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不動産売買契約書の「所有権移転登記等」とは

不動産売買契約書の「所有権移転登記等」とは
不動産屋
不動産売買契約書の「所有権移転登記等」って何だったっけ…?
“こくえい和田さん”
こちらは、売主の基本的な義務として、買主に対して所有権の移転登記申請手続義務があることを定めた条項になります。

(この項目では、FRK・宅建協会・全日・全住協の契約書を念頭に説明しており、書式や記載方法は微妙に異なっていますが、用語の意味や記入すべき内容は基本的に同じです。ここではFRKの記入方法を中心に解説しています。)

不動産(土地・建物・マンション)を売買する際、契約書に「所有権移転登記等」という項目があります。

(所有権移転登記等)

第9条 売主は、買主に対し、売買代金全額の受領と同時に本物件について、買主の名義に所有権移転登記申請手続をします。
2 前項の登記申請に要する費用は、買主の負担とします。ただし、本物件に関する所有権登記名義人の住所、氏名の変更登記を要する場合の費用は、売主の負担とします。

「所有権移転登記等」の意味と内容

こちらは、売主の基本的な義務として、買主に対して所有権の移転登記申請手続義務があることを定めた条項になります。

所有権移転登記について知りたい方はこちらをご覧ください。

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2016.01.10

登記手続きの費用は、登記によって利益を受けるものに負担させるべきです。そこで、こちらの条項では、所有権移転登記の申請手続きに必要な登録免許税、司法書士の報酬費用は、買主の負担としています。ただし登記名義人の表示変更登記が必要になる場合には、売主が費用負担すべきですので、登記名義人の表示変更のための費用は売主の負担となることも定めています。ただし、地域の慣行により、登記原因証明情報作成費用等、売渡しに関する費用を売主の負担とする場合はそれに従い契約書を作成します。

登記原因証明情報」とは、旧不動産登記法の登記原因証書(売渡証書や所有権移転合意書、抵当権設定契約書等)とは異なる新しい概念で、「登記原因証明情報」を全ての物件変動の登記に必要的に添付することが、平成17年3月施行の新不動産登記法により、登記義務者(売買の場合は売主)に義務付けられました。具体的には、売買契約書領収書抵当権設定契約書が該当し、その他その登記申請のために新たに作成された証明書など登記原因が存することを証する情報が登記原因証明情報となります。

不動産登記法の改正前は、申請書副本で旧法の登記原因証書の代替えができましたが、改正後は、申請書副本は廃止され、登記原因を証する情報の提供が必要になりました。

不動産の登録免許税はいくら?

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2017.11.06
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所有権移転登記の手続き上の注意

所有権移転登記の手続きをする際は、事前に次の確認が必要です。

①売主の所有権登記済証(権利証)

新不動産登記法の施行前は、所有権移転登記申請の際に、売主が紛失等により権利証を提出できない場合、保証書を作成しましたが、新法施行と同時にすべての登記所で保証書の制度が廃止されています。

所有権移転登記申請の際に、売主が紛失等により権利証を提出できない場合は、事前通知制度または資格者代理人(司法書士)による本人確認情報提供制度のいずれかの制度を利用することになりますが、売主には資格者代理人(司法書士)による本人確認情報提供制度の利用を強く勧めるべきです。本人確認情報提供制度を利用する場合は、事前通知制度と異なり「同時決済」(抵当権抹消登記、所有権移転登記、抵当権設定登記の各申請を同時に行う)ができるからです。ただし、本人確認の手続きに期間を要することに注意が必要です。

②売主の登記簿上の住所と印鑑証明書の住所が一致していること

売主の登記簿上の住所と印鑑証明書の住所が一致していない場合は、住民票などを添付して所有権登記名義人の表示変更登記の申請が必要となります。

③売主の印鑑証明書の期限について

印鑑証明書は、発行日から3ヶ月以内のものでなければなりません。

④売主からの登記原因証明情報の提供

登記原因証明情報としては、最もふさわしいのは売買契約書ですが、原本を返してくれないため使用することができません。したがって、別に登記原因証明情報を作成する方法によって行うことになります。実務においては、登記申請手続きを依頼する司法書士に、登記申請書類の1つとして登記原因証明情報の作成を依頼することになります。

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中間省略登記について

中間省略登記についてはこちらをご覧ください。

新・中間省略登記についてわかりやすく説明する

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2017.01.15

上述した通り、新不動産登記法の施行後、登記原因証明情報の提供が必要となったため、申請書副本による登記申請ができなくなりました。契約自体が甲ー乙間の売買、乙ー丙間の売買であるにもかかわらず、甲を売主・登記義務者とし、丙を買主・登記権利者とする登記原因証明情報は、実態と異なるため認められません。つまり、中間省略登記ができなくなりました。

仮登記について

不動産売買契約書では、登記前に売主が買主のために仮登記を設定することを予定していません。しかし、不動産取引によっては手付金、内金の合計額が場合によっては売買代金の50%を超えることもあります。このような場合、通常の中古住宅の売買における買主のリスクを超えていることから、買主の権利を保全する必要性が高くなります。とはいえ、売買金額全額の受け渡しをしないまま、買主名義に所有権移転登記をすることも行き過ぎです。

買主の保全すべき権利は二つあり、一つは本物件(具体的には所有権)そのものです。二重譲渡されたり、新たに担保を付されたりすることを防ぐことです。二つめが支払った金銭です。金銭だけの目的であれば、本物件に抵当権を設定したり、また、売主の家の財産に抵当権をつければ十分ですが、本物件を保全することができません。仮登記は前者の権利の保全を目的とします。こちらは、仮登記よってこの権利を保全する場合における特約例です。

(所有権移転請求権仮登記の特約)

売主は、第1回内金受領と同時に本物件につき買主と協力して所有権移転請求権の仮登記の申請手続きをしなければなりません。ただし、この時に要する費用は買主の負担とします。

仮登記することによる効力とは、将来の本登記の順位を保全できることです。そもそも、登記の効力は対抗力ですが、これは基本的には早い者勝ちです。契約が成立したからといっても、二重譲渡されたりして先に登記されてしまったら、原則として所有権を主張することができません。ただ、仮登記があれば将来、本登記したときにその順位には仮登記したときの順位とされ、結果として仮登記の時にさかのぼって対抗力が生じることになるからです。

仮登記に基づいて本登記(仮登記がされた後、これと同一の不動産についてされる同一の権利についての権利に関する登記であって、当該不動産に係る登記記録に当該仮登記に基づく登記であることが記録されているものをいう。以下同じ。)をした場合は、当該本登記の順位は、当該仮登記の順位による。

不動産登記法第106条

本登記の際、仮登記後にされた当該本登記と両立できない登記は抹消されます。ただし、抹消のための承諾書が必要になります。

2 登記官は、前項の規定による申請に基づいて登記をするときは、職権で、同項の第三者の権利に関する登記を抹消しなければならない。

不動産登記法第109条第2項

仮登記の効力は強いため、仮登記を設定するかどうかについて逆に売主の保護を考えなければならないという視点もあります。売買代金のうち、何%ぐらい支払えば仮登記を設定するのかは定められているわけではなく、あくまで、売主と買主が交渉により決めるべきものです。

仮登記には次の2種類があります。

①代金を完済しても売主が登記に協力しない等、手続き上の要件が備わっていないとき

仮登記は、次に掲げる場合にすることができる。

1 第三条各号に掲げる権利について保存等があった場合において、当該保存等に係る登記の申請をするために登記所に対し提供しなければならない情報であって、第二十五条第九号の申請情報と併せて提供しなければならないものとされているもののうち法務省令で定めるものを提供することができないとき。

不動産登記法第105条第1号

これを1号仮登記、または所有権保全の仮登記とも称しています。

②代金は完済していないが、その請求権があるとき

仮登記は、次に掲げる場合にすることができる。

2 第三条各号に掲げる権利の設定、移転、変更又は消滅に関して請求権(始期付き又は停止条件付きのものその他将来確定することが見込まれるものを含む。)を保全しようとするとき。

不動産登記法第105条第2号

これを2号仮登記、または所有権移転請求権保全の仮登記と称します。いずれもその効力は全く変わりありませんが、特約は後者の2号仮登記を指します。

仮登記は前記の通り、本物件(所有権)を保全するためです。しかしながら仮登記を設定しても先順位に抵当権等の登記があれば、その抹消ができない限り目的が達成できないことがあります。

次に、仮登記設定後、万一契約が何らかの事由で解除されたときは、いわゆる原状回復することになりますが、この時売主は受領済の金員を買主に返還し、買主は仮登記の抹消をすることになります。この金銭の返還と登記との関係は同時履行の関係になります。ただ、売主が返還すべき金員をすでに使っているケース等、この原状回復が甚だ困難な場合があります。したがって、仮登記を設定するときは、同時履行の問題も十分に調査すべきで、簡単に仮登記を設定すべきではないとされています。

相続登記について

相続登記についてはこちらをご覧ください。

相続登記についてわかりやすく説明する

相続登記とはなにかわかりやすくまとめた

2017.01.13

(相続登記に関する特約)

売主は、第◯条の所有権移転登記の時期までに、その責任と負担において、本物件につき売主名義の相続登記を完了します。

相続人(売主)が相続で取得した物件で、登記名義がまだ被相続人(亡くなった人)になっている場合に自己(売主)名義に登記を変更することを、売主に義務付ける特約になります。

被相続人名義の不動産を直接買主名義にすることはできません。一度売主である相続人の登記名義にする必要があります。たとえ当事者間で中間省略登記をすることが合意されたとしても、相続登記を中間省略することが登記手続上は認められないからです。

売主(相続人)名義の登記に移転するためには、他の相続人が売主にその物件を相続させることを同意していること、例えば他の相続人との間で遺産分割協議が成立し、または遺産分割の裁判が確定することが要件となります。したがって、媒介契約時に遺産分割協議書の有無等を売主に確認しなければなりません。できる限り売主に対して、売買契約締結前に相続登記を完了してもらうように要請すべきです。

建物滅失登記・解体登記・建物の取壊し

(建物消滅登記の特約)

売主は、所有権移転登記の時期までに、その責任と負担において本物件上には現存しない家屋番号◯◯番◯の建物の滅失登記を完了しなければなりません。

建物は現存していませんが、建物の登記のみが残っている土地を売却するとき、建物登記を売主の負担により滅失してもらうための特約です。買主が購入した土地に新築建物の表示登記をするとき、古い建物の滅失登記がされていないと受理されないこともあるからです。法務局において取り扱いが違いますので注意が必要です。

(売主負担による建物解体・滅失登記の特約)

売主は、所有権移転登記の時期までに、その責任と負担において本物件上に存する建物、工作物、立木等を解体・撤去し、家屋番号◯◯番の◯の建物の滅失登記を完了しなければなりません。

古家付土地の売買で、売主の負担で建物の解体工事をしてもらい、かつその建物の滅失登記をしてもらうための特約です。

(所有権移転後、現存建物を買主負担で取壊す場合の特約)

第9条第1項にかかわらず、買主が残代金支払い時に本物件建物につき、所有権移転登記の申請手続きにかえて建物の滅失登記の申請を希望したときは、売主はこれに協力します。
ただし、この建物の取壊しおよび滅失登記に要する費用は買主の負担とします。

いわゆる、現状渡しで取引し、買主負担で建物の解体撤去するときの特約です。登録免許税や不動産取得税の軽減のため、売主名義の建物は買主名義に移転登記せず売主名義のまま滅失登記します。

増築未登記建物の表示変更登記について

(増築未登記建物の表示変更登記に関する特約)

売主は、所有権移転登記の時期までに、その責任と負担において、本物件建物の増築未登記部分の表示変更登記を完了します。

土地の移転登記と同時に建物の移転登記ができるよう、所有権移転登記申請時までに売主に自己負担で建物の表示変更登記を完了しておいてもらうための特約です。

不動産屋
読んでもわからない・・・難しい・・・重説どうしたらいいんだ。。。

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