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【重説】「水防法に基づく水害ハザードマップ」とはなにか

【重説】「水防法に基づく水害ハザードマップ」とはなにか

不動産の重要事項説明書の「水防法に基づく水害ハザードマップにおける当該宅地建物の所在地」欄にチェックをつける項目があります。

水防法に基づく水害ハザードマップにおける当該宅地建物の所在地(位置)

2020年7月の記録的な豪雨で被害を受けた熊本県人吉市では、ハザードマップ上で浸水が予想されていた地域と実際の浸水区域がほぼ重なっていました。また、2018年の西日本豪雨でも浸水想定区域で多数の住宅が浸水し、逃げ遅れた住民が犠牲になったことから、水害リスクも重要事項説明書で説明することになりました。

(西日本豪雨[2018年])

こちらでは、不動産重要事項説明書の「水防法に基づく水害ハザードマップにおける当該宅地建物の所在地」の内容についてわかりやすく解説します。

(この項目では、FRK・宅建協会・全日・全住協の重要事項説明書を念頭に説明しており、書式や記載方法は微妙に異なっていますが、用語の意味や記入すべき内容は基本的に同じです。)

なぜ調べる必要があるのか?

今や台風やゲリラ豪雨による浸水は珍しいものではなくなり、甚大な被害が生じています。

消費者
こんなに水災の可能性がある地域って知っていたらこの家は買わなかったのに!

消費者目線で考えると、上記の主張はもっともです。

水害リスクに関する情報が不動産契約の意思決定を行う上で重要な要素となっているため調べる必要があるのです。

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なにを調べる必要があるのか?

不動産取引(売買・交換・賃貸)の対象である土地・建物が、水害ハザードマップ上のどこに所在するかを調べる必要があります。

ハザードマップとは、自然災害による被害とその範囲を予測した地図で、予測される災害の発生地点、被害の範囲や程度、避難経路や避難場所などの重要な情報が地図上に示されたものです。詳しくは「ハザードマップとはなにか」で詳しく説明していますのでご覧ください。

ここでの水害ハザードマップとは、水防法に基づく洪水・雨水出水(内水)・高潮の3種類のハザードマップを指します。具体的には、取引の対象となる不動産がある市区町村が配布する印刷物を入手するか、または、GoogleYahoo!で「◯◯(市町村or都道府県) 水害ハザードマップ」と検索して、その市区町村のホームページ等に掲載されたものを印刷して説明します。

・洪水ハザードマップ:大雨によって河川が増水し、堤防が決壊したりあふれたりする氾濫が発生した場合に、浸水が想定される範囲(浸水想定区域)とその程度、および地域の避難場所などの情報を示した地図です。(関連:浸水想定区域についてわかりやすくまとめた

洪水

(水害ハザードマップ[洪水]大阪市北区2020年9月現在)

雨水出水(内水)ハザードマップ:大雨時に下水管や水路からの浸水が想定される範囲(浸水想定区域)やその程度などの情報を示した地図です。(関連:都市洪水想定区域・都市浸水想定区域についてわかりやすくまとめた

雨水出水ハザードマップ

(水害ハザードマップ[雨水出水]大阪市北区2020年9月現在)

高潮(たかしお)ハザードマップ:高潮とは、台風や発達した低気圧により波浪(高波やうねり)が発生して、海面の高さがいつもより異常に高くなる現象のことで、これにより浸水が想定される範囲(浸水想定区域)やその程度などの情報を示した地図です。なお、地震によって生じる津波とは異なります。

高潮ハザードマップ

(水害ハザードマップ[高潮]大阪市北区2020年9月現在)

もちろん、水害ハザードマップは最新のものを用意してください。

もし、次のような場合、

  • 市区町村で水害ハザードマップを作成していない
  • 印刷物の配布やホームページ等で掲載等していない

水害ハザードマップがない旨の説明を行う必要があります。

もし、新しいハザードマップがなくても、平成27年の水防法改正以前の水防法に基づいて作成された古い水害ハザードマップがある場合は、古い水害ハザードマップについて説明する必要があります

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どのように重要事項説明するのか?

買主または借主に、取引の対象となる宅地・建物の位置を含む該当エリアの水害ハザードマップをそれぞれ提示し、取引対象となる不動産の概ねの位置を示す必要があります。

また、次のように説明を行うことが望ましいとされています。

  • 水害ハザードマップ上に記載された避難所について、あわせてその位置を示すこと
  • 水害ハザードマップに記載された浸水想定区域に該当しない=水害リスクがないと相手方が誤認しないよう配慮すること
  • 水害ハザードマップに記載されている内容について、今後変更される場合があることを補足すること

とはいえ、水害ハザードマップに記載されている内容の説明までは、宅地建物取引業者に義務付けているものではありません

また、不動産が、複数の河川ごとの水害ハザードマップに含まれている場合は、それぞれについて説明する必要があります

重要事項説明書の記載例

洪水や内水氾濫によって、市街地や家屋、田畑が水で覆われることを浸水といい、その地面から水面までの高さを「浸水深(しんすいしん)」と言います。(国土交通省「川の防災情報」参照)

浸水深 浸水程度の目安
0〜0.5m 床下浸水(大人の膝までつかる)
0.5m〜1.0m 床上浸水(大人の膝までつかる)
1.0〜2.0m 1階の軒下まで浸水する
2.0〜5.0m 2階の軒下まで浸水する
5.0m〜 2階の屋根以上が浸水する

次のように記載します。

①水害ハザードマップ(洪水)がある場合で、想定浸水深の記載説明を行う場合

水防法にもとづく○○市洪水ハザードマップによりますと、想定しうる最大規模の降雨(総雨量○○mm・時間最大雨量○○mm)により○○川が氾濫した場合、本物件は想定浸水深○m~○mの区域とされています。また、本物件の存する地域の避難所は○○小学校とされています。詳細につきましては、別添○○市洪水ハザードマップを参照下さい。
なお、雨の降り方や土地利用の変化等により想定浸水深を超える浸水の発生、および浸水想定区域以外のところでも浸水することがありますので、あらかじめご留意下さい。また、各ハザードマップに記載されている内容につきましては、今後変更される場合がありますので、あらかじめご承知おき下さい。

②水害ハザードマップ(洪水・雨水出水(内水)・高潮)がある場合で、現地がいずれも浸水想定区域外である場合

水防法にもとづく○○市洪水ハザードマップによりますと、想定しうる最大規模の降雨(総雨量○○mm・時間最大雨量○○mm)により○○川が氾濫した場合、本物件は浸水想定区域外とされています。また、○○市雨水出水(内水)ハザードマップによりますと、想定しうる最大規模の降雨(総雨量○○mm・時間最大雨量○○mm)により河川や下水道などの治水施設では処理しきれない雨が地表面に溜まり浸水被害が発生した場合、本物件は浸水想定区域外とされています。また、○○市高潮ハザードマップによりますと、高潮が発生した場合、本物件は浸水想定区域外とされています。
本物件の存する地域の避難所は○○小学校とされています。詳細につきましては、別添○○市洪水ハザードマップを参照下さい。
なお、雨の降り方や土地利用の変化等により想定浸水深を超える浸水の発生、および浸水想定区域以外のところでも浸水することがありますので、あらかじめご留意下さい。また、各ハザードマップに記載されている内容につきましては、今後変更される場合がありますので、あらかじめご承知おき下さい。

③水害ハザードマップ(洪水・雨水出水(内水)・高潮)が作成されていない場合

本物件の存する地域(○○市)では、水防法にもとづく洪水・雨水出水(内水)・高潮ハザードマップが○年〇月時点でいずれも作成されておりません。

不動産屋
読んでもわからない・・・難しい・・・重説どうしたらいいんだ。。。

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この記事の執筆者

坂根 大介
坂根 大介さかね だいすけ

イクラ株式会社代表。はつね司法書士事務所共同代表。1986年大阪生まれ。関西大学文学部卒業。
野村證券株式会社に入社し、国内リテール業務を経て、その後三井不動産リアルティ株式会社三井のリハウス)にて不動産売買仲介を行う。
「証券×不動産(売買)×IT」という強みと、契約実務や物件調査の経験をもとに、プロ向けに不動産の調査方法や用語解説、不動産市況、不動産屋社長のためのノートを「イクラちゃんねる」にてわかりやすく発信している。
また、司法書士事務所では、不動産登記の専門家として登記だけでなく、離婚協議書の作成や遺産分割協議書の作成、相続登記、自己破産の申請を数多く行っており、住宅ローンなど金銭的問題・離婚・相続などを中心に法律に関わる不動産売却の相談が年間1000件以上ある。
イクラ株式会社では、売買実績豊富な信頼できる不動産会社だけを集めた「イクラ不動産」と、LINEで売却相談できる来店不要の不動産屋さん「スマホの不動産屋さん」を運営。
主な資格は、宅地建物取引士、JSHIホームインスペクター、2級FPなど。

この記事の監修者

和田 周
和田 周わだ しゅう

株式会社こくえい不動産調査代表。1970年生まれ。日本大学法学部卒業。
自動車関連会社、不動産賃貸会社を経て三井不動産リアルティ株式会社三井のリハウス)各店に在籍し、不動産売買仲介業務に従事。
2006年7月 不動産調査のアウトソーシング受託と取引支援を主業務とする「こくえい不動産調査」を設立し、2012年1月「株式会社こくえい不動産調査」設立。
不動産調査方法、不動産売買契約書類作成手法、不動産売買営業手法を解説しており、主な実績としては、
(公社)全日本不動産協会
(公社)全国宅地建物取引業協会
(一社)TRA全国不動産協会
の法定研修や各種研修、その他企業内研修も多数実施。
また、
(公社)全日本不動産協会
(一社)TRA全国不動産協会
の不動産契約書式・不動産重要事項説明書式・制作・監修協力も行う。
著書は『不動産売買契約書類記載マニュアル』『ポケット版不動産調査実務マニュアル〜東京篇〜』『ポケット版不動産調査実務マニュアル〜大阪篇〜』など。
主な資格は、宅地建物取引士、不動産コンサルティング技能登録者、2級FPなど。