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不動産売買契約書の「管轄裁判所に関する合意」とは

不動産売買契約書の「管轄裁判所に関する合意」とは

(この項目では、FRK・宅建協会・全日・全住協の契約書を念頭に説明しており、書式や記載方法は微妙に異なっていますが、用語の意味や記入すべき内容は基本的に同じです。ここではFRKの記入方法を中心に解説しています。)

不動産(土地・建物・マンション)を売買する際、契約書に「管轄裁判所に関する合意」という項目があります。

(管轄裁判所に関する合意)

第21条 売主、買主は、本契約に関する管轄裁判所を本物件所在地を管轄する裁判所とします。

「管轄裁判所に関する合意」の意味と内容

こちらは、不動産売買に関して売主・買主間での争いになり、裁判が起きたとき、第一審の管轄裁判所どこで行うかあらかじめ合意しておく条項です。こちらの条項により、売主または買主が訴訟を起こす場合には、本物件の所在地を管轄する裁判所に訴訟を提起しなければなりません。

当事者は、第一審に限り、合意により管轄裁判所を定めることができる。
2 前項の合意は、一定の法律関係に基づく訴えに関し、かつ、書面でしなければ、その効力を生じない。
3 第一項の合意がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その合意は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。

民事訴訟法第11条

仮に、他の裁判所で訴訟が起こされたとしても、こちらの条項を主張して、本物件の所在地を管轄する裁判所にその訴訟を移送するよう請求できます。

第一審裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、当事者の申立て及び相手方の同意があるときは、訴訟の全部又は一部を申立てに係る地方裁判所又は簡易裁判所に移送しなければならない。ただし、移送により著しく訴訟手続を遅滞させることとなるとき、又はその申立てが、簡易裁判所からその所在地を管轄する地方裁判所への移送の申立て以外のものであって、被告が本案について弁論をし、若しくは弁論準備手続において申述をした後にされたものであるときは、この限りでない。
2 簡易裁判所は、その管轄に属する不動産に関する訴訟につき被告の申立てがあるときは、訴訟の全部又は一部をその所在地を管轄する地方裁判所に移送しなければならない。ただし、その申立ての前に被告が本案について弁論をした場合は、この限りでない。

民事訴訟法第19条

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民事訴訟法上での第一審の扱いについて

不動産に関する訴訟の第一審は、民事訴訟法によると次の3つの観点から行うことができるとされています。

1 被告の所在地

訴えは、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。

民事訴訟法第4条1項

被告の普通裁判籍とは、被告(裁判を起こされた人)の住所で訴訟ができるというものです。

2 義務履行地

次の各号に掲げる訴えは、それぞれ当該各号に定める地を管轄する裁判所に提起することができる
1 財産権上の訴え:義務履行地

民事訴訟法第5条1号

義務履行地とは、原告(裁判を起こした人)の住所で訴訟ができるというものです。

3 不動産の所在地

次の各号に掲げる訴えは、それぞれ当該各号に定める地を管轄する裁判所に提起することができる
12 不動産に関する訴え:不動産の所在地

民事訴訟法第5条12号

つまり、上記1と2の可能性をこちらの条項で排除しているということになるのです。

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この記事の執筆者

坂根 大介
坂根 大介さかね だいすけ

イクラ株式会社代表。はつね司法書士事務所共同代表。1986年大阪生まれ。関西大学文学部卒業。
野村證券株式会社に入社し、国内リテール業務を経て、その後三井不動産リアルティ株式会社三井のリハウス)にて不動産売買仲介を行う。
「証券×不動産(売買)×IT」という強みと、契約実務や物件調査の経験をもとに、プロ向けに不動産の調査方法や用語解説、不動産市況、不動産屋社長のためのノートを「イクラちゃんねる」にてわかりやすく発信している。
また、司法書士事務所では、不動産登記の専門家として登記だけでなく、離婚協議書の作成や遺産分割協議書の作成、相続登記、自己破産の申請を数多く行っており、住宅ローンなど金銭的問題・離婚・相続などを中心に法律に関わる不動産売却の相談が年間1000件以上ある。
イクラ株式会社では、売買実績豊富な信頼できる不動産会社だけを集めた「イクラ不動産」と、LINEで売却相談できる来店不要の不動産屋さん「スマホの不動産屋さん」を運営。
主な資格は、宅地建物取引士、JSHIホームインスペクター、2級FPなど。