2017年上半期の新築マンション市場の動きは?今、購入しているのは誰か

2017年上半期の新築マンション市場の動きは?今、購入しているのは誰か

2017年1〜6月上半期の新築マンション販売状況の結果が出てきました。結果を見ると、昨年より改善し「底入れ」と見られていますが本当なのでしょうか。

マンション 底入れの兆し 都区部がけん引

首都圏(1都3県)の新築マンション市況に底入れの兆しが出ている。不動産経済研究所(東京・新宿)が18日発表した2017年上半期(1~6月)の発売戸数は前年同期比1.9%増の1万4730戸と4年ぶりに上回った。東京都区部(23区)の高額物件がけん引し、今後も回復傾向が続く見通し。一方、停滞が続く郊外では東急不動産ホールディングス(HD)など各社は駅前物件の開発などで需要の掘り起こしに懸命だ。

「(昨秋からの)低調だった時期を脱した」。不動産経済研の松田忠司主任研究員は18日、市況の底入れを強調した。

エリア別で見ると、東京都区部が5.4%増、東京都下(23区以外)が28.1%増と大きく伸びた。都区部では千代田区や港区などで売り出される1億円以上の「億ション」などの販売好調が続く。

東京都下は昨年の落ち込みによる反動増の影響が出た。松田氏は「都区部はモデルルームの来場者数も非常に好調で、即日完売の物件も出ている」と話す。

三菱地所が東京都港区で4月に発売したタワーマンション「ザ・パークハウス白金2丁目タワー」は1億円を超える住戸が多数を占めるが、これまでに供給した132戸の約9割で契約のメドがついた。野村不動産が東京都中央区で6月に発売した「プラウド日本橋人形町パサージュ」(全36戸)は3.3平方メートル当たりの単価が430万円と高額だが、約9割で契約の見通しが立った。

※三菱地所レジデンス・野村不動産分譲「ザ・パークハウス白金二丁目タワー」(東京都港区白金2丁目)総戸数172戸

ザ・パークハウス白金二丁目

※野村不動産分譲「プラウド日本橋人形町パサージュ」(東京都中央区日本橋人形町3丁目)総戸数39戸(非分譲3戸含む)

プラウド日本橋人形町パサージュ

(家計に余裕のある)DINKS(共働きで子供のいない世帯)やシングル層を中心に都心居住の流れが続いている」と東急不動産HDの大隈郁仁社長は話す。都区部を中心に、交通などの利便性が高いエリアでのマンション需要は旺盛だ。

16年上半期の発売戸数が24年ぶりの低水準だったことも、底入れ感につながっている。不動産経済研は17年通年の首都圏の新築マンションの発売戸数も前年比6.2%増の3万8千戸前後と見込み、4年ぶりに前年を上回ると予測する。在庫の解消を優先して発売が後にずれていた新規の大型物件の供給が本格化するという。

価格高止まり 郊外は苦戦続く

都区部の好調さと対照的に郊外は苦戦が続く。2017年上半期(1〜6月)の発売戸数は神奈川県(3.9%減)、埼玉県(14.9%減)、千葉県(12.7%減)と東京都下を除いて軒並み減少した。背景にあるのが価格の高止まりだ。上半期における首都圏のマンション1戸あたりの平均価格は前年同期比で3.5%高の5884万円。上半期としては過去3番目に高い水準だ。東急不動産HDの大隈郁仁社長は「郊外は駅から遠かったり、共用部の魅力が薄かったりする物件は動きが鈍い」と認める。

不動産各社は郊外物件の需要開拓に注力する。東急不動産は郊外は駅前立地を重視して開発を進める方針だ。JR大船駅(神奈川県鎌倉市)の駅前再開発で、20年度の完成を目指してマンション開発を進める。

住友不動産が年初に発売した「シティテラス小金井公園」(東京都小平市)では共用施設にDIYルームを設けたり、約2km離れたJR武蔵小金井駅でシャトルバスを走らせたりするなどサービスを充実させた。「郊外は商品企画に特徴がないと売れない」と住友不動産の担当者は言う。

※住友不動産分譲「シティテラス小金井公園」(東京都小平市花小金井南町1丁目)総戸数922戸

シティテラス小金井公園

マンション大手の大京は首都圏郊外でも駅から徒歩10〜15分以上かかる土地は原則として仕入れていない。2000年代にトップを維持していた供給戸数を大幅に減らしているが「確実に利益になる場所にしか今後も出さいない方針」だという。

消費者が購入した割合を示す契約率は17年1〜6月の実績で67.3%と2年連続で好不調の分かれ目とされる70%を下回った。郊外物件は駅前物件などを除き、売れ行きの回復については不透明な部分が強い。

(2017年7月19日日本経済新聞朝刊13面抜粋)

上期の首都圏マンション発売

【…】「1~6月のモデルルームの来場者数や契約数は前年比で2割前後伸びている」。マンション販売で首位の住友不動産の担当者はこう話す。同社は東京・中央の晴海エリアで売り出し中のタワーマンション「ドゥ・トゥール」などが好調。「都心の湾岸エリアへの注目は高い」という。

東京建物の野村均社長は「都心や郊外の駅近物件の売れ行きはいい」と語る。5月に売り出した「Brillia Tower代々木公園CLASSY」(東京・渋谷)の第1期販売116戸の平均販売価格は1億2055万円と高額だが即日完売した。

※住友不動産分譲「DEUX TOURS(ドゥ・トゥール)」(東京都中央区晴海3丁目)総戸数1450戸

ドゥ・トゥール

※東京建物・住友商事分譲「Brillia Tower代々木公園CLASSY」(東京都渋谷区富ヶ谷1丁目)総戸数195戸

Brillia Tower代々木公園CLASSY

野村社長は「郊外でも東神奈川駅(横浜市)や八王子駅(東京都八王子市)などの駅前物件の引き合いは強く、市況の先行きについてそれほど心配はしていない」と言う。

首都圏における1~5月の新築マンション発売戸数は前年同期比9%増の1万2446戸。都心部の7千万~1億円前後の物件がけん引する。不動産経済研究所の松田忠司主任研究員は「一時期の低迷を脱しつつある」と評する。【…】

(2017年7月16日日本経済新聞朝刊6面抜粋)

現在、新築マンションを購入する主流はファミリー層ではなく、パワーカップルと呼ばれるフルタイムで働く共働き夫婦やDINKSと呼ばれる子どもを持たない共働き夫婦(Double Income No Kidsの略)となっています。

ファミリー層にとっては、買いたくても高すぎて買えないというところではないでしょうか。

パワーカップルやDINKS向けにマンションを売るのとファミリー向けに売るのは違うんだよ!

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2017.04.24

一方、関西はどうなのでしょうか。

マンション 近畿は好調

近畿圏の新築マンション販売が好調だ。不動産経済研究所(東京・新宿)が18日発表した近畿2府4県の2017年上半期(1~6月)のマンション市場動向は、契約率が76.9%と前年同期比5.1ポイント上昇した。好不調の分かれ目とされる70%を上回る状況が続いている。

上半期で契約率が上昇するのは13年以来4年ぶりだが、一貫して70%は上回っている。契約率が67.3%にとどまった首都圏とは対照的で、「西高東低」が続く

新規発売(供給)戸数は前年同期比1.4%減の8815戸。ホテルとの用地確保競争が激化したことで落ち込み、消費増税があった14年と並ぶ水準だった。

1戸あたりの平均価格は前年同期比2.7%低下の3709万円と、5年ぶりに前年同期を下回った。1㎡当たりの単価も0.2%低下の62.2万円だった。大阪市の物件などは価格上昇が続くが、京都や神戸などの市部で下落した。

特に京都市は平均価格が前年同期比24.1%低下。中心部に土地がなく、少し離れたところで家族向けに値ごろ感を出したマンション開発が進んだことが平均価格を押し下げた。

6月単月の新規発売戸数は前年同月比12.9%減の1321戸と3カ月ぶりに前年同月を下回った。契約率は6.9ポイント上昇の80.2%。

(2017年7月19日日本経済新聞朝刊関西経済35面抜粋)

新築マンション販売が好調にみえる関西ですが、郊外はともかく中心部の需要の実態は首都圏と同じく、DINKSシングル層中国人(外国人)投資家子育てを終えたシニア層と、家計に余裕がある世帯であり、本来の実需である若いファミリー層の購入意欲は、物件高騰化の影響でついていけず弱いのです。

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2017.07.05

実際に、首都圏における新築マンションの5月の発売戸数を部屋のタイプ別に見ると、1LDKや2LDKは前年同月をいずれも上回っていますが、3LDKや4LDKの減少幅はいずれも2桁に上っています。

アベノミクスがもたらした円安は中国人による日本の不動産の「爆買い」をもたらしました。昨年はイギリスのEU離脱ショックやトランプショックがあったことにより、総じて円高に振れ、実感値として中国人による不動産投資が減少していましたが、今年に入りまた少しずつ目立ち始めています。

こちらは三井住友アセットマネジメントが制作した中国主要70都市新築住宅価格動向のグラフです。中国主要70都市新築住宅価格

2015年4月を底に再度上昇しはじめた中国の不動産。中国政府は「全国人民代表大会」で、2017年の経済運営において不動産バブルの抑制に力を入れる方針を決定しています。例えば、北京市政府は、住宅ローンを借りたことがあれば「2軒目」の購入とみなされ6〜8割の頭金を求める不動産の抑制策を今年3月に導入しています。それにより、北京市の不動産販売面積は1〜5月に前年同期比31%も減少しています。

とはいえ、まだ不動産バブル崩壊を経験していない中国人。「不動産は下がらない」という不動産神話を信じている人も多く、不動産投資意欲が高いことから、現在のように抑制策を取られている間は、日本など含めて外国の不動産を買い漁っている層がいるのも事実です。もちろん、これらは実需ではなく値上がり益を求めての投資性としての不動産購入になります。

また、DINKSやシングル層、シニア層における居住用としての購入ではなく、単純に投資用として新築マンションの狭いタイプの部屋を買っている人も多く見受けられます。

投資マンション 11年ぶりの高値

ワンルームマンションをはじめ投資用不動産の価格上昇が続いている。関連情報サイト大手が11日発表したマンション1室の価格は4~6月の全国平均で1550万円。1~3月に比べて3.8%高く、2006年1~3月以来、約11年ぶりの高値となった。個人や海外投資家の根強い需要が背景にある。

関連サイト大手の健美家(東京・港)が自社登録物件の情報をまとめた。マンション1室(区分所有)の価格は3年前に比べて2割以上高い。年間賃料を価格で割った投資利回りは7.06%と、05年の調査開始以降で最低となった。アパート1棟の価格は6505万円と06年1~3月以来の高水準だ。

すでに高値にある大都市も上昇が止まらない。情報サイト運営のファーストロジックによると、東京都はマンション1室の平均価格が4~6月は1963万円と1~3月に比べ2.5%上昇。大阪府も1.1%上がった。利回りも低水準だ。

値上がりを支えるのは中国人投資家の購入だ。中古ワンルームマンション買い取り・販売のランドネット(東京・豊島)によると「中国の顧客を抱えた仲介業者への販売がこの半年で増えた」(栄章博社長)。中国は不動産価格の高騰が続いているため、日本の物件は割安に映るようだ。

個人の需要も根強い。中古ワンルームマンション販売の和不動産(東京・千代田)の仲宗根和徳社長は「老後に備え30~40代が購入するほか、相続をにらんで投資する50代以上も多い」と話す。

(2017年7月11日日本経済新聞朝刊3面抜粋)

昨年に比べて富裕層が動いているのは事実でしょう。しかし、現在の不動産市場の実需がファミリー層ではない、DINKSやシングル層、シニア層でもなく、不動産投資のウエイトが大きいのであれば、かなり危ういのではないのでしょうか。

 

2017年上半期の新築マンション市場の動きは?今、購入しているのは誰か

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ABOUTこの記事をかいた人

坂根大介

イクラ株式会社代表。1986年大阪生まれ。関西大学文学部卒業。野村證券株式会社に入社し、国内リテール業務を経て、その後三井不動産リアルティ株式会社(三井のリハウス)にて不動産売買仲介を行う。不動産売買取引の契約実務や物件調査の経験をもとに、プロ向けに不動産の調査方法や用語解説、不動産市況、一般消費者向けに不動産業界の見えにくくわかりづらい不透明な情報をわかりやすく発信している。 主な資格は、宅地建物取引士、JSHIホームインスペクター、2級FPなど。