大阪市内のマンションバブルはピークアウトし、いざ冬の陣へ!

大阪マンションバブル冬の陣

高齢化社会がもたらした不動産の需要

郊外にマイホームを建てたサラリーマンが高齢化とともに、都心への移動や家の手入れが便利な駅前のマンションへ住み替える動きが広がっている。駅前には商業施設や病院がそろっているだけでなく、セキュリティから戸建てよりマンションを選ぶ傾向がある。

引退シニア 駅チカマンションへ 郊外戸建て、この先心配…

宅配の取り次ぎやゴミ出しも楽だし、管理人が常駐するので安心」。そう話すのは菊池正英さん(74)。神奈川県三浦市の一戸建てから東京都心の賃貸マンションへ5年前に移った。現役時代、都心の出版社へ片道2時間かけて通ったが、今は品川駅から徒歩5分の便利な場所に住む。自然環境の良さや始発駅にあることに引かれ28年前に自宅を建てたが、定年後も東京へ出かける機会が多く移動がつらくなった。「今はすぐ都心に出られ、近くに商業施設や医療機関もあり便利」と菊池さん。

郊外から最寄り駅近くに移る例もある。千葉市の吉田勝昭さん(74)はJR総武線・稲毛駅からバスで12分の一戸建てに住んでいたが、年をとるにつれ庭の手入れが大変になった。古い家なので冬は寒く地震による倒壊も心配だった。67歳で会社を辞めたのを機に転居先を探し、駅から徒歩2分の中古マンションを購入した。稲毛にこだわったのは、友人と離れたくない妻の希望を尊重したから。今も東京へ行くことが多く、「駅前だと外出しやすい」と満足そうに話す。

駅前マンションは高齢者に人気だ。都内のJR中央線・国分寺駅前に建設中の「シティタワー国分寺ザ・ツイン」は昨年、第1期の70戸が即日完売した。分譲する住友不動産によると、契約者のうち60代が約2割、70代も1割弱を占め、50代を含めると半分強に上った。

※住友不動産分譲「シティタワー国分寺ザ・ツイン」(東京都国分寺市本町2丁目・3丁目)総戸数583戸

シティタワー国分寺ザ・ツイン

マンションの購入層は30~40代が中心だが、最近の都心や駅前物件は50代以上が多い。国分寺ザ・ツインも購入者の過半数が駅周辺や沿線の一戸建てに住む。担当の追林安昌さんは「駅前立地の利点に加え、庭の草むしりなどから解放されたいと思うシニアも多いのではないか」という。

こうした需要に応えたのが昨春、都内の京王線・千歳烏山駅近くに完成した「ザ・パークハウス千歳烏山グローリオ」だ。目玉は18戸のユニバーサルプラン住戸。車いすが通れるよう廊下幅を広げ、引き戸も多用。人の動きを感知するセンサーも標準装備した。分譲した三菱地所レジデンスによると、半分以上が55歳以上のシニア層。担当した戸倉川真一さんは「この地域は古い住宅街。マンションの立地と利便性を考え、周辺から住み替えた人が目立つ」と話す。

※三菱地所レジデンス分譲「ザ・パークハウス千歳烏山グローリオ」(東京都世田谷区南烏山5丁目)総戸数265戸

駅前のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)も人気だ。京王電鉄が2月に都内の聖蹟桜ケ丘駅前に開いた「スマイラス聖蹟桜ケ丘」もその一つ。開設前から内覧者が相次ぎ、53戸のうち既に8割が埋まった。周辺の丘陵地には住宅街が広がる。京王電鉄はそうした坂の街からの移住を見込む。実際、地元の多摩市内からの転居が約3割を占め、沿線を含めると8割に達する。担当の野村和伸さんは、「今は元気だが、将来に備えて入る人が多い」と話す。

※京王ウェルシィステージ分譲「スマイラス聖蹟桜ケ丘」(東京都多摩市関戸1丁目2-11)総戸数53戸

 

問題は残った家の処分。売却・賃貸もあれば、そのままにする人もいる。冒頭の菊池さんは週末用の家に使っている。最近は空いた家に子世帯が移り住む例もある。いわゆる近居だ。スマイラスの入居者の中にも何組かあった。子世帯は家を安く手に入れ、親も子が近くにいれば安心。親子間の住まい循環は、空き家問題を解決する処方箋の一つになるかもしれない。

医療・福祉の視点から街づくりを提唱する1級建築士の山崎敏さんは「要介護率が高まる75歳以上の後期高齢者は今後、都市部で急増する。元気なうちに郊外から便利な駅前や都心に住み替える動きは加速するだろう」と指摘する。

周辺にスーパー・病院「必要」

内閣府が2015年にまとめた「国土形成計画の推進に関する世論調査」によると、居住地域を選ぶ際に重視する条件(複数回答)は1位の「治安が良い」に続き、「医療・介護の環境が整っている」「買い物が便利」が上位に入った。ともに回答者の6割以上が挙げた。年代別でみると、特に60代は約7割が医療・介護を挙げており、健康面への関心の高さがうかがえる。

移住で重視するのは医療や買い物の便利さ

同じ調査で、徒歩や自転車で行ける範囲で必要な施設を聞いたところ、1位に「スーパー」(73%)、2位に「コンビニ」(69%)、3位に「病院」(61%)が入った。やはり自宅周辺に、商業施設や医療機関などの生活インフラ施設を求める傾向が強いことが改めてわかった

(2017年3月15日日本経済新聞夕刊8面抜粋)

都心部に集まる人口の主体はタワーマンションなどに住む若い家族連れや高齢者だ。高齢者にとって、容易に買い物することが困難な、駅から遠い戸建街の第一種低層住居専用地域の土地価格が下落しているのは普通のことではなかろうか。こうした都心部に人口が集まる分、過去にニュータウンが開発された郊外や山間部では人口減少の波が予測を超えて押し寄せている。

高齢者にしても、それほど広い家はもう必要ないだろう。こちらも2LDKや3LDKの広さで間取りを変更したような物件が需要なのだろう。ただ、もう入ってくる収入より出て行く収入が多い高齢者が、無理して今、「バブル」と言われている都心部のマンションを購入すると思えないのだ。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

坂根大介

イクラ株式会社代表。1986年大阪生まれ。関西大学文学部卒業。野村證券株式会社に入社し、国内リテール業務を経て、その後三井不動産リアルティ株式会社(三井のリハウス)にて不動産売買仲介を行う。不動産売買取引の契約実務や物件調査の経験をもとに、プロ向けに不動産の調査方法や用語解説、不動産市況、一般消費者向けに不動産業界の見えにくくわかりづらい不透明な情報をわかりやすく発信している。 主な資格は、宅地建物取引士、JSHIホームインスペクター、2級FPなど。