不動産の重要事項説明書における「津波防災地域づくりに関する法律」とはなにか

その他の法令に基づく制限

津波防災地域づくりに関する法律(重要事項説明)不動産の重要事項説明書の「都市計画法・建築基準法以外のその他の法令に基づく制限」において「津波防災地域づくりに関する法律」という項目がある。

どのような不動産が津波防災地域づくりに関する法律の対象となり、どのような制限を受けるのだろうか。

ここでは、不動産の重要事項説明における津波防災地域づくりに関する法律について説明する。

以下の不動産は「津波防災地域づくりに関する法律」について重要事項説明が必要です。

  • 津波災害警戒区域内の宅地建物
  • 津波防護施設区域内
  • 指定避難施設

 

津波防災地域づくりに関する法律とは?

津波防災地域づくりに関する法律(重要事項説明)津波防災地域づくりに関する法律は、津波による災害の防止等の効果が高く、将来にわたって安心して暮らすことのできる安全な地域の整備等を総合的に推進することにより、津波による災害から国民の生命、身体及び財産の保護を図ることを目的に、2011(平成23)年に定められた。津波防災地域づくり法と略される。

背景として、東日本大震災により甚大な津波の被害を受けたことにある。復興にあたっては、将来を見据えた津波災害に強い地域づくりを推進する必要があり、また、将来起こりうる津波災害の防止・軽減のため、全国で活用可能な一般的な制度を創設する必要があった。

具体的には、市町村による整備推進計画の作成、津波災害警戒区域における警戒避難体制の整備並びに津波災害特別警戒区域における一定の開発行為及び建築物の建築等の制限に関する措置等について定めている。

(津波防護施設区域内における土地の掘削等の許可)

津波防護施設管理者(津波防護施設を管理する都道府県知事または市町村長)は、津波防護施設区域を指定するものとしているが、その指定区域内において土地の掘削等をしようとする者は津波防護施設管理者の許可を得なければなりません。

津波防災地域づくり関する法律第23条1項)

(指定津波防護施設の改築等の許可)

都道府県知事は、浸水想定区域に存する施設について一定の要件を満たすものを指定津波防護施設として指定できるものとしているが、その指定津波防護施設の改築等をしようとする者は都道府県知事に一定の届出をしなければなりません。

津波防災地域づくり関する法律第52条)

(指定避難施設の現状変更行為の届出)

市町村長は、警戒区域内に存する施設について一定の要件を満たすものを指定避難施設として指定できるものとしているが、その指定避難施設の管理者は改築等のその指定避難施設の現状に重要な変更を加えようとするときは市町村長に一定の届出をしなければなりません。

津波防災地域づくり関する法律第58条)

(警戒区域内の施設の管理協定の承継効)

市町村長は、円滑かつ迅速な避難の確保を図るため警戒区域内の施設で一定の基準に適合するものの所有者と管理協定を締結し、その施設の避難用部分の管理を市町村長が自ら行うことができるものとしているが、公告のあった管理協定については公告後においてその管理協定に係る協定避難施設の所有者等となった者に対してその効力が及びます。

津波防災地域づくり関する法律第68条)

都道府県知事は、津波の警戒避難体制を特に整備すべき土地の区域を、津波災害警戒区域として指定することできる不動産仲介において、宅地建物の所在地が津波災害警戒区域に該当するときは、その旨を重要事項として説明しなければならない。これは、宅地・建物の売買、交換、賃借のいずれの場合でも説明が義務づけられている。

津波災害警戒区域内の宅地建物

都道府県知事は、基本指針に基づき、かつ、津波浸⽔想定を踏まえ、津波が発⽣した場合には住⺠その他の者(以下「住⺠等」という。)の⽣命⼜は⾝体に危害が⽣ずるおそれがあると認められる⼟地の区域で、当該区域における津波による⼈的災害を防⽌するために警戒避難体制を特に整備すべき⼟地の区域を、津波災害警戒区域(以下「警戒区域」という。)として指定することができる。

津波防災地域づくりに関する法律第53条1項)

都道府県知事は、津波災害警戒区域の内、「建築物が損壊し、または浸⽔し、住⺠等の⽣命⼜は⾝体に著しい危害が⽣ずるおそれがあると認められる⼟地の区域」について、⼀定の開発⾏為等の制限をすべき⼟地の区域を津波災害特別警戒区域として指定できる(第72条)。

津波災害警戒区域が指定されない限り、津波災害特別警戒区域が指定されることはない。そのため、取引対象となる物件が津波災害特別警戒区域内にあるときは、必然的に津波災害警戒区域内にある旨を説明する必要がある。

不動産仲介において、宅地建物の所在地が津波災害特別警戒区域に該当するときは、実際の説明にあたっては「この物件が所在する場所は津波災害警戒区域内にあり、かつ、津波災害特別警戒区域として指定されており、そのため⼀定の開発⾏為・建築⾏為に対する⾏為制限がかかっている」旨を重要事項として説明することが望ましい。

取引時に津波災害警戒区域として指定されていない場合には説明を⾏う義務はない。しかし施⾏後間もない制度ということもあり、必要に応じて取引の相⼿⽅に「都道府県知事が津波災害警戒区域を指定するという制度があるが、法施⾏後間も ないことから(都道府県内では)、現時点では未指定であるものの、今後都道府県が区域を指定する可能性はある」旨を説明することが、取引上のトラブルを防⽌する観点から望ましい(国土交通省のHPによる)とされている。

なぜなら、重要事項説明書の雛型では「区域内」か「区域外」のいずれかにチェックを付ける形としているが、「区域外」に該当する取引の場合は、チェックを⼊れるだけで説明を省略した場合には、将来にわたって確実に「区域外」の状態が続くとの誤解を招く恐れがあるからだ。

津波防災地域づくりに関する法律(重要事項説明)

あなたの不動産が津波災害警戒区域に該当しているかはGoogleYahoo!で「◯◯(都道府県) 津波災害警戒区域」と検索すれば調べることができる。都道府県が区域指定をするときは、当該区域等は都道府県の公報やインターネットなどの⽅法により公⽰されることとなっている。

不動産売買において、宅地建物が津波災害警戒区域内に該当する場合には、制限の内容を調査するとともに、不動産の重要事項説明書の「津波防災地域づくりに関する法律」の項目の「区域内」にチェックをつけて、制限の内容を説明しなければならない。

 

その他の法令に基づく制限

あなたの不動産はいくら?

iQra-channel(イクラちゃんねる)では、気になるマンションや、ご自宅のマンションの売却価格がその場でわかる!また、どこの不動産会社が売却したのかもわかる!最新の相場価格を公開中!

ABOUTこの記事をかいた人

坂根大介

イクラ株式会社代表。1986年大阪生まれ。関西大学文学部卒業。野村證券株式会社に入社し、国内リテール業務を経て、その後三井不動産リアルティ株式会社(三井のリハウス)にて不動産売買仲介を行う。不動産売買取引の契約実務や物件調査の経験をもとに、プロ向けに不動産の調査方法や用語解説、不動産市況、一般消費者向けに不動産業界の見えにくくわかりづらい不透明な情報をわかりやすく発信している。 主な資格は、宅地建物取引士、JSHIホームインスペクター、2級FPなど。