世界の大阪市此花区はカジノと万博でバブルのか?

世界の大阪市此花区はカジノと万博でバブルのか?

こちらは2017年2月13日に書いた記事です。2018年7月20日にカジノ法案[カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案]が成立しました。カジノ法案のポイントは次の5つです。

  • 当面は全国3ヵ所まで
  • カジノの面積はIR施設の延床面積の3%まで。IR施設とは、カジノのほか、国際会議場や展示施設、ホテルなどを併せた統合型リゾートの略
  • 日本人の入場は週2日、月10日まで。マイナンバーカードで管理
  • 日本人の入場料は1日6,000円
  • 事業者はカジノ収益の30%を国・都道府県に納める

大阪府市は夢洲への2025年万博の誘致成功を見据え、IR開業目標を2024年としており、スケジュールは既にギリギリの状況です。

また、昨年2017年夏頃からUSJの周辺のマンションなどに、中国人など外国人がマンションを購入するケースがかなり増加しております。

2016年末、民泊サービス最大手の米Airbnb(エアービーアンドビー)が驚きの発表をした。

「2017年世界の注目観光地ランキング」で大阪の此花区が第4位に選ばれたからだ。2015年から2016年に大阪市此花区への海外観光客が激増しているとのことだ。[登録されている300万件の宿泊施設に滞在した1億4000万人以上のバックパッカーから抽出されたデータ]

1 ニューオーリンズ・ミルバーグ アメリカ・ルイジアナ州
2 クアラルンプール・カンポンバル マレーシア
3 メルボルン・フィッツロイ オーストラリア
4 大阪・此花区 日本
5 マルセイユ・シュットラヴィ フランス
6 トロント・ロッククリフスマイス カナダ
7 マイアミ・ミッドタウン アメリカ・フロリダ州
8 メキシコシティ・ナルバルテ メキシコ
9 シアトル・ウェストシアトル アメリカ・ワシントン州
10 マドリード・ウセラ スペイン
11 バンコク・ディンデーン/フアイクワン タイ
12 シドニー・チッペンデール オーストラリア
13 ソウル・大学路 韓国
14 ミネアポリス・リンデール アメリカ・ミネソタ州
15 ダブリン・フェニックスパーク アイルランド
16 ブエノスアイレス・チャカリータ アルゼンチン
17 プラハ・シジュコフ チェコ

確かに掲載されている。

Airbnb此花区

理由についてはこのように述べている。

Set at the mouth of the Yodo River, Konohana-ku is steps away from Universal Studios Japan and endless waterfront views.

淀川の河口に位置する此花区は、USJや絶景のウォーターフロントから歩いてすぐです。

「最高のエンターテインメントを集めたセレクトショップ」を標榜しているUSJは、日本が世界に誇るアニメもテーマパークの中にふんだんに取り入れている。

マリオUSJ

実際、「ユニバーサル・クールジャパン」は外国人観光客からの評判が良い。ユニバーサル・クールジャパンとは、2015年から毎年開催されている、日本が世界に誇る「クール」なエンターテイメントブランドの世界観をリアルに体感できるというイベントだ。

また、任天堂のキャラクター「スーパーマリオ」の世界観をテーマにしたエリア「SUPER NINTENDO WORLD」を、2020年の東京五輪前にオープンすると発表している。

USJはわかるのだが、驚いたのはウォーターフロントについてだ。

大阪 at Night ブログ』を見ると、美しさに感嘆すると思う。そのほとんどが「大阪負の遺産」と言われ続けているハコモノ行政の象徴ではあるのだが、外国人から評価されると嬉しいものだ。

訪日外国人客(インバウンド)消費は「爆買い」から、地方観光や日本の文化、伝統を楽しむ体験型の「コト消費」にシフトしている。そういう意味で関西の、大阪の、「此花区」が選ばれたことは不思議でもない。

爆買い一服 体験型躍進

2016年に近畿2府4県に滞在したインバウンド(訪日外国人)の消費総額は4827億円と前年比14%増え、伸び率は全国(8%)を上回った。外国人1人当たりの消費単価は15年のピーク時に届いていないが、大阪を中心に史跡巡りやテーマパークなど体験型消費が広範囲で伸び、滞在期間も長期化した。17年は京都や奈良を含む単価底上げが課題となる。

外国人客が関西で買い物や宿泊、娯楽に使った総額を日本政府観光局と観光庁の統計から算出した(航空・船運賃や旅行前に払うパック旅行代金に含まれる費用除く)。

関西の消費総額は前年を602億円上回った。阪神梅田本店(大阪市)の15年度売上高(589億円)を上回る金額が増えた計算だ。府県別の総額は大阪府が28%増の3453億円。関西全体に占める割合は72%と前年の64%から広がった。

インバウンド消費は16年前半に世界同時株安などで鈍化し、後半に円安などを受けて持ち直した。大阪の16年10~12月の1人当たり単価は4万1641円と前年同期比26%増えたが、高額品の爆買いが鈍る前の15年4~6月(4万3696円)の水準には届かない。京都の単価は1万9094円、兵庫は1万5059円。奈良は3351円と2府4県で最下位だ。

単価の伸び悩みをカバーしたのは客数増加だ。16年の客数は1959万人と34%増。府県別では大阪が31%増の940万人と大きく伸びた。大阪観光局の溝畑宏局長は19日の記者会見で「17年は1000万人を超さないといけない。出入国審査の迅速化や案内所の充実を進めたい」と話した。京都は37%増の660万人。奈良は60%増え兵庫を上回り3位となった。

宝飾品などの消費が鈍る一方、日用品や食品は堅調だ。江崎グリコは16年2月に発売した地方限定ポッキーが外国人に人気。免税店での売り上げが全体の4割強を占める。「箱に書いた『日本限定』の文字やブランド力を持つ素材が訪日客をひきつけている」(同社)。ドラッグストアでも定番商品以外に売れ筋が広がる傾向がみられる。

インバウンド消費を押し上げたのが施設巡りやテーマパーク。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの塚田裕昭主任研究員は「関西は歴史的な観光施設やテーマパークが集積し、モノ消費からコト消費への移行に成功している」と語る。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)の外国人客は全体の約1割だが、人数は「前年比2桁増えている」(ユー・エス・ジェイの森岡毅執行役員)。

16年7月にエキスポシティ(大阪府吹田市)内に開業した高さ日本一の観覧車「レッドホース オオサカ ホイール」も訪日客が増えている。運営するフェリスウィールインベストメント(東京・港)は「外国人6人からプロポーズ用に予約があった」という。阪神電気鉄道子会社の六甲山観光(神戸市)は人工スキー場で16年に始めた外国人向けスキー教室が好評だ。

滞在期間も延びている。16年10~12月の平均宿泊数は東京都が前年同期比微減となった一方、大阪府の平均宿泊数は3.3泊と0.2泊増えた

17年は格安航空会社(LCC)の増便などで客数は伸びる見通しだが、単価底上げが重要になる。奈良は東大寺や奈良公園を日帰りする客が多く、ホテル不足が宿泊客拡大のネックだ。

京都市の幹部は「伝統産業品をいかに買ってもらえるかなど物販が課題」と語る。京都は訪日客らが東京から大阪までの観光地を巡るゴールデンルートの中間に組み込まれるため、移動時に荷物になる土産を買う訪日客が多くない。土産を海外発送できる体制の整備や、他都市で購入できない商品の開発が必要だ。

(2017年1月20日日本経済新聞朝刊35面抜粋)

さて、ここで此花区がどのような区か説明しておこう。

大阪市此花区は、大阪市の西部に位置しており、北側は淀川、南側は安治川に囲まれている。区の西側は大阪湾の埋立地となっており、沖合に舞洲と夢洲がある。

区の名称は、各地域が地元の名称を名付けようとしたため、平安時代に誰でも知っている歌の代名詞だった王仁の作である『難波津の歌』から引用した。

難波津に 咲くやこの花 冬ごもり 今は春べと 咲くやこの花

かつて、安治川が開削されるまでは、大坂市街へ遡上できない大型船から小舟に積み替える地として、伝法を中心に栄えた。(伝法川の河口には大きな澪標[みおつくし]が建てられていた。現在の大阪市の市章である。)

此花区

明治に入ると、住友グループを中心に工場が建てられ、「西六社」(住友電工・住友金属[新日鉄住金]・住友化学・日立造船・大阪ガス・汽車製造[川崎重工業])と呼ばれる大規模な工場が建てられた。戦後も阪神工業地帯の中心として栄えたが、石油ショック以降の産業構造の転換により、重工業は地方や海外移転が進み、工場などの空き地が増えた。実際、USJも日立造船と住友金属の工場跡地に建設された。

人口は大阪市24区中23番目の66,656人(平成27年国勢調査による)だ。工場跡地に住宅建設が進んでいるため、人口は微増しているが、お世辞にも人気がある街ではない(地価が高くない)。

人口減少社会になった今、都心回帰が進んでいるが、大都市の中でも「人口が増えている地域=人気がある地域=地価が高い地域」であることがはっきりわかる。

平成27年国勢調査による大阪市区別の人口増減率(平成22年比較)

(平成27年国勢調査による大阪市区別の人口増減率[平成22年比較])

さて、この決して人気の高くなかった此花区の地価が上がるのではないかと考えられている。

理由は、沖合の人工島「夢洲」に計画されているIR(カジノ)と万博だ。

2025年に大阪万博が開かれる夢洲はシンガポールになるのか

2016.12.05

夢洲開発3段階で「カジノ→万博会場→滞在型リゾート」

大阪府・市や経済3団体は6日、大阪湾の人工島、夢洲(大阪市此花区)を国際観光拠点とする「夢洲まちづくり構想案」をまとめた。総面積390ヘクタールのうち中心の170ヘクタールが対象。2024年ごろの誘致を目指すカジノ併設の統合型リゾート(IR)など3段階に分けて整備し、娯楽施設も誘致する。実現するかどうかは25年の国際博覧会(万博)誘致などの成否に影響される。

第1期(70ヘクタール)ではIRの核となるカジノのほか、ホテルや商業施設、「MICE」と呼ばれる国際会議・展示施設を誘致する。第2期(60ヘクタール)は府などが誘致を目指す万博の会場として整備。万博後を見据えてエンターテインメントを体験できる拠点のほか、海外の富裕層らが高度医療を受けられる医療ツーリズム、リハビリ機能を持ったスポーツツーリズムの機能を拡充する。

第3期(40ヘクタール)では長期滞在型リゾート施設を整備する計画だ。全体の完成時には建設投資8240億円、建物だけで延べ床面積180万平方メートル、年3千万人の集客を見込む。

夢洲にはコンテナターミナルのある物流ゾーン、緑地化するグリーンテラスゾーンも整備する計画だ。島内にロープウエーやモノレール、水路を設ける場合には水上交通も検討する。シンガポールのIR施設、マリーナベイ・サンズに対抗するビルの設計や都市景観を目指す

構想では東側の人工島、咲洲から市営地下鉄中央線を延伸し、24年に夢洲中央部に新設する「夢洲駅」と結ぶ。万博閉幕後の26年以降はJR桜島線、京阪中之島線を延伸する「北ルート」も開通する

市は年1500万人の集客を予想する1期完成時は地下鉄延伸で間に合うが、2700万人の集客を予想する2期完成時では交通インフラが不足するとみている。

道路については北側の人工島、舞洲と結ぶ夢舞大橋を4車線から6車線に拡幅する。観光拠点に向かう道路を高架にして物流用のトラックと分離する案も提示した。

夢洲再開発に関連するプロジェクト予定
2017年 IR実施法成立?
2018年 万博の開催地決定
2020年 東京五輪
2023年 うめきた2期まちびらき予定
2024年ごろ 大阪市営地下鉄中央線延伸の開通
IR開業
2025年 万博開催?

(2017年2月7日日本経済新聞朝刊35面抜粋)

まだ、カジノ併設の統合型リゾート(IR)の誘致・万博の誘致は大阪ときまったわけではない。そのため、今から「此花区の地価は上昇する」と話すのは時期尚早ではあるが、政府としては、どちらも大阪への誘致を強力に推し進めるものと思われる。

その背景には、2020年東京オリンピック後、日本経済は急速に萎むのではないかという政府の懸念がある。それこそ今はなんでも「東京オリンピックまでは」と言っている中、実際に終わってしまうと本当に終わってしまう。そのため、次は「IR」「大阪万博」という目標が欲しいのだ。それこそ1964年東京オリンピック、1970年大阪万博が行われた歴史と同じだ。

そのため、IRは国民の大反対がない限り決まると思うが、問題は2018年だろう。既にフランスのパリは立候補を表明している。これになんとしても勝つしかない。

あくまでも此花区の地価上昇は、夢洲へのIR(カジノ)と万博誘致決定が前提となるが、そうなると京阪中之島線の延伸が現実味を増してくる。今までなかったところに鉄道が敷かれ、駅ができると地価が上昇するだろう。それもその先には巨大なアミューズメントエリア・夢洲があるのだ。新たな雇用先が生まれる。

現時点で、現実性の高い大阪市営地下鉄中央線の延伸(コスモスクエア〜夢洲)やJR桜島線の延伸(桜島〜夢洲)の延伸先に住宅地がないため、住宅地価の上昇の恩恵はない。また、大阪環状線東のターミナル駅「京橋駅」に並んで、西のターミナル駅になるであろう「西九条」も、京阪中之島線が通るかどうかで変わると思われる。

此花区用途地域

そもそも、此花区は工業専用地域が多い。工業専用地域には住宅が建てられない。もし、延伸が決定されたら大規模な都市開発を行う可能性がある。USJも、かつて工業専用地域だったところを商業地域と準工業地域に用途変更されたので、商業施設やマンション・ホテルが建てられるのだ。

第一種住居地域 住居の環境を守るための地域で、3000㎡までの店舗・事務所・ホテルなどは建てられる。
第二種住居地域 主に住居の環境を守るための地域で、店舗・事務所・ホテル・カラオケボックスなどは建てられる。
近隣商業地域 まわりの住民が日用品の買物などをするための地域で、住宅や店舗のほかに小規模の工場も建てられる。
商業地域 銀行・映画館・飲食店・百貨店などが集まる地域で、住宅や小規模の工場も建てられる。
準工業地域 主に軽工業の工場やサービス施設等が立地する地域で、危険性・環境悪化が大きい工場のほかはほとんど建てられる。
工業地域 どんな工場でも建てられる地域で、住宅やお店は建てられるが、学校・病院・ホテルなどは建てられない。
工業専用地域 工場のための地域で、どんな工場でも建てられるが、住宅・お店・学校・病院・ホテルなどは建てられない。

例えば、USJ周辺に建っている分譲マンションは恩恵を受けられるだろう。もちろん、私見であり、将来値上がりを保証するものではない。(以下同じ)

USJ周辺分譲マンション

USJ周辺で、売買できる分譲マンションはユニバーサルシティ駅前に固まっており、どのマンションもまだ築浅といえる。

①キングマンション大阪ベイ

キングマンション大阪ベイ

  • 平成21年建築
  • 15階建
  • 総戸数178戸

②ルナタワー・ハリウッドプレイス

ルナタワーハリウッドプレイス

  • 平成20年建築
  • 22階建
  • 総戸数246戸

③リバーガーデンシティさくらの丘

リバーガーデンシティさくらの丘

  • 平成19年建築
  • 20階建
  • 総戸数220戸

④リバーガーデンシティアリス

リバーガーデンシティアリス

  • 平成21年建築
  • 20階建
  • 総戸数184戸

⑤リバーガーデンシティせせらぎの丘

リバーガーデンシティせせらぎの丘

  • 平成19年建築
  • 19階建
  • 総戸数190戸

⑥リバーガーデンこのはな

リバーガーデンこのはな

  • 平成18年建築
  • 20階建
  • 総戸数279戸

⑦リバーガーデンECOシティアリスの森

リバーガーデンECOシティアリスの森

  • 平成23年建築
  • 24階建
  • 総戸数295戸

ちなみにUSJから海遊館などのある天保山は安治川を挟んで目と鼻の先にある。しかし、車で行こうと思うと、高速道路(阪神高速)を利用しなければならず、非常に行きにくい。

しかし、実は無料の渡し船がある。

天保山渡船場

(天保山[築港]側の住所:大阪市港区築港3-2-25、USJ[桜島]側の住所:大阪市此花区桜島3-10-34)

3分ぐらいで対岸に渡れる。最近は、訪日外国人の利用者も増えている。対岸側に到着し、お客様が乗船次第すぐ出航する。

天保山渡船場時刻表

天保山(築港)にあるマンションも恩恵を受けられる可能性が高い。(※天保山は大阪市港区です。)

天保山分譲中古マンション

天保山第五コーポ
二条通住宅
天保山第二コーポ
天保山第四コーポ
天保山第一コーポ
天保山第三コーポ
パークハイツ港
シャトールポート
港住吉住宅

もちろん、夢洲に隣接する咲洲のマンションも地価上昇するだろう。(※咲洲は大阪市住之江区です。)

咲洲分譲中古マンション

ローレルスクエア大阪ベイタワー
リバーガーデンコスモスクエア
シーサイドレジデンスコスモスクエア駅前
ベイサイドシティコスモスクエア駅前
サンフラワーハイツ南港はなのまち住宅
大阪マリンハイツ
南港フローラルハイツ
近鉄南港ガーデンハイツ
かもめ第1コーポ
かもめ第2コーポ
南港コープうしお
南港ポートタウンうしお25号棟
エバーグリーンポートタウン

もし、民泊を考えている人は、民泊を禁じる管理規約の変更が行われているマンションが最近多くなっていることに注意が必要だ。

「IR(カジノ)」と「万博」。二つの大きなビッグテーマを持つ此花区の今後に大注目だ。