水路に接している不動産を売却するときに必要な許可や調査は?

水路に接している不動産を売却するときに必要な許可や調査は?

Q:水路に接している不動産の場合、なにか許可が必要でしょうか?また、どのような調査(道路調査・物件調査)が必要でしょうか?

A:水路の占用許可を取る

水路占有許可のイメージ画像byいくらチャンネル現地において、物件と道路との間に「水(川や水路など)」が流れている場合や公図上で道路と敷地との間に「水」という記載がある場合は、調査において特に注意が必要になります。

この「水」の部分が建築基準法上の道路になるのか、つまり接道義務(幅員4m以上の建築基準法上の道路に、2m以上接道していないと家は建てられない)を満たすかどうかで、建築の可否が決まるからです。

この「水」の部分は、一般的に行政が管理しているため、「水の部分は建築基準法上の道路ではない」と役所から判断されると物件は未接道ということになります。

写真のように、建物敷地と道路の間に水路がある場合は、出入りのための橋を架けることで、接道義務を満たすことができます。このように通行や水道管敷設のために水路上を横断するときは、市町村に水路の占用許可を申請しなければなりません。(水路の占有許可書の例[京都])

水路の占用料は市町村によって異なります(無料の自治体もあります)。例えば、京都市では1㎡あたり年間750円の占用料を支払わなくてはなりません。(『京都市準用河川流水占用料等に関する条例』参照)

無許可で橋を架けているケースも多いことから、調査においては注意が必要です。

無許可橋、京都市内に3200カ所 占用料徴収強化、全廃図る

京都市は23日、市内の小規模河川や水路に、無許可で架けられた橋が約3200カ所あることを明らかにした。許可を受けている橋の1.8倍で、市に支払う占用料も納めていない。市は、設置者に許可を得るよう働きかけ、今後6年間で無許可橋をなくす方針。

無許可橋は、住民や店舗などの所有者が、家や駐車場への出入り口を確保するために設けているケースが大半で、長さ3m 以下が多い。本来、架橋の際には、市の許可と占用料 ( 1㎡当たり年間750円 )が必要という。許可を受けている市民から「不公平だ」との不満が多く寄せられ、市は徴収強化を決定した。無許可橋の全廃を目指す取り組みは、政令市で初めてという。

無許可橋が多い理由について市建設局は、「そもそも許可や料金が必要だと知らない市民が多い」とみる。【省略】架橋されていた約4900カ所のうち許可を受けていたのは約1700カ所だった。

(2015年7月23日京都新聞の記事より参照)

役所で調査する場合

まず、物件に接している「水」の部分が、建築基準法上の道路に含まれるのか役所の判断を求めます。そして、水路占用の調査をする場合には、次の内容を道路管理課で確認します。

  1. 現在所有している不動産は、水路占用許可(時期・許可対象者・内容[通行、配管引き込みなど]・使用料など)を取って、建物を建築しているかどうかを調べます。
  2. 売却後、第三者となる買主へ水路占用の許可内容を承継できるか、また新たに許可取得の必要があるかどうか、その具体的な手続き方法などをヒアリングします。
  3. 再建築時の条件(建物の規模や用途の制限、橋の再築造・使用料など)がないかについてヒアリングします。

開渠と暗渠について

暗渠のイメージ画像byいくらチャンネル現地における水路には、ふたなどで覆われていない水路と、地下に埋設されたり、ふたで覆われた水路があり、前者は開渠(かいきょ)、後者は暗渠(あんきょ)と呼ばれます。特に暗渠の場合は、現地で水路なのかどうかわかりにくいことがあります。水路(開渠)は、原則として建築基準法の道路の幅員に含みませんが、暗渠となって道路と一体的に管理されている場合は、通行部分として幅員の一部とするのが一般的です。暗渠は見た目ではわかりにくいので、まずは公図を見て「水」だった場合は暗渠の可能性を疑い、役所の道路管理課で水路の位置が判明することもあるので、道路の範囲や占用許可などについてヒアリングします。(写真は暗渠だった水路が川に合流する地点です。)

42条の建築基準法の道路と接道義務、調査方法についてわかりやすくまとめた

2015.12.13