大阪市内のマンションバブルはピークアウトし、いざ冬の陣へ!

大阪マンションバブル冬の陣

人口減社会がもたらした不動産の需要

総務省が2016年10月に発表した2015年国勢調査の確定値によると、総人口は1億2709万4745人となり2010年の前回調査から約96万人減少した。国勢調査としては1920年の調査開始以来、初めて総人口が減少に転じた75歳以上の人口は1985年の時点では471万人だったが、30年間で3.4倍の1612万人と総人口の8人に1人」を占め、初めて14歳以下の子ども(1588万人)を上回った。

近畿2府4県の人口も2072万人と2010年の前回調査から17万7千人(0.85%)減少した。増加から減少に転じた大阪のほか、滋賀を除く4府県の減少率が拡大し、近畿全体でも1947年以来68年ぶりに減少した。働き手の生産年齢人口(15〜64歳)も縮小し、1236万人と82万人(6.2%)減った。少子高齢化は厳しさを増している。

国勢調査とは?

人口や国民の就業実態などを把握するため5年に1度実施する調査。日本に3カ月以上住む外国人も含み、日本に在住する全員を対象にしていることから調査結果が最も実態に近いとされている。総務省は10月1日を基準日に約70万人の調査員を動員して調べる。

通常は調査翌年の2月に速報値、6月に抽出調査、10月に確定値を公表する。衆院選の区割りを見直す際の基礎データになるなど、国の政策に幅広く活用される。西暦の末尾が5の年は簡易調査で基本的な17項目を調べ、末尾が0の年の大規模調査は質問項目が増える。毎月の人口の動きを調べる「人口推計」は国勢調査を基に実施する。

人口に関する調査はほかに総務省が住民票の情報を使って毎年調査する「住民基本台帳に基づく調査」や、厚生労働省が出生数や死亡数などの動向を使って毎月集計する「人口動態統計」などがある。両調査は人口に関するタイムリーなデータとして活用されている。

大阪府も前回調査までは人口が増えていたが2万5千人の減少に転じた。近畿の人口が減少に転じるなか、目立ったのは通勤や買い物に便利な都心部の急激な人口増加だ。近畿で人口増加率が高かったのが大阪市中央区の18.3%。大阪市では中央区のほか、キタやミナミに近い浪速区、北区、西区で人口増加率が10%を突破した。

働き手の人口が減ったことが意味するものは、男性だけでは足りないので、女性や高齢者の労働参加を促す結果になった。これはアベノミクスの働き方改革が推し進めているものでもある。

この夫婦共働き世帯でも、DINKSと呼ばれる子供を持たない共働き夫婦【Double Income No Kids(2つの収入、子供なし)の頭文字などを並べたもの】は、通勤や生活利便施設(スーパーだけでなく、クリーニングやコインランドリー、飲食店など)に便利な都心部に住む傾向がある。

また、今年2月の完全失業率は2.8%まで下がった。これは1994年6月以来、22年8カ月ぶりだ。働く意欲と能力を持つ人がすべて雇われ、これ以上は失業率が下がりにくい「完全雇用」といわれる状況だ。有効求人倍率も四半世紀ぶりの高水準だ。

労働市場が急速に引き締まっている理由には、景況感の改善があるが、もう1つは人口減だ。15〜64歳の生産年齢人口は1997年の8699万人をピークに減り続け、2月は7620万人だった。20年間で約1000万人、年平均でおよそ50万人という先進国では例をみないペースで減っており、働き手の補充が追いつかない。

転出入に見る関西の人口(上) 兵庫、20代流出やまず

総務省が発表した住民基本台帳に基づく2016年の人口移動報告(外国人を除く)で、関西では兵庫県を筆頭に転出者が転入者を上回る「転出超過」の府県が目立った。転入超過だった大阪府も超過数は減った。若年層を中心に東京圏に引きつけられる傾向がより顕著になっており、いかに歯止めをかけるかが課題となっている。

兵庫県は5年連続の転出超過で、超過数(6760人)も北海道、熊本地震が発生した熊本県に次いで全国3番目に多かった。和歌山県(3894人)、奈良県(3619人)も多い。

深刻なのは20代の流出だ。関西6府県の20~24歳の転出超過数は約1000人増の3052人で、兵庫県に限ると3696人にのぼる。一方で同年代の全国からの東京圏への転入超過数は約6万8千人。就職などを機に地元を離れて東京圏に向かうケースが多い。

井戸敏三知事は「就業(の場を生み出す)力が衰えてきているのかもしれない」と危機感を募らせている。若年層が東京に吸い寄せられることに加え、地域の人口増の原動力の一つだった西日本からの人口流入も近年は横ばいだ。12年の三菱重工業神戸造船所(神戸市)の商船建造撤退や16年のパナソニック姫路工場(姫路市)でのテレビ用液晶パネルの生産終了といった製造業の空洞化の影響とみられる。

兵庫県は16年1月にUJIターン促進のための拠点「カムバックひょうご東京センター」を東京都千代田区に開設、今年4月からは職業紹介の機能も持たせる。

(2017年2月9日日本経済新聞朝刊近畿経済35面)

転出入に見る関西の人口(中) 若者「徒歩通勤圏」へ

2016年も20代を中心に都心回帰は続いた。住民基本台帳に基づく人口移動報告によると、神戸市や大阪市では、徒歩・自転車で通勤や買い物が可能な都心地域が1000人を超える転入超となった。一方、同じ府県でも、ニュータウンや中小企業の集積地は転出超過が続いている。

近畿の市区町村で転入超過数が最多だったのは神戸市中央区の2238人。市全体では転出超だが、ターミナル駅がある三宮周辺などに「職住近接」を望む20代の転入が際立つ。

大阪市でも中央区は人気が高く、1337人の転入超過だ。同市西区の転入超過数は2083人と近畿で2位。ミナミから徒歩圏内の堀江、緑が豊富な靱公園周辺に住む若者が多い。

一方、転出超過数は堺市南区が1655人と最多だった。「泉北ニュータウンで建て替えが相次いでいる」(堺市企画部)ため、幅広い世代の流出が続く。

東大阪市も中小企業の力が弱まり若者の転入が減った。隣接する大阪市や奈良県生駒市などに人口が流出しているとみられる。

東大阪市は4日、25~45歳の男女40人が参加した初の婚活支援イベントを開催した。「出会いの場を提供し、若い世代の結婚や子育ての希望を後押ししたい」(企画室)として17年度もイベントを拡充する。

(2017年2月10日日本経済新聞朝刊近畿経済35面)

転出入に見る関西の人口(下) 子育て世代、箕面・吹田へ

20代の都心流入が続く一方、子育て世帯はどう移動しているのか。住民基本台帳に基づく人口移動報告では、0~9歳の転入超過数の上位に府県中心部からやや離れた自治体が並んだ。緑が豊かで子育て支援が手厚いのが共通点。30~39歳でも似た傾向がみられる。

※子供の転入超過数は30代と似た傾向を示しており、これは子供が増えたので広い家が欲しいなどのライフサイクルに伴う居住用不動産の購入=実需を示している。

0〜9歳 30〜39歳
【転入超過】
大阪府箕面市 527人 435人
大阪府吹田市 502人 793人
兵庫県三田市 289人 176人
京都府木津川市 271人 334人
兵庫県宝塚市 247人 315人
【転出超過】
兵庫県尼崎市 ▲615人 ▲420人
京都市 ▲861人 ▲1362人
大阪市 ▲3538人 ▲1969人

大阪府箕面市の0~9歳は527人の転入超。新興住宅地の箕面森町、彩都(国際文化公園都市)などで一戸建ての開発が進んだことが大きい。全公立小・中学校の通学路に防犯カメラを設置するなどの施策も近隣の住民を引き付ける。

千里ニュータウンなどマンション開発が進む大阪府吹田市も大阪市や首都圏からの転入が多い。京都では木津川市などが人気だ。

全世代で転入超の大阪市は0~9歳に限れば3538人の転出超だ。阿倍野区など一部を除き子育て世帯が市外に引っ越す流れが続く。京都市や兵庫県尼崎市も転出が多い。就職後は都心で働き、結婚・出産後は子育てしやすい場所に住むという姿がうかがえる。

転入が多い自治体も課題を抱える。大阪府吹田市は保育所に入れない待機児童が急増。市は昨年春、解消に向けたアクションプランを作った。自治体はこまめな子育て支援が不可欠だ。

(2017年2月11日日本経済新聞朝刊近畿経済35面)

20代の単身者やDINKSは「通勤と利便性」を優先して都心居住しているが、30代の子育て世帯は、「子育ての環境」を選んで市外を選んでいる市外といっても、都心にアクセスが良い「駅チカ」だ

単身者やまだ子どもを儲けていないDINKSが、本当に100㎡のタワーマンションを購入するだろうか?もちろん、購入できるものなら広い方が良いだろうが、購入できる人は限られた一握りの成功者のみだ。都心を優先するにしても、現在の賃料と比較して購入する。そうなると2LDKのタイプも多いのではないだろうか。

ちなみに単身者の世帯数は、ひとり暮らしの増加で5344万世帯と過去最高を更新した。しかし、単身者というのは20代の若者だけではなく、とりわけ、高齢の女性のひとり暮らしが目立つ。女性の単身世帯を年齢別の割合でみると、70代が19.6%と最も多いし、80歳以上も19.0%に達する。女性は男性より平均寿命が長く、夫に先立てれてひとり暮らしをするケースが多いようだ。

 

次は、高齢化社会と売れる不動産の関係

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ABOUTこの記事をかいた人

坂根大介

イクラ株式会社代表。1986年大阪生まれ。関西大学文学部卒業。野村證券株式会社に入社し、国内リテール業務を経て、その後三井不動産リアルティ株式会社(三井のリハウス)にて不動産売買仲介を行う。不動産売買取引の契約実務や物件調査の経験をもとに、プロ向けに不動産の調査方法や用語解説、不動産市況、一般消費者向けに不動産業界の見えにくくわかりづらい不透明な情報をわかりやすく発信している。 主な資格は、宅地建物取引士、JSHIホームインスペクター、2級FPなど。