売主は不動産売買契約書の印紙税を節税できるのか?

不動産の税金

不動産を売買するときは、売買契約書に印紙を貼付して印紙税を納めなければなりません。

しかし、あなたが売主の場合は、印紙税を節約できるかもしれないことをご存知でしょうか。

とはいえ、印紙税を節約したことでなにかデメリットはあるのでしょうか。

ここでは、不動産売買契約書に貼付する印紙の節税方法についてわかりやすく説明します。

 

売主は印紙税を負担しなくても良いのか?

あなたが不動産を売却した場合、買主との間で不動産売買契約書を取り交わします。その際、不動産売買契約書に印紙を貼付し、売主・買主それぞれ負担するのが一般的です。「一般的」というのは、不動産会社からも「印紙を用意してくださいね」と言われるからです。

印紙税がいくらかというのは、契約書の種類と売買代金によって決まります。例えば、4,000万円の不動産物件を売却する場合は、10,000円分の印紙を契約書に貼らなければなりません。

不動産の印紙税はいくら?

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2017.10.22

一般的に、売主と買主がそれぞれ1通ずつ不動産売買契約書を作成し、保存(保有)する場合にはそれぞれの契約書が課税文書に該当するため、それぞれの契約書に印紙の貼付が必要になります。課税文書とは、印紙税法で定められている「印紙を貼付する必要がある文書」のことです。

ただし、同じ内容の契約書で、原本と写し(コピー)で単なる控えとしていれば、課税文書に該当しないため印紙税は必要ないのです。

このとき、不動産売買契約書の条項に「本契約書1通を作成し、買主がこれを保有し、売主はこの写しを保有する」等の文言を入れる必要があります。

不動産売買契約書の「印紙の負担区分」とは

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2017.10.23

しかし、このコピーに、上から新たに契約当事者の直筆の署名や押印があるものについては、契約の成立を証明する目的で作成された文書であると認められ、原本と同様に課税文書にあたるとされ、印紙税がかかるため注意が必要です。

コピーにデメリットはあるの?

さて、ここで気になるのが、コピーにデメリットがあるのか、つまり、コピーは原本と同じ効力を発揮できるのかどうかですよね。

安心してください。原本もコピーも、契約の効力は原則として同じです。契約書とは「契約当事者の合意を明確にするために作成されるもの」であり、コピーであっても契約当事者間の合意を明らかにできるからです。ただ、「原則として」と申し上げるのは、もし、もしも原本とコピーとで内容が異なっていれば、原本の方が証拠力があるからです。

それなら「コピーに原本と相違がない」という文言を契約書に入れて欲しいところですが、「コピーに原本と相違がない」という証明文言を入れた場合には、なんと印紙税を払わなければならないのです。これが「保存」と「単なる控え」の違いなのです。

結論として、買主の契約書の原本を1通作成して、その契約書に収入印紙を貼り、売主はその原本のコピーをもらえば、印紙税を節税することができるのです。

買主に「印紙代の半額を負担してよ!」と求められた場合は?

売主とは違い、買主は原本の不動産売買契約書を持つ必要があります。その不動産を所有している証明の一つでもあります。

それにも関わらず、買主に「印紙代の半額を負担してよ!」と要求される場合があります。買主からすると「契約書が1通で、私の契約書をコピーして無料で売主に渡すって、なんかおかしくない?」という主張です。しかし、これはこれで「原本が買主で、コピーが売主なのに、印紙代は折半?」と売主からすると嫌な気分になりそうです。

買主は、その不動産を購入して、今後(未来)様々な場面においてその原本が必要なことがあるため「保存」するのであり、売主は、売却してその不動産を手放してしまうと、契約書を利用する場面は基本的にありません。つまり、売主は必要ないからコピーで良いのであり、半額負担を求められるのはおかしいということになります。

お断りしても良いでしょう。

ただ、売主と買主は対等の立場です。このようなことで買主と変にもめるようなことがあれば、今後「何か問題があったとき」のために不動産売買契約書の原本をそれぞれ1通保有していた方が良いでしょう。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

坂根大介

イクラ株式会社代表。1986年大阪生まれ。関西大学文学部卒業。野村證券株式会社に入社し、国内リテール業務を経て、その後三井不動産リアルティ株式会社(三井のリハウス)にて不動産売買仲介を行う。不動産売買取引の契約実務や物件調査の経験をもとに、プロ向けに不動産の調査方法や用語解説、不動産市況、一般消費者向けに不動産業界の見えにくくわかりづらい不透明な情報をわかりやすく発信している。
主な資格は、宅地建物取引士、JSHIホームインスペクター、2級FPなど。