電柱・電線大国の日本もいよいよ無電柱化が進む?

電柱・電線大国の日本もいよいよ無電柱化が進みそうです。

東京都は2017年度、電線を地中に埋めて電柱をなくす無電柱化で、市区町村の費用負担をゼロにする補助金を創設する方針を固めた。

補助の対象は新規に無電柱化を始めたり、既に始めていても先駆的に低コスト化に取り組んだりする市区町村。負担分全額を都が肩代わりする。無電柱化は小池百合子知事が昨夏の都知事選で公約に掲げた事業だ。進捗が遅い市区町村道の無電柱化を後押しする。

現在、都内の市区町村道を無電柱化する場合、国が55%、残る45%を都と市区町村の折半で負担する。都は17年度からこの市区町村の負担分を補助する。

無電柱化事業案は7〜8年程度かかる事例が多く、初年度は工事に先立って実施する調査設計が主となる。17年度の予算規模は2億円程度とする方針。工事が本格化する18年度以降に予算額が上積みされる見通しだ。

無電柱化を推進する考えの小池知事は昨年末、都道での電柱新設を原則禁止する条例を策定する方針を示した。

(2017年1月7日日本経済新聞夕刊1面抜粋)

東京都だけでなく、茨城県つくば市も昨年9月に無電柱化を推進する条例を施行しました。

茨城県つくば市が2016年9月、道路上で新たな電柱の設置を規制する条例を施行した。中心市街地とつくばエクスプレス(TX)各駅周辺の合計約380ヘクタールが対象。再開発に伴う景観の乱れを防ぐとともに、過去の竜巻災害を教訓に防災機能を高める。「研究学園都市」という国主導で整備された特殊な地域性が全国初の条例につながった。

「つくば市無電柱化条例」は、新たに戸建て住宅やマンションを建てる開発事業者に対し、地上に電柱を建てる開発事業者に対し、地上に電柱を立てて架空線を配線しないよう義務付けている。違反した事業者には市長が勧告を出し、従わないと事業者名や住所を公表する。関連機器や電線の埋設などの費用は事業者負担で、住宅1戸当たり100万〜150万円のコスト増になるとみられる。ただ既にある電柱を撤去する義務はない。

対象区域はTXつくば駅付近の中心市街地と研究学園駅、万博記念公園駅、みどりの駅周辺。各区域とも05年のTX開業を機に、住宅や商業施設などの建設が相次ぎ、景色が一変した。

条例の狙いについて、つくば市まちなみ整備科の小林遼平主任は「現在の景観を保ちたい」と話す。国主導で建設が進んだ筑波研究学園都市は、中心市街地で電柱のない街づくりに取り組んできた。これまでは地区計画で事業者に無電柱化を求めるだけで強制力はなかったものの、街並みが大きく乱れることはなかった。それがここにきて「中心市街地の再開発が本格的化し、電柱が増える恐れがでてきた」(小林主任)。

1970年代以降、多くの政府系研究機関が東京から移転してきた研究学園都市には約8000戸の国家公務員宿舎が建てられた。05年には公務員宿舎の売却が始まったが、市側の要請もむなしく、跡地開発に伴い電柱が立つ事例が出てきた。12年に国は財務省が管理する公務員宿舎の約7割を廃止する方針を打ち出し、14年に売却が本格化。つくば市は景観の乱れを懸念し、条例の検討に入った。

条例制定を住民はおおむね歓迎している。地元の不動産会社、ホソダ興産の細田健社長は「無電柱化が住宅購入の動機にはなりにくいが、電柱を気にする必要がないため設計の自由度は増す」と住宅購入者側の利点を話す。12年に市北部で起きた竜巻災害の教訓もある。街中で多くの電柱が倒れ、救急車の通行を妨げるなど二次被害を招いた。地中化すれば電柱の倒壊はなく電線も切れにくい。

東京都の小池百合子知事などが無電柱化の推進派として知られ、17年度の条例制定を検討しているが、最初から電柱のない街並みが整備された研究学園都市やTX沿線でほぼゼロからつくられた地区だからこそ、全国に先駆けて条例という手段をとりやすかったといえる。全国初の条例をどう街づくりにつながるか。自治体の注目を集めている。

(2017年1月9日日本経済新聞朝刊27面抜粋)

「無電柱化が住宅購入の動機にはなりにくい」とはいうものの、やはり電柱があるかないかでは、ない方が良いに決まっていますよね。

なかなか遅々として無電柱化が進まない日本ではありますが、少しづつ無電柱化の道路も増えてきています。そう言われてみれば「最近、空がきれいに青く見えるな」と思ったのは私だけではないでしょう。

こうした無電柱化は都心部、幹線道路、開発分譲地から行われています。しかし、高コストなのも事実です。劣化して、電柱を取替えないといけない道路から進めて欲しいですが、観光地の無電柱化は迅速に進めるべきです。

訪日外国人が増えている中、素晴らしいニッポンの観光地が「電線」で魅力半減、ということにはなってほしくないものです。

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ABOUTこの記事をかいた人

坂根大介

イクラ株式会社代表。1986年大阪生まれ。関西大学文学部卒業。野村證券株式会社に入社し、国内リテール業務を経て、その後三井不動産リアルティ株式会社(三井のリハウス)にて不動産売買仲介を行う。不動産売買取引の契約実務や物件調査の経験をもとに、プロ向けに不動産の調査方法や用語解説、不動産市況、一般消費者向けに不動産業界の見えにくくわかりづらい不透明な情報をわかりやすく発信している。 主な資格は、宅地建物取引士、JSHIホームインスペクター、2級FPなど。