と地元の不動産会社社長はつぶやく。急傾斜が多く土砂災害警戒区域に一部指定されていることも影響している。

※大阪府東大阪市五条町…前年度比−7.1%と大阪府内の住宅地の下落率最大。生駒山に接しており「みはらし休憩所」からの夜景は大阪屈指と言われている。

公示地価では福岡県や宮城県など地方の中核自治体の住宅地がプラスになったのに比べ、大阪は小幅下落した。高度成長期に建てられた住宅が多く、高齢化で人口流出が進んだのが一因とみられる。近畿2府4県では京都が下げ止まったが、兵庫など他府県が下落。都市部でも明暗を分けるケースが目立ってきた

兵庫県西宮市では30年以上前に開発された一部の住宅地が値下がりした。道が急勾配で車がないと移動しづらいことなどが影響している。同じ市内でも阪急西宮北口駅や夙川駅付近が上がっているのとは対照的だ。

販売好調が続いた都市部のマンションにも割高感が広がる。不動産経済研究所によると近畿圏で16年に発売された新築マンションの平均価格は前年比3.5%高い3919万円。今年2月の発売戸数が8カ月ぶりに前年を下回るなど需要にも変調の兆しが見え始めた。

京都市の人気エリアでは平均1億円を超える高額マンションが増え、契約率は鈍化しているようだ。「もう新築は買えない」。市内のある不動産業者は京阪神でマンションを購入して転売してきたが、今後は中古物件の購入に軸足を移す。

価格に消費者がついて行けないと需要は中古などに流れる」(りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員)。近畿圏不動産流通機構(大阪市)によると近畿圏の16年の中古マンション契約戸数は5年前より2割増えた

高齢化や都心への人口移動は土地取引に影響を及ぼし続ける。住宅地の地価上昇が点から面に広がる道筋は見えない。

(2017年3月23日日本経済新聞朝刊関西経済39面抜粋)

円安をもたらしたアベノミクスとそれに伴う訪日外国人の増加で、それまで地盤沈下していたミナミは完全に復活した。

最近は、繁華街・ミナミも活気があるようだ。「ミナミの鬼」こと「萬田金融」もさぞかし潤っているのではなかろうか。

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ABOUTこの記事をかいた人

坂根大介

イクラ株式会社代表。1986年大阪生まれ。関西大学文学部卒業。野村證券株式会社に入社し、国内リテール業務を経て、その後三井不動産リアルティ株式会社(三井のリハウス)にて不動産売買仲介を行う。不動産売買取引の契約実務や物件調査の経験をもとに、プロ向けに不動産の調査方法や用語解説、不動産市況、一般消費者向けに不動産業界の見えにくくわかりづらい不透明な情報をわかりやすく発信している。 主な資格は、宅地建物取引士、JSHIホームインスペクター、2級FPなど。