タワーマンション節税のキーワードは2018年

タワマン節税第2章

以前、タワーマンション節税が終わりに近づいているという記事を書いた。

タワーマンション節税の「終わりのはじまり」

2016.03.27

今後どのようになるか具体的に見えてきた。

政府・与党は20階建て以上の高層マンションについて、高層階の固定資産税と相続税を引き上げる。2018年以降に引き渡す新築物件が対象。一方で低層階の税負担を軽くする。高層階の部屋は取引価格が高いわりに税金が安く、富裕層の間では節税策として購入する動きが広がっていた。

菅義偉官房長官は24日の記者会見で「実際の取引価格を踏まえた固定資産税の按分方法を検討している。今後の税制改正で検討する」と述べた。政府・与党は12月にまとめる与党税制大綱に盛り込むことを目指す。国や市町村の税収は現行制度を適用する場合と変わらないようにする見通しだ

対象は大都市圏で増える「タワーマンション」と呼ばれる超高層物件で、20階建て以上を想定している。[…]総務省が検討している新しい評価額の仕組みは、高層マンションの中間の階は現行制度と同じ評価額にする一方、中間よりも高層の階では段階的に引き上げ、低層の階では段階的に引き下げる。[…]新しい税制の対象は18年以降に引き渡す新築物件に限定する。既存の物件は今の税制を適用する。現在の税負担を前提に高層階を購入した住民から強い批判が出るためだ。

(2016年10月25日日本経済新聞朝刊5面抜粋)

まとめてみると以下のようになる。

  • 20階建て以上の(タワー)マンション
  • 高層階の固定資産税と相続税を引き上げる
  • 2018年以降に引き渡す新築物件が対象で、2017年中までに引き渡された物件は今の税制を適用
タワマン2018年

タワーマンション節税規制画像byイクラちゃんねる「国や市町村の税収は現行制度を適用する場合と変わらないようにする」とのことなので、全体的にタワーマンションというだけで固定資産税と相続税が上がるわけではない。そのため、高層階の税金が上がれば上がるほど、相対的に低層階の税金は下がることになる。

タワーマンションは、眺望が良い高層階に行くほど価格が高い。同じ面積でも、低層階の数倍の価格になることもある。しかし、今まで相続税の算定基準となる「評価額」は階層や日当たりの条件によって差がつかず一律となっていた。階が高くても低くても税金は同じなので、高層階の高価格マンションを買った方がより節税できた。それがタワマン人気に拍車をかけていたわけだ。

今後、相続税の対象となる富裕層はタワーマンションの低層階を購入する流れになると予想される。低層階の方が価格が安いだけに、一度に数戸単位で購入することも多くなると見られる。ここまでは建物部分(お部屋)の相続税評価額の話だが、タワーマンションは土地の相続税評価額も小さい。タワーマンションは、限られた敷地(土地)に家の戸数が何百戸もあり、1戸あたりの土地の所有持分が小さくなるからだ。そもそも、普通のマンションに比べて節税効果が高いので、「タワーマンションを売る・買わなくなる」といった動きになる可能性は低いと見られる。

ただし、上記は2018年以降に引き渡されたタワーマンションの話であり、2017年中までに引き渡されたタワーマンションについては今まで通りだ。高層階ほど人気も高く、中古売買が活発に行われることが予想されるだろう。特に「タワマン増税」の話が出てきて、今後の動きの不透明感から購入を控えていた富裕層も、国のお墨付きを見て再度購入に動き出すと見られる。

これらについては、12月にまとめる与党税制大綱に盛り込むことを目指した動きで、確定事項ではないことに注意が必要だ。

タワマンも変わる?

(TBS系「砂の塔〜知りすぎた隣人」第1話より)

いわゆるタワマンルールにあるとされる、低層階の住人が高層階の人々に見下されてしまうという「フロア差別」は逆転し、2018年以降、低層階の所有者こそ実は本当のお金持ちということになるのかもしれない。

 

タワマン節税第2章

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ABOUTこの記事をかいた人

坂根大介

イクラ株式会社代表。1986年大阪生まれ。関西大学文学部卒業。野村證券株式会社に入社し、国内リテール業務を経て、その後三井不動産リアルティ株式会社(三井のリハウス)にて不動産売買仲介を行う。不動産売買取引の契約実務や物件調査の経験をもとに、プロ向けに不動産の調査方法や用語解説、不動産市況、一般消費者向けに不動産業界の見えにくくわかりづらい不透明な情報をわかりやすく発信している。 主な資格は、宅地建物取引士、JSHIホームインスペクター、2級FPなど。