不動産の重要事項説明書における「砂防法」とはなにか

不動産の重要事項説明書における「砂防法」とはなにか

砂防法不動産の重要事項説明書の「都市計画法・建築基準法以外のその他の法令に基づく制限」において「砂防法」という項目があります。

どのような不動産が砂防法の対象となり、どのような制限を受けるのでしょうか。

ここでは、不動産の重要事項説明における砂防法について説明します。

次の不動産は「砂防法」について重要事項説明が必要です。

  • 砂防指定地内

砂防法とは?

砂防法(砂防指定地)砂防法は、豪雨による山崩れや河床(かしょう)の浸食の現象に伴う不安定な土砂の発生とその流出による土砂災害を防止することによって、望ましい環境の確保と河川の治水上、利水上の機能の保全を図ることを目的として1897(明治30)年に定められました。

簡単にいうと、砂防法とは土石流や山崩れなどの土砂災害を防ぐための法律です。

国土交通大臣は、砂防ダム(写真)などの砂防設備を要する土地、または治水上砂防のため一定の行為を禁止もしくは制限すべき土地を砂防指定地に指定します。

砂防指定地内において、都道府県知事は一定の行為を禁止もしくは制限することができます。指定するのは国土交通大臣ですが、禁止もしくは制限される行為は都道府県の条例で定められます。制限の内容は、おおむね土地の掘削・切土・盛土・土石の採取・立竹林の伐採等であり、原則として都道府県知事の許可が必要です。

【砂防指定地内での制限行為】

指定地内においては、都道府県知事は、土地の掘削、工作物の新築等の一定の行為を禁止または制限することができるとされています。

砂防法第4条1項

砂防指定地内のおおまかな制限(都道府県の条例ごとに異なります)
  • 宅地造成、開墾その他、土地の形状を変更すること
  • 砂防設備に工作物を設置し、継続して砂防設備を使用すること
  • 河川または流路に流水する恐れのある場所で土石、鉱物等を堆積または投棄すること
  • 竹林を伐採し、または、滑下もしくは地引きにより運搬すること
  • 土石もしくは砂礫を採取し、または鉱物を採掘すること
  • 芝草を掘り採ること

なお、渓流(けいりゅう:谷川や沢)の勾配が15度以上で土石流発生の危険性があり、人家や公共施設に被害を生じるおそれのある渓流もしくは、人家や公共施設がない場合でも一定の要件を満たし、住宅等が新規に立地する可能性があると考えられる場所に流入する渓流を土石流危険渓流に指定します。簡単にいうと、土石流危険渓流とは、土石流が発生する恐れがあると認められた川や沢のことです。

砂防法(砂防ダム)

土石流(どせきりゅう)とは、土砂が水(雨水や地下水)と混合して、河川・渓流(けいりゅう)などを流れる現象のことです。山腹・川底の石や土砂が長雨や集中豪雨などによって一気に下流へと押し流されて、一瞬の内に人家や畑を壊滅させてしまいます。この土砂が一気に流れないように防いでいるのが砂防ダムです。

砂防ダムの効果について、土石流の模型を使った実験の映像です。

よく混乱しがちになるのが、土砂法土砂災害防止法と急傾斜地法を含む土砂三法(砂防法・地すべり等防止法急傾斜地法の違いです。

土砂三法と土砂災害防止法の違い

土砂法(土砂災害防止法・土砂災害防止対策推進法)は、土砂災害の被害を受ける土地への対策としての法律ですが、砂防法は、そもそもの災害発生源である土石流(土砂災害)の対策について定めています。

砂防指定地調査している物件が砂防指定地内にあるかについてはGoogleYahoo!で「◯◯(都道府県) 砂防指定地」と調べるか、わからない場合は地域を所管している各土木事務所の窓口で確認します。

調査した結果、売買の対象となる敷地が砂防指定地内に該当する場合には、制限の内容を調査するとともに、不動産の重要事項説明書の「砂防法」の項目にチェックをつけて、制限内容を説明する必要があります。